今つらい誰かへ。私の始まりの話 〜最初の壁は言葉だった①〜

私が私になれたのは、娘のおかげだと思う。
苦くて、切なくて、
思い返すと胸の奥がぎゅっとなる出来事ばかりだけど、
今なら全部が必然だったと思える。
誰かのこれからに、
今つらい誰かに、
そっと寄り添えたら——
そんな気持ちで、この文章を書いている。
育児は、自分が保育士だということもあり、ある程度は予想がつくものだと思っていた。
きっと楽勝だろう、とさえ思っていた。
でも、全然違っていた。
長女は、よく喋り、よく笑い、
本当に可愛い、おしゃまな女の子だった。
それがある日、急に
「お、お、お、おーかあさん」
と言うようになった。
だんだん、身体を揺らしたり、
足を叩いたりしないと言葉が出なくなっていった。
——吃音。
「あなたが厳しいからじゃない?」
「ストレスがあるのかもね」
不安の中にいる私に、
周りの言葉はさらに不安を重ねてきた。
不安だから、
娘が何か喋るたびにイライラしてしまう。
娘が喋る姿を見られるのも辛かった。
小学校に行く前から、
私たちにはすでに“壁”があったんだと、
今ならわかる。
