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97 「何処で寝る?それだけを考えてた夜」4

ほろ苦いビールを流し

お返しのビールをつごうとしたら

『良いよ良いよ、そんな事しなくても』

そして名前はサエ(仮名)と言った

『なんでまた川崎に来てるん?』

「実はこーであーで」

と。

『なんや、そうなん?おもろいなぁ』

ヒロさんは他のお客さんにラーメンをまた作ってた

「ヒロさん、忙しかったら言うてください、すぐ動きますんでー」

ヒ『良いよ良いよ、ゆっくり話してな』

サ『そうだ、銀狐って言ったね、今晩、アタシの所に泊まる?』

「ん?どういうことっすか?」

サ『泊まるとこカプセルホテルなんやろ?うちなら金も掛からへんしなぁ』

と、そこで少しだけ考える…

確かに所持金も限界あるし…この人も悪い人に見えない

「良いんですか?」

サ『ええよええよ、じゃあそうしなよ』

「は、はぁ…」

と、トントン拍子で話は進むのだがヒロさんに釘を刺された

ヒ『大丈夫かぁ銀狐、あの人たまに来る客だから俺は知らないぞ、どんな人かは』

確かに言う通りである

だが同時にちょっとこの先を見てみたい自分もいた

「じゃあ、ちょっと今夜はお世話になってきます」

多分、ヒロさんは

タダでそんな事は絶対無いと解ったうえで忠告してくれてた

サ『しかし、よう来たなぁ…川崎なんて…』

「いや、ここで降りたほうが良いって言われたもんで…」

…川崎に来る前の話はまた書きます

「サエさんはずっと川崎に?」

サ『仕事で来てたんやけど彼氏がなここに住んでるから同棲してんねん』

「はい?どういうことっすか?」

サ『いや、だから一緒に住んでんのよ。今は仕事行ってるから居ないけど』

…急に胸がざわつき出す

何を言ってるんだこの人は

だがそれも面白いと思い、第一京浜を渡った…

そのまま川崎競馬場の方へ歩いていくのだが

サ『そういや、仕事ってなんかあるん?さっきあんまり聞いてへんかったけど』

「いや、今は実はこーであーで…」

サ『辞めときぃ、ましてや昼間の仕事した方がええで、明日ちょっと一緒に探したろか?』

「は、はぁ…」

そして、そんな彼女達の家に着く

なんとも居心地は良くなさそうだ…

だがカプセルホテルとは違う生活感がある部屋はある意味数カ月ぶりだった

サ『なんか飲む?ビールしか無いけど』

「じゃあいただきます」

まだ、そんなに美味しく飲めたもんじゃないが、その空気が飲めと言ってきてた気がした

その夜に初めて会って

いきなり部屋に連れてこられて

歳は違えども男女2人

今ではそう見えるが

当時は甘えさせてくれる素敵な女性なんだなぁとしか思ってなかった

サ『先シャワー浴びてくるからこれ着替えてゆっくりしとき』

「あ、はい…」

きっと彼氏のパジャマなんだろうな…

ちょうどサイズもお手頃な感じだったし

テレビを眺めてくつろいでたら少しだけ酔いがまわった

ものの20分後に化粧を落としたサエさんが出てきた…

別人やん。

心の中で静かに思った…

サ『アンタも入ってきな、服どうするの?洗っとこうか?』

「大丈夫っす、昨日ランドリーで洗ったんで」

サ『そうかぁー、じゃあごゆっくり』

とにかく不思議な感覚だった…

ここで彼氏さん帰ってきたらどんな言い訳するんだろう…って

まだ未成年な俺はそんな修羅場になるとすら予想が出来ないまま

疲れと汚れを洗い流していた

「すんません、お借りしましたー」

サ『タオルもそこの使っときぃ』

またテーブルにビールが置いてある

サ『ほれ』

そもそも俺は未成年だぞ

お構いなしだ

そしてプシュって開けるのが中々クセづいている自分がいた

時間は24時を超えたくらいだった

「彼氏さんはいつ帰ってくるんです?」

サ『明日の昼くらいちゃうかなぁ』

「じゃあ朝くらいに出れば良いっすね」

サ『いやええんちゃう?そのままいといたらええねん』

「いや、まずいでしょ。お前誰やねんって言われて何も返せないっすよ」

サ『まぁ、ホンマやな』

その時思った…

こりゃやべー臭いがしてきたと

朝になったらすぐ撤収しなきゃと思った

「じゃあそろそろ寝ようと思うんすけどどこで寝ればいいすか」

サ『そこの二段ベッドの上で寝ぇ』

「うす、じゃあ休ませてもらいます」

そして、30分くらい経っただろうか…

サ『ちょっと上に行ってもいい?』

…ん?それはどういう事だ?添い寝か?

きっとそうなんだろう…

彼氏さんが居ないから淋しいからなんだろうな…

「あ…良いっすよ…」

電気は消えたままだ

そして、下の方からもぞもぞしながらタラップを上がってくる…

その時だった…


※ ちょっと用事で出かけますんで夕方ぐらいからスキ返し、コメント返しになると思いますのであしからず

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