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20年タイトルがわからなかった映画を特定した話

皆さんは、幼少期にテレビやレンタルビデオ屋で見かけたっきりタイトルがわからずモヤモヤしたことはありますでしょうか?

中学時代から本格的に映画を観るようになり、20年近くが経った。「死ぬまでに観たい映画1001本」掲載作品をすべて鑑賞し、今となっては映画のシーンから大体の元ネタがわかるレベルのシネフィルに成り果てた。ここ数年は、小学生時代に遭遇した映画の正体が段々と判明してきた。たとえばショッピングセンターで警備ロボットが暴走するB級映画が『キルボット』であったり、また小学2年生ぐらいの時にグアム旅行かなんかの帰りの飛行機で流れていた時間停止機能を持った腕時計を使ってティーンエイジャーが陰謀に立ち向かう作品が『タイムマイン』であることもわかった。

しかし、唯一まったくもってわからなかった作品があった。

小学校5年生ぐらいの時にレンタルビデオのSFコーナーでとあるDVDパッケージが印象に残り、夢でうなされたことがある。3体の黄色い気持ち悪いエイリアンが飛来している。左側には恐らく主人公であろう少年がおり、横にメインキャラのひとりがいる。このふたりがエイリアンと戦う話のようだ。当時、『ザスーラ』を借りて観てトラウマになったことがある。その感触に近く、結局借りることはなかったのだが、何年もあの裏表紙のヴィジュアルが忘れられなかった。しかし、再度TSUTAYAに訪れた際には配置が変わっていたせいもあり、発見することができなかった。

映画にハマり始めてからは定期的にあの映画はなんだったんだろうと調べてみるも、エイリアン襲来ものはたくさんあるため、結局最近まで正体がわからなかった。

小学5年生ぐらいの時に遭遇したあの
気持ち悪いパッケージと対面!?
DVDの表面
このヴィジュアルは覚えていない

ところが、先日メルカリを漁っていたところ、偶然にもあのパッケージと遭遇したのである。

その正体はトビー・フーパ―『スペースインベーダー』であった。トビー・フーパ―といえば『悪魔のいけにえ』や『ポルターガイスト』、『スペースバンパイア』などで知られるホラー映画の巨匠であり、高校時代にハマって観ていたのだが、『スペースインベーダー』はDVDパッケージを調べたことがなかった。完全に盲点だったのである。

ということで早速購入して観てみた。

本作は、1953年に制作された『惑星アドベンチャー スペース・モンスター襲来!』のリメイクである。本作が制作された時代は50年代のB級映画をリメイクする流れがあり『ザ・フライ』や『遊星からの物体X』といった名作が生み出されていた。今回調べてみる中で、『惑星アドベンチャー スペース・モンスター襲来!』自体が映画史にとって興味深い一本となっている。

本作は、裏山にUFOが現れたことをきっかけに両親をはじめとする街の人々が別人のようになってしまう恐怖を描いている。いわゆる《ボディ・スナッチャー》ものである。一般的に《ボディ・スナッチャー》ものは、1956年の『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』を軸に語られる。本作は前年に書かれたジャック・フィニイ「盗まれた街」の映画化であり、赤狩りの恐怖をSFホラーとして描いた作品。つまり、『惑星アドベンチャー スペース・モンスター襲来!』は、《ボディ・スナッチャー》もののジャンルが確立される前の原石ともいえる作品なのだ。赤狩りが創作の領域でどのように影響を及ぼしたかの文脈が見えてくるのである。

閑話休題、『スペースインベーダー』の話をしよう。映画は、裏山にUFOのような、隕石のようなものが落下するところから始まる。少年デヴィッド・ガードナーは両親を叩き起こす。パパが翌朝、調べに行ってくれるのだが、帰ってくると靴を片方しか履いていない。首に傷もあり、コーヒーを汚く飲む。見た目はパパなのに、何かがおかしい。異変は少しずつ街を侵食していく。母親は焦げた朝食を出すようになるし、先生は突然カエルを食べ始める。デヴィッドは真相を掴もうと探索する中でダンジョンのようなものを見つける。その先には、ずんぐりむっくりしたエイリアンが侵略の準備をしていた。

この時代特有の、人体内部を彷彿とさせる気持ち悪い宇宙船造形、エイリアン造形に魅了される。どこか『MOTHER2』を想起させる、子どもが勇気と知恵を振り絞ってダンジョンを攻略したり、エイリアンを倒していく様に懐かしさを抱く。そして何よりも興味深いのが、通常この手の侵略ものは数名のパーティでもって対峙していくのだが、本作の終盤では少年が軍を率いて攻略する点にある。特殊兵器でもって人間を塵にしていくエイリアンと重火器でゴリ押していく軍隊との力業過ぎる戦闘描写に爆笑した。

『スペースインベーダー』は子ども向けホラーの趣が強いため、他のトビー・フーパ―作品と比べるとライトな作りにはなっているものの、子どもが観たらトラウマになるであろうオチの辛辣さもあり隠れた名作だと感じた。

20年におよぶ謎が解決できて大満足であった。


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CHE BUNBUN 映画ブログ『チェ・ブンブンのティーマ』の管理人です。よろしければサポートよろしくお願いします。謎の映画探しの資金として活用させていただきます。

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