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認知症の父が私の幼少時代に会いに行った日

認知症の人は時々『過去の時代』に
もどることがあります
最近のことは思い出せなくても幼い頃
若い頃の記憶は鮮やかに残っています

その頃の気持ちのまま昔の誰かに会いに
行くことがあるのです

私の父もそんなふうに❝あの頃の父❞になって
しまう日があります

その日は私の幼少時代に会いにきた日でした



ある日、デイサービスの連絡袋に
ウエハースが1枚入っていました
長さ5センチ、厚さ3ミリの超薄型ウエハース

私はそれを父に渡して
『食べてね』と声をかけました
父はウエハースを半分に割り
私の前に差し出して
『ka‐ko、お腹すいたろ、食べんかい』

『いや、いいよ』と返した私に

『ひもじかったらいけんけん、食べんかい』

その言葉を聞いた瞬間
ーああ、今、父は幼い頃の私に会いに
行っているんだと思いました

私は小さい頃の私を思い出して
『おとうちゃん、ありがとう。半分もらうね』とウエハースを受け取りました

私が小さい頃の父はいつも私にお菓子を
半分こにしてくれて
そして『おいしいね』と笑いかけた顔が
ふっとよみがえります

その事を思い出してなんだか懐かしくて
笑いながらほっこりしてしまいました

すると父は
『ご飯はまだ?』といつもの父に
戻っていました

ーほんの数分だったけど
父と一緒にあの頃の時間をもう一度
過ごした気がしました☘️


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