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君と僕の物語 第18話:既読


あれから。
涼さんの体調は、快方に向かっているようだった。

『フルーツ、美味しかった。すぐに全部食べちゃった。本当にありがとう』

メッセージと、キャラクターのスタンプが添えられていた。

そして、今日は水曜日。
いつもの通り、涼さんに『おはよう』とメッセージを送った。

すぐに、涼さんから返信が届いた。

『先週はごめんね、会えなくて。
体調も問題ないから、雅人の都合が良ければ、今週会えないかな』

珍しく、涼さんからデートに誘ってくれた。

仕事前に、すぐ店を調べた。
いつか、涼さんを連れて行きたいと思っていた店だ。

医食同源をメインコンセプトにした、ヘルシーな広東料理の店。
東京駅直結の、ホテル併設レストランだった。

ただ、予約をする前に、念のため涼さんに伺いを立てた。
以前予約したタイ料理に、涼さんは、あまり箸が進んでいなかったからだ。

URLを添付して、メッセージを送る。

『体調良くなったみたいで、安心したよ。
誘ってくれて嬉しい。
快方祝いに、週末、ここのレストランどうかな。
ヘルシーな広東料理で、胃にも優しそうなんだ』

そこで、返信が少し止まった。

(……広東料理、好まないかな)

他の店の方がいいのかもしれないと思い、引き続きレストランを検索した。

二十分後、涼さんから返信が来た。

『ありがとう。そこでいいよ』

そのメッセージに、違和感を覚えた。

涼さんは、そもそも要望を、あまり口にしない。
どこに行きたい、何が食べたい。
そういう言葉が、ほとんどない。

いつも、俺の提案に、賛同してくれる。

だが、もし本当に、すべてに心から賛同しているのだとしたら。
この間のような態度を、取るだろうか。

結局、涼さんの不満の正体は分からないまま、時間だけが過ぎている。

今までは、要望をあまり持たない人なんだ、と納得していた。

だけど、このままにしておけば、また同じことが起きる。

俺は涼さんに、返信した。

『本当に?本当にこの店でいい?予約していい?』

すぐに既読が付き、返信が来た。

『本当にってなに?いいってば、そこで』

俺は、もう一度送った。

『なんとなくだけど、乗り気じゃなさそうに感じたから。
違うもの食べたければ、教えて。快方祝いにしたいから』

『雅人が食べたい物で、いいってば』

その返信を見て、胸の奥に、小さな燻りを感じた。

『あんまり、心から賛同しているように感じなくて。
もっと、涼さんの要望を聞きたいんだけど』

涼さんから、すぐに返信が来た。

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