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【第28話】北陸道・不動寺PA下りの究極の唐揚げ定食で、俺だけ不動になった

北陸道を走っていると、妙に気になる名前のPAがある。

不動寺。

名前がもう強い。

ちょっと寄るだけの場所なのに、字面だけ見ると修行が始まりそうである。  
缶コーヒー買うだけのつもりが、滝に打たれて帰ってこいと言われそうな迫力がある。

しかもここ、比較的いつも空いている。

大型車枠も、ギチギチに詰め込まれている感じが少ない。  
変に騒がしくない。  
北陸道の途中にぽつんと置かれた、運転手用の隠れ家みたいな場所だ。

派手な看板で呼び込んでくるタイプじゃない。  
「来たいなら来ればいい」みたいな顔をしている。  
不動寺だけに、動じない。  
やかましいわ。

フードコートの明かりも、妙に落ち着いている。  
疲れた顔の作業着の男が、食券機の前でじっと悩んでいた。  
あの顔はたぶん、ラーメンか定食かで人生を分けている顔だ。  
わかる。  
こっちだって毎回そうだ。

そこで見つけた。

究極の唐揚げ定食。  
1,180円。

「究極」なんて書かれたら終わりである。  
こっちは腹が減っている。  
判断力なんてとっくに北陸の風に飛ばされている。

出てきた定食を見て、少し笑った。

唐揚げがでかい。  
しかも、ちゃんと数で攻めてくる。  
皿の上で茶色い岩が陣取っている。  
不動寺の名前に負けない面構えだ。

衣はゴツい。  
見た目からして「軽く食べる」なんて概念を許していない。  
これは食事というより、胃袋への搬入作業である。

ひと口かじる。  
熱い。  
肉汁が来る。  
疲れた体に油と塩気がドスンと落ちる。

うまいとか、そういう上品な話じゃない。  
今日一日の面倒くさいものを、唐揚げが一個ずつ黙らせていく感じだ。

電話。  
待機。  
予定変更。  
渋滞。  
眠気。

全部まとめて、茶色い拳でぶん殴ってくる。

白飯もすぐ減る。  
味噌汁を挟む。  
また唐揚げに戻る。  
気づけばこっちが動けなくなっている。

不動寺PAで、俺が不動になる。  
うまいこと言ったつもりはない。  
でも実際そうなった。

食い終わって外に出ると、駐車場はまだ静かだった。  
車の出入りはある。  
でも騒がしくない。

こういうPAはいい。

有名じゃなくていい。  
混んでなくていい。  
妙に落ち着いていて、飯が強い。  
それだけで十分だ。

北陸道の途中で、腹が減って、少し疲れて、どこかで人間に戻りたい時。  
不動寺PA下りは、かなりいい。

名前は強い。  
空気は静か。  
唐揚げは重い。

結局、そういう場所がいちばん信用できる。

今回の一食

場所: 北陸自動車道 下り 不動寺PA
メニュー: 究極の唐揚げ定食
価格: 1,180円(税込)

推しポイント: 名前からして強そうな不動寺PAで出てくる、衣ゴツめ・量しっかりの唐揚げ定食。疲れた体に油と白飯を正面からぶつけてくる飯

景色: 比較的いつも空いている穴場PA。大型車も停めやすく、派手さはないが落ち着く。北陸道の途中で少し息を抜ける場所

雰囲気: 有名SAみたいな賑わいはない。でもそこがいい。フードコートの明かり、静かな駐車場、トラックの低いエンジン音。飯を食うにはちょうどいい静けさ

注意点: 「究極」の文字に釣られると負ける。ただし唐揚げの見た目とボリュームで、負けてもまあいいかと思わされる危険な飯

ひとこと: 不動寺PAで究極の唐揚げを食ったら、こっちが不動になった。腹いっぱいでしばらく動けない

唐揚げの存在感:★★★★★
衣のガリッと感:★★★★★
白飯泥棒度:★★★★★
味噌汁の落ち着かせ力:★★★★☆
キャベツの逃げ道感:★★★★☆
腹にたまる度:★★★★★
疲労回復感:★★★★★
名前の強そう度:★★★★★
穴場PA感:★★★★★
価格納得感:★★★★☆
食後の不動感:★★★★★
また寄りたい度:★★★★★

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