小さな違和感…続編
違和感は、解消されなきゃいけないものじゃない。
今の選択を…“選び直すため”にいつもあらわれる。
美術講師を結局、私は4年間やり続けた。
人からすると短いのかもしれない。
世間的には、そのまま続けていたら安定の道もあったし、「手放して勿体ないね」と言う人もいるかもしれない。
でも。私にとっては。
あんなに長くて、葛藤の日々はそれ以降の人生でも類をみない事だったなと思う。
何がいけなかったのか、合わなかったのか、
その頃の私には分からなかった。
ただ、必死だったし、その時の自分に出来うる限りの工夫はしていたと思う。
でも、確実に身体にサインは出ていた。
まず、風邪をひきやすくなった。
ただの風邪だと思っていたし、
できるだけ休まずにいた。
騒がしい教室での授業。
本当は出したくもない大きな声を使い続けた結果、私は二度も声が出なくなった。
最終的には医師から、
「これ以上続けると、完全に声が出なくなる可能性がある」
と告げられた。
その言葉を聞いたとき、単純に、
「風邪を引いているのに無理して大声を出すのはやめよう。」それくらいに思っていた。
でも毎年、冬になると、またこれを来年もやるのだろうか…?と憂鬱な気分に支配された。
ただ、以前に色んな就職面接で落とされまくった経験から。そして学費を出してくれた親への罪悪感から、簡単に辞める決断はできなかった。
…
そうして、
なんとか自分の気持ちを
誤魔化しながら続けた…4年目の冬。
うっすらと正式雇用の話も出てきはじめていた。
「また来年も、その先も、同じ場所に立っている自分」
変わらない環境
変わらない緊張感
変わらない役割
それが、また淡々と続いていく未来。
同じように向き合い続ける未来を想像した瞬間…
身体の奥から、強い拒否反応のようなものが湧き上がってきた。
もう限界だ…もう、誰かにとって正解の自分ではいられない。
たとえダメなやつだと思われたとしても…もう、いいや…。
今となっては、何で辞めることがあんなに怖かったんだろう?…と思うけど。
『ちゃんとした自分を辞める。』
当時の私にとって、こんなに怖い選択はなかったと思う。
