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【勝手に読書感想部】真犯人はこの列車のなかにいる:ベンジャミン・スティーヴンソン/訳:富永和子

[作品紹介]

オーストラリアのど真ん中を縦断する長距離列車『ザ・ガン』。
新人ミステリ作家のアーネスト・カニンガムはこの列車の車内で開催される推理作家協会主催50周年イベントにガールフレンドのジュリエットとともに参加する。

自らの体験を綴ったミステリ小説『ぼくの家族はみんな誰かを殺してる』がヒットしたことにより、このイベント招待されたアーネストだが、自分以外は錚々たる顔ぶれの人気作家ばかりでかなり肩身のせまい思いをする。
その上、世界的ベストセラー作家のヘンリー・マクタヴィッシュからは作品のレビューに星ひとつという屈辱的な評価を付けられていた。

なんとなく落ち着かない気分の中、列車は走り、イベントは開催され、殺人事件は起こるのだった。

[感想]

主人公のアーネストが語り手となって、実際に自分が体験したことを文字に起こしている、というスタイルです。
「犯人は作品の序盤から登場し、犯人に通じる手がかりはつつみ隠さずきちんと記述する」
「超常現象や幽霊は登場しない」
「作中で犯人の名前は135回登場する」
・・・こういった、情報をあらかじめ読者に提供してくれるというフェアプレーぶり。
わたしは全然核心にたどり着けていませんでしたけど。笑
こういう読者へ語りかけるような感じの挑戦型ミステリ小説で、解決編までにクリアに結論に辿り着いたこと、多分一回もないと思います。
いつも、あーでもないこーでもないと考えながら読んではいるんですけどね。
今回はこんなにヒントをくれていたのに、まんまとミスリードに乗っかってしまいました。

この列車の乗客たちは、作家も読者もかなり個性的でみんなちょっとずつイヤなヤツ(笑)でしたが、それはそれで面白かったですね。
序盤がちょっと長くて、「あー、早く殺人事件起きないかなー(不謹慎)」とか思っていたんですが、読み進めるほどに、真相に奥行きがあるというか闇深いというか、登場人物のほとんどが自分の経歴を偽っていたり、別の顔を持っていたり・・・。
それらの事実がこの事件とどう交わっていくのか?
読み始めると、文字通り長距離列車の如くノンストップでした。
最後の最後まで、全然気が抜けなくて本当に面白かったです。

ただ、ホント読む前に気づけばよかったんですが、結構前作の『ぼくの家族はみんな誰かを殺してる』の内容にたくさん触れてるんですよね。
前作のネタバレは無いけど、やっぱ世界線が繋がってるので絶対前作を読んでからのほうがよかったよなー・・・とプチ後悔しています。笑
『真犯人はこの列車のなかにいる』っていうタイトルになんともミステリ心をくすぐられて、何にも考えずに手に取り読み始めた感じです。

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