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東大生より「しぶとい子」が社会で強い理由

こんにちは。現役教員です。

今日は、少し挑戦的なテーマでお話しします。

「東大に行けば、人生は安泰」——そう思っている方は、まだ少なくないのではないでしょうか。

もちろん、東大に合格するまでの努力は素晴らしいものです。
それは間違いありません。

でも、教員として長年多くの卒業生を見てきた立場から、一つだけ断言できることがあります。

社会に出てから「強い」のは、偏差値が高かった子ではなく、「しぶとい子」です。


「しぶとい」とは何か

ここで言う「しぶとい」は、根性論の話ではありません。

しぶとい子とは、こういう子です。

転んでも、しばらくしたら何事もなかったかのように立ち上がっている子。
理不尽な出来事に遭遇しても、「まあ、しょうがないか」と受け流せる子。
周りの評価に一喜一憂せず、自分のペースを崩さない子。

一言で言えば、「折れない柔軟性」を持っている子です。

竹のように、強い風が吹いてもしなって元に戻る。
鉄のように固い子は、一定以上の力がかかるとポキッと折れてしまう。
でも、竹のようにしなやかな子は、どんな風にも耐えられるのです。


高偏差値の「もろさ」

少し厳しい現実をお話しします。

進学校の教員をしていると、「偏差値は高いけれど、心がとても脆い」という生徒に出会うことが少なくありません。

小学生の頃から、常に「1番」を求められてきた子。
テストで95点を取って「あと5点取れたでしょ」と言われてきた子。
「失敗は許されない」という空気の中で育ってきた子。

こうした子どもたちは、勉強は確かにできます。
しかし、「思い通りにいかない局面」での対応力が、極端に弱いことがあります。

大学に入って初めて「自分よりすごい人」に出会ったとき。
就職して、理不尽な上司に叱られたとき。
自分の努力が報われない結果に直面したとき。

こうした場面で、パタッと動けなくなってしまう若者を、教員仲間のあいだでも多く耳にします。

それは、彼らに能力がないからではありません。
「失敗からの立ち直り方」を練習する機会がなかったからです。


「レジリエンス」という見えない力

心理学の世界では、この「逆境から立ち直る力」を「レジリエンス」と呼びます。

レジリエンスが高い人は、失敗しても必要以上に自分を責めません。
「うまくいかなかった。じゃあ、次はどうしようか」と、前を向けます。

そして、このレジリエンスは生まれつきの才能ではなく、後天的に育てることができるものです。

どうやって育てるのか。

答えはシンプルです。

「小さな失敗をたくさん経験させること」です。


受験期こそ「しぶとさ」が鍛えられる最高の機会

受験は、子どもにとって人生で初めて直面する大きなプレッシャーです。

模試でE判定をもらう。
解けると思っていた問題が解けない。
友達が先に合格して、自分だけ取り残されたような気持ちになる。

これらはすべて、つらい経験です。

でも、ここがポイントです。
この「つらい経験」こそが、しぶとさを鍛える最高のトレーニングメニューなのです。

大切なのは、つらい経験を「避ける」ことではなく、つらい経験を「乗り越えるプロセス」を子どもに体験させることです。


親にできる「しぶとさの育て方」

具体的に、親はどう関わればいいのか。3つの視点をお伝えします。

〈視点1〉「結果」ではなく「プロセス」を褒める

「100点取ったね、すごい!」ではなく、
「毎日コツコツ続けていたもんね。その努力がすごいと思う」。

結果を褒めると、子どもは「結果を出さなければ認められない」と感じます。
プロセスを褒めると、子どもは「努力すること自体に価値がある」と感じます。

失敗しても「努力した自分」を肯定できる子は、何度でも立ち上がれます。

〈視点2〉「失敗エピソード」を親から話す

「お母さんも学生のとき、試験に落ちたことがあるんだよ」
「お父さんも、就活で10社落ちてから今の会社に入ったんだ」

親自身の失敗体験を語ることで、子どもは「失敗しても人生は終わらない」ということを肌で感じることができます。

完璧な親でいる必要はありません。
むしろ、不完全な自分を見せることが、子どもの心を軽くするのです。

〈視点3〉「立ち直るまでの時間」を認めてあげる

テストの点が悪くて落ち込んでいるとき、すぐに「次頑張ればいいじゃん!」と励ますのは、実はあまり効果的ではありません。

子どもには、悲しみを消化する時間が必要です。

「悔しいよね」「つらかったね」と、まずは気持ちに寄り添う。
そして、子どもが自分から立ち上がるのを待つ。

この「待つ時間」が、レジリエンスを育てる最も大切な時間なのです。


おわりに

受験の最終目的は、志望校に合格することだけではありません。

「思い通りにいかない現実」に直面したとき、そこから立ち直る力——しぶとさ——を身につけることです。

この力があれば、どの学校に行っても、どんな仕事に就いても、この子は大丈夫。

偏差値は、卒業した瞬間に意味を失います。
しかし、しぶとさは、一生涯その子を守り続けてくれます。

今日、お子さんが何かで落ち込んでいたら、すぐに励ますのではなく、隣に座って一緒に黙っていてあげてください。
それだけで、しぶとさの種は確実に芽を出します。

明日は「塾の宿題が回らない時、親がすべき たった一つのこと」についてお話しします。

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