Vol.1|人生の岐路で語り合った3人のエンジニア──家族・キャリア・未来
こんにちは。ケミエンジパパです。
化学企業で研究開発に携わるエンジニアであり、読書と本屋をこよなく愛する二児の父でもあります。
はじめに|友人との再会
先日、大学時代の友人2人と6年ぶりに再会し、小さなバーでグラスを傾けました。
控えめな照明の中、グラスを合わせた瞬間、
6年間の距離はたちまち埋まりました。
観光地を巡った旅の途中、語り始めたのは
キャリアと人生の葛藤。
私たち3人にとって、
「このままでいいのか?」
は避けられない問いでした。
この記事では、
人に伝えることで思考を整理する大切さ
他者の価値観に触れることの重要性
この2つを、私と友人たちの対話から共有したいと思います。
友人AとB、それぞれの葛藤
楽しい時間の中で、次第にお互いのキャリアや仕事の悩みを語り始めました。
■Aのケース|「クリエイティブな挑戦ができない」
友人Aは、あるメーカーで技術職として働いています。
彼の仕事は、伝統を守るための開発。しかし、保守的な開発体制の中では、自分のクリエイティブな発想を活かす機会がほとんどありません。
「自分は今、本当にやりたいことをやれていない」
「自分のアイデアを落とし込むものづくりができていない」
そんな葛藤を抱えているそうです。
そこで彼は、ある制度を活用し、自分のアイデアを新規事業として提案しようと挑戦の場を作り始めていました。
彼の言葉が印象的でした。
「商品コンセプトの設計、素材や原料の探索と選択、基礎実験からコンセプトを実現できる組成の検討、サプライチェーンの構築、マーケティングや営業まで、プロジェクト全体で必要な要素を全部やりたい。」
「企業の規模が大きいほど、担当部署が多くなり、仕事と責任が細分化される。技術と営業の思いがすれ違い、その技術がなぜ売れたのか、売れなかったのかがわからなくなる。」
「技術者も営業から言われたことを基に開発を進めれば、自分のものづくりに対する信念が崩れていく。やがて、言われるがままに開発を進める人になってしまう。」
「なぜ売れたのか?売れなかったのか?自分の考えと選択からその結果が導き出されたことを、地道に、泥臭くても納得したい。」
この言葉を聞いて、私ははっとしました。
何のために技術や製品を開発しているのか?
それは、お客さんに喜んでもらうためであり、決して社内外の関係者を喜ばせるためではありません。
エンジニアだからといって、与えられた開発テーマにただ乗っかるだけでは、エンドユーザーのことを本気で考えられる技術者にはなれない。
私が持ち続けてきた「人の役に立つ仕事をしながら自己成長する」という信念と、Aの考えは重なっていました。
■Bのケース|「縮小する業界と、地元への想い」
友人Bは、私と同じく化学メーカーで技術職を務めています。
複数の部署を経験し、転勤も重ねながら、今は地元に近い拠点で働いています。
彼が感じているのは、
「縮小していく化学業界の中で、このまま成長できるのか?」という不安。
現在の社内でのキャリアや転職も考えたそうですが、地元の環境をいかしながらキャリアを成長させる方法を模索していました。
「地元に残りながら、キャリアも成長させたい」
彼の言葉には、生活と仕事の両立に悩むリアルな葛藤がにじんでいました。
さらに、彼がふとこぼした一言が印象に残っています。
「結局、自分の会社は何で勝負しているのかわからない。」
技術者としての成長だけでなく、会社の未来への疑問もBの胸にありました。
おわりに|問いを共有できた夜
「このままでいいのか?」
この問いは、きっと誰もがどこかで感じているものだと思います。
特に、キャリアと人生の折り返し地点に差しかかった、私たちの世代にとっては。
あの夜、バーで語り合った対話は、私にとって「思考を整理する時間」でした。
そして、他者の価値観に触れることで、自分の考えをより深く見つめ直すきっかけにもなりました。
この体験を、この記事を通じて、誰かと共有できたなら嬉しいです。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
ケミエンジパパ
