〈谷折りの夜明け〉
遠回りしてても
最後は単純に円が途切れてしまう.
ほんとを開き出せば
いつもじゃない私の顔
夜じゃない朝一番の夜明け、
洗顔の、香り。
鼻にツンとくる芳香剤の匂いも、
全部苦手とは口には、
もうしない。
私の歩くべき道筋
目を瞑っても、
今まで確かに線が見えていた
平坦じゃなくても
たしかに
山折りではなく谷折りの中のような場所で
行き来をしていた
あの頃に
想いを馳せるとき
日常のあと
歯磨き粉が飛んだ、ガラスの窓に
一匹の鳥のさえずりが聞こえる
薄緑色のきみがいる.
ああ春がきたね
行き来をしていた
あの頃に
もう戻れる気がしない.
身体の右半分が震えても
もい過去には戻らない.
今を生きる術、誰かが教えてくれたから.
おわり.
「もう過去には戻らない」震える身体で今を生きる決意。春の訪れと共に綴る、切なくも強い再生の詩。#note
