手放しの月夜
何年かぶりに、
兄と語り合った夜。
笑いと哲学が交差した
そのすぐあとに、
母の痛みが訪れた。
私はまた、動こうとしていた。
姉の孤独に寄り添いたくて
兄たちに言葉を促した。
それが優しさだと思っていた。
月は静かに、満ちていく。
「手放しても、愛は届くよ」
その声が、胸の奥に響いた。
小さな頃から、
家を守ることが
私の役割だと思っていた。
でも今は、委ねることも
愛のかたちだと知った。
この夜は重いけれど、
それは心が動いている証。
私はもう、頑張らなくてもいい。
そのままでも、
十分に灯をともしている。
少し膨らんだ、
月が教えてくれた。
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