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『嘘』みたいなホントの話② #チャレがや企画


企画に参加させていただきます🥰
お題…『嘘』(パートⅡ)

        ***

だんだん暑くなってくると……どうしても思い出してしまう出来事がある。

ある年の夏。
それは、本当に暑い夏で。

いよいよ夏休みがはじまった日に、子どもたちがお友達と遊ぶ約束をして帰ってきた。

『昼間は暑くて遊べないから、朝4時に公園に集合!』

ーーいやいや、早すぎね?


でも……子どもの世界に、親はどこまで介入して良いのだろう。

悩み、いろんなことが頭をよぎった結果……兄に見守りを頼み、私は家で待機をすることに。


当日、起きれなかったら放っておこうと思ったのに。

4時集合だから……と、いつも通り30分前には家を出ていこうとする子どもたち。

……うん、それはやっぱり早すぎよね?

「あのさ。今日だけはギリギリに行って。お願いだから!」

玄関で引き留め、頼み込んで……何とか50分に出発してもらった。


でも……当たり前だけど、外はまだ薄暗い。

4時前から目が覚めてしまった私は眠れない。

いや、寝ていられるわけない。

そんなふうに思っていたら……。

「ただいまー」

玄関からお兄ちゃんの声。

……まだ時計は4時。


えっと……帰ってくるの、早すぎない?

もしや、公園に弟たちを置いてきた!?

そう思っていたら……。


「あの……ごめんなさい」

なんだか、しおらしい。


「お友達には会えた?」

「それが……公園に着く直前で、戻ってきた」

ーーえ?

「パトカーに会って、どこに行くのって呼び止められてね」

ーーんん?

「それで……どこに住んでるのかとか、どこの学校に通っているかとか。お父さんとお母さんの名前とか、いろいろ聞かれたりとかして……」

「うん?……うん、まぁ……それで?」

「今、玄関の前にいるから、対応をお願いします」

ーーはい?

「……誰が?」

「おまわりさん」


ーーええぇぇっ!?

とりあえずパジャマのママ玄関に走り、ドアを開けてみた。

「あぁ、朝早くからすみません、お母さん。私〇〇警察署のものですが……」

目の前にはチカチカ光るパトライト。

そして、びしっと身構えるおまわりさん。

2名も待機。


「あ、朝早くからお手数をかけすみませんでしたぁっ!」

朝からドキドキだったはずが……もはや、大パニックとなった。


とりあえずいろいろ聞かれ。確認を取ったり、説明をしたり……。

「最近暑いですから、事情はわかります。でも、せめてもう少し明るくなってからにしてください」

そう言われて。

間もなく……お巡りさんたちは、パトライトをつけたまま帰っていった。

まだ辺りはうっすら暗いのに。
もう、少しだけ夏の熱気に包まれ始めていた。


『夜遅くまでうろついていると補導されちゃうよ』

なんて、脅しで言ったりもしていたけど。
……朝もダメなのね。

早朝ウォーキングする人もたくさんいるのに……。

何というか……不甲斐ないやら、恥ずかしいやら、申し訳ないやら。


「ごめんね……。君たちさ、もしかしてパトカーに乗って帰ってきたの?」

やはり私がついていけばよかった。

こんな小さな子たちに、まさか補導経験をさせてしまうなんて……と、反省をしつつ、そう聞いてみると。


ううん、と3人して首を振る。

「乗ってって言われたんだけどね。「それは結構です」ってちゃんと断って、歩いて帰ってきたよ」

と、なぜか誇らしげ。

いや、真面目か。


でもそれってさ……。

とぼとぼ歩いてるその後ろを、パトライトがついてきてたってことだよね?

家まで。ずっとよね、もちろん……。

さて。

目撃してしまった人たちは、どう思ったのだろう。

つい想像してしまって。

なんかもう……笑うしかなくなって。

「嘘……」

ついに私はそう言ったのだった。


そして。

我が家の子どもたちは、すっかりそれに懲り……その年の夏休みは、誰とも約束をせず、家で引きこもり生活をしたのだった。

ちなみに、誘ってくれお友達は、寝坊して。公園に来ることすら忘れていたらしい。

もう今では懐かしい……あの夏の思い出。


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