《感謝の辞》「どこかにいるキミへ」 #風まかせ文芸部
(約450字)
深い 深い 溜め息は、スダチの香りと青臭いネギの味に混じった
友達になりそこねちゃったキミが、笑わせてくれる
新しい月の青空は、
夕暮れの少し前、入道雲とウロコ雲の中間のでき損ないの形をして、柔らかい暑さの風を運んできた
白い百日紅の花が道の脇に咲き乱れ、
「サルスベリは、赤の方が夏の花っぽくて洒落てるわ」
赤紫の紅を引いたお婆さまの井戸端会議の横を、重い足に力をこめて素通りした
新しい暮らしの為の準備は億劫で、身体の痛みを抱えての移動には泣けるけれど、夏の暑さがカウントダウンに入った陽気は涙を飲みこむことを受け入れた
「変わるからね」
と どこかにいるキミに呟く
頑張っているのは 私だけじゃないんだから、「涙を流す暇はないぞ」と喝を入れる
孤独の日は、キミに救われる
ああ、SNSがあってよかった
リアルで対話があっても、それが5割の私を生かし、後の5割は見たことのないキミから元気をもらう
ありがとうね、
明日も半分はキミの言葉で元気になるから、ちゃんと何処で生きててよ
ため息は、大空に返した
↑ こちらの企画に参加します
9月8日〆切です
