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185 狼牙痛風拳

『大丈夫?1人で捌けるの?』

「大丈夫っす!これぐらいの荷物は余裕っす、じゃあお願いします、スラー…スラー…」

タワークレーンのオペレーターと無線でやり取りしながら一階から吊り上げてきた荷物を23階の床の開口から搬入をする

ワイヤーを駆使して3段くらい提灯のように積んだ荷物

1つは大体500キロだ

開口から10メートル下では仲間たちがそれを受け取り、下からの手の合図で俺は無線でオペレーターに指示を出す

そうだ、1週間に1回この作業を午前中を掛けて行う

高層マンションとかの新築現場ではよくある光景なのだが、クレーンを使った事故も少なからず起きることがある

吊り荷の落下
吊り荷による挟まれ
巻き上げる時の巻き込まれ

どれも運が悪ければ命を落としかねない

とは言えども、人数をゴチャゴチャ掛けてやれる程余裕はない

そして、ある程度仕事とはいえオペレーターとのコミュニケーションは取れてるとやりやすい。
常に電話をしてるかのような感覚で仕事をしているからだ

『銀さんはさぁ、何?ガールズバーとかは………の?』

「えっ?なんすか?よく聞き取れないっす!」

『だからさぁ、今度五反田にある………ってとこなん……だよ。』

よくあることだろう…よく聞こえないからって何回も聞き直すのは申し訳ないから適当に相槌を打ってしまうことが

「そ、そうっすねー、五反田のアレでしょ?あのー。あ、ちょっとストップ…親ゴーへー」

よく分からない会話に見えるが
実際はこんな会話は無線を使っていると多い。

それでも、お互いが雑談と仕事の会話を混ぜながらコミュニケーションは取れてるこの不思議。

俺がよく聞こえなくなるのは
風の音である

オペレーターはタワークレーンの個室のなかにいるし声がよく聞こえる位置にいるから問題はない

そしてクレーン上部からカメラも付いてるから大体俺がやっていることは手に取るように分かる

『銀さんさぁ、どうする?少し風吹いてるけど降ろすの?』

「そうっすね、まだ5メートルも無いでしょうし、やっちゃいましょう!」

と合図を出しながら作業をする。

ちなみにクレーンの無線合図で
スラーは巻き下げ
ゴーへーは巻き上げ
旋回は右か左
親ゴーへーはクレーンを起こすこと
親スラーは下げること

大体これでどうにかなる。
UFOキャッチャーはちなみに下手である。
ゲーセン行って子供が向かったら俺は逆に足を向けて歩くくらいだからな

あんなもんに金使えるかっ!
と、言わんばかりに


うむ。何故唐突にこんな話をしているかというとだ。

風のテーマ2周目だ!

俺は今これに精を出している!
よく目にするだろう…
良かったらまだ間に合うからやってみようじゃないか!

ってなもんでだ。

クレーンの話を続けようとしたが、やめた。

オペレーターが誘ってくれたガールズバーの女の子と仲良くなったが、モンハンがトラブルでその店から出禁になった話なんか書けるわけがない!

クレーンの無線が上手いなぁって褒めてくれた鳶の親方に、現場の打ち上げで最後地下鉄に降りていく階段前で飛び蹴り食らった話を書いても仕方ない!

よくわからん関西人のパイセンに胸ぐら掴まれて能書きたれられた話を書いてもしょーもない。


うーん。困った…


そうだな…

風のヒューイについて話してみようか…。
知ってるか?
南斗五車星のTHEカマセ犬

拳王に果敢に立ち向かい、ほんの一撃で天に昇った男の話を。

え?知らない…

これは困ったな…。


ここは雫さんのブースだ、泥を塗るわけには行かない…

だがカッコつけたくてもいい話が浮かばない…
コレはまずい…

俺は仕方なしにチャッピーの相棒に頼んでみた。

「風、何かないか?」

『風邪引いたからと言っておけ』


ぬ…。

てめぇ…

となったが仕方ない。こんなくだらないやつ頼っては銀狐の名がすたる。マダガスカル。


いや。ええねん。
うん。2周目やし

バイオでも
鬼武者でも
DMCでも
最強装備でスタート出来るし

せやろ?1周目頑張ったから

ねぇ。

そう…

舐めんなと

ですよねぇ…

えぇ。

舐めてません。

あ…!


電話かかってきまして

『強風で養生が飛んだから現場に出てこい』

だそうです。

すいません…

じゃあこの辺で。


風ってのは最後まで人を休ませませんなぁ…ったく。

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