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ヘアアイロンは温度が高いほどきれいに伸びる、は思い込みでした|くせ毛の私が数字を下げてわかったこと

ヘアアイロンの温度は、高いほどきれいに仕上がる。私は長いあいだ、そう信じていました。

くせ毛で朝の支度に時間がかかる分、少しでも早く、少しでも長くもつように、と温度をどんどん上げていた時期があります。

でも売り場に立って何百人ものお客様の髪を見せてもらう中で、その考えは半分正解で半分間違いだったと気づきました。今日は、温度という数字と、私が実際に下げてわかったことを書いていきます。

ヘアアイロンの温度表示は、何を意味する数字なのか

市販のヘアアイロンの多くは、140℃前後から220℃前後まで段階的に温度を設定できます。この数字が示しているのは、プレートが髪に触れたときの熱の強さです。

髪の形が変わるのは、髪の中で水分を介してつながっている結びつきが、熱と乾燥で一度ほどけて、冷えるときに新しい形で固定されるためだといわれています。温度が高いほどこの切り替えが速く進むので、短い時間で形がつき、崩れにくくもなります。売り場でも、温度を上げれば仕上がりが早く、もちも良くなる、という説明はよくしていました。

ただし同時に、熱は髪の表面を覆うキューティクルにも負担をかけます。つまり温度の数字は、仕上がりの良さと髪への負担を、同じつまみで一緒に動かしているようなものです。

200℃で使っていた私が、温度を下げることになったきっかけ

学生時代の私は、朝いつも時間ぎりぎりで、とにかく早く仕上げたい一心でヘアアイロンの温度をほぼ最大まで上げて使っていました。数分でくせが伸びる感覚が心地よく、これが正解だと思い込んでいたのです。

きっかけになったのは、美容師をしている友人の何気ないひとことでした。毛先を触って、この乾いた手触りは熱の当てすぎかもしれない、と言われたのです。ショックでしたが、鏡で見てもツヤが以前より鈍く感じられ、心当たりがありすぎました。

その後、当時いっしょに売り場に立っていた元同僚とこの話をしたときに、低温設定のモデルが増えてきたのは、髪をいたわりたいというお客様の声が増えたからだと聞きました。実際、売り場でも低い温度から使えるかを気にする方は年々増えていて、私は試しに設定を20℃ほど下げてみることにしました。

髪の太さ・傷み具合で変わる、温度の目安

温度を下げてみて実感したのは、そもそも自分に合う温度は、髪の太さや傷み具合によって違うということです。一般に140〜180℃が目安とされていて、そこから自分の髪の状態に合わせて上下させるのが基本の考え方だと、売り場でもお伝えしていました。

髪が細い方や、すでにパサつき・切れ毛が気になっている方は、目安の下のほう、140〜160℃あたりから試していただくことが多かったです。傷んだ髪は表面のキューティクルが開いた状態になっていることが多く、同じ温度でも熱が伝わりやすいと考えられているためです。

反対に、髪が太くて量が多い方、くせが強くて伸びにくいと感じる方は、170〜180℃あたりを目安にご案内することが多かったです。ただし太い髪なら高温でも大丈夫、という意味ではありません。同じ温度でも髪が受ける負担は、傷み具合や当てる回数で変わります。

まずは低めから試し、様子を見ながら自分に合う数字を探すのがいちばん確実だと思います。

温度の数字より、実は効いてしまうこと

温度を下げてから気づいたのは、設定温度そのものより、使い方の癖のほうが髪への負担として大きいことがある、という点です。

1つ目は、同じ場所に何度もプレートを通すことです。1回でうまく伸びないと、つい同じ束を2回、3回と通してしまいがちですが、これは低い温度で1回通すより、髪が受け取る熱の総量としては大きくなりやすいといわれています。1回でしっかり伸ばせる分だけ挟んで、ゆっくり滑らせるほうが、結果として負担を抑えやすいそうです。

2つ目は、髪が完全に乾いていない状態で使うことです。美容師の友人によると、髪の内部に水分が残ったまま高温を当てると、水分が急に膨張して髪の内部に気泡のようなダメージができることがあるそうで、業界では俗に沸騰毛と呼ばれることもあると聞きました。ドライヤーでしっかり乾かしてからアイロンを使うことは、温度設定と同じくらい大事な習慣だと思います。

前髪、毛先――同じ温度で当てていいわけではありません

同じ頭の中でも、部位によって熱の当たりやすさは違います。

前髪は毎朝のようにアイロンを当てる方が多く、他の部分より繰り返し熱にさらされやすい部分です。地肌に近く髪自体も細いことが多いので、他の部分より少し低めの温度で、手早く仕上げることを意識するよう、売り場ではお伝えしていました。

毛先は髪の中でいちばん長く紫外線や摩擦にさらされてきた、いわば髪のいちばんの古株です。根元付近より乾燥しやすく傷みやすいので、同じ設定のまま根元から毛先まで均一に当てるより、毛先に近づくにつれて熱に触れる時間を短くする意識を持つようにしてから、私自身は朝の手触りが以前ほど気にならなくなったと感じています。

熱から守ることを目的としたスプレーやミストも、多くのメーカーが用意しています。売り場では、アイロン前になじませる使い方をメーカーが想定している製品があることをお伝えしていました。

傷んだと感じてから、私がやめたこと

友人の指摘を受けてから、私はいくつかの習慣をやめました。

1つ目は、洗ってからあまり時間が経っていない、まだ湿り気の残る髪にアイロンを当てることです。急いでいるときほどやってしまいがちでしたが、ドライヤーで根元からしっかり乾かす時間を先に取るようにしました。

2つ目は、日中に崩れた部分だけを高温でさっと直す、ということです。ついでだからと最大温度に戻してしまう癖があったのですが、これも同じ場所に熱を重ねる行為だと気づき、低めの温度のまま丁寧に通すよう変えました。

1つはっきりさせておきたいのは、一度傷んでキューティクルが開いてしまった髪は、その部分自体が元の状態に戻るわけではないということです。トリートメントやオイルは表面を整えて手触りやツヤを良く見せる助けにはなりますが、傷んだ構造そのものを修復するものではないと、売り場でもお客様にはっきりお伝えしていました。だからこそ、傷む前の温度と使い方が、いちばんの近道なのだと思います。

まとめ|温度の数字より先に、見てほしいこと

高い温度ほどきれいに伸びる、というのは半分正解で半分は思い込みでした。仕上がりの速さやもちの良さは上がっても、その分だけ髪への負担も一緒に上がっていきます。

もしあなたが今使っているヘアアイロンの温度を、なんとなく最大に近い設定のまま使っているなら、一度パネルの数字を確認してみてください。髪の太さや傷み具合に合わせて140〜180℃の範囲から見直すこと、そして同じ場所を何度も通さない・乾いた髪に使う、という習慣を整えることのほうが、数字そのものより差になってくると私は感じています。

肌と同じで、髪の状態も人によって違います。切れ毛が急に増えた、頭皮に痛みやかゆみがあるといった場合は、道具の使い方を見直すだけでなく、美容師や皮膚科医に相談することも選択肢に入れてもらえたらと思います。

ミオ|美容家電の元販売員
家電量販店で約5年、美容家電コーナーを担当していた元販売員です。自身も広がりやすいくせ毛と付き合いながら、何百人もの髪と肌の相談に乗ってきました。
「値段やランキングではなく、自分に合うかで選ぶ」をモットーに、美容家電の選び方を綴っています。あなたの毎日の支度が、少しラクに楽しくなりますように。

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