見出し画像

私の本業は、人の話を丁寧に聴くことです

先日、副業についての記事を書いたあと、
ふと、こんなことを考えました。

「副業」という言葉があるのなら、
その対比として、
私には「本業」と呼べるものがあるのだろうか、と。

改めて考えてみると、
私は65歳のときに、ひとりで会社を立ち上げていました。
そしてそれからずっと、
形は変わりながらも、
同じことを続けてきたように思います。

それは、
人の話を丁寧に聴くこと。
人と人の対話を、そっと支えること。

最近になって、
本業を大きく広げていくことに、
少し疲れていた自分にも気がつきました。

それでも、
細々でもいいから続けたい。
辞めたくない。

そんな思いが、
今の私の中に、確かにあります。

今日は、そのことについて、
今の言葉で書いてみようと思います。

会社を立ち上げた理由

65歳で会社を立ち上げたとき、
私は「起業しよう」と強く思っていたわけではありませんでした。

ただ、
人の話を丁寧に聴くこと、
言葉にならない思いに、時間をかけて向き合うこと。
それを、きちんと大切にできる場所を、
自分で持ちたいと思ったのです。

それまでの仕事の中で、
人は、答えを求めているようでいて、
本当は「聴いてもらうこと」を
必要としているのだ
と、
何度も感じてきました。

早く結論を出すことよりも、
評価することよりも、
とことん対話すること。

そうした時間は、
効率や成果とは、あまり相性がよくありません。
けれど私は、
その時間こそが、
人にとっていちばん大切なものだと感じていました。

「トコトン・ダイアログ」
――とことん対話しましょう。

この名前には、
相手を急がせないこと、
途中で切り上げないこと、
その人の言葉が出てくるまで、待つこと。

そんな思いを込めました。

会社を大きくしたい、
多くの人に届けたい、
そう考えた時期もありました。

けれど今は、
必要としてくれる人と、
必要な分だけ、
丁寧に向き合えればいい。

そう思えるようになりました。

婚活相談の仕事について

もうひとつ、
私が今も続けている仕事があります。

以前勤務していた婚活の会社で、
婚活中の方の悩みを聴き、
相談にのる仕事です。

向き合うのは、
主に40代の女性たち。
仕事や家族、これまでの人生を背負いながら、
これからの生き方や
パートナーシップに向き合おうとしている方々です。

華やかな話ばかりではありません。
不安や迷い、
自分を責めるような言葉が
こぼれることもあります。

そんなとき、
私ができることは限られています。

答えを出すことでも、
背中を強く押すことでもありません。

ただ、
その人の話を、途中で遮らず、
評価せず、
「そう思ってきたんですね」と受け止めること。

40代という年齢に触れるたび、
私の中に、
とても個人的な思いが
よぎることもあります。

けれど、その思いを前に出すことはせず、
ただ静かに、
目の前の人の言葉に耳を傾けます。

この仕事を続けているのは、
役に立ちたいから、というよりも、
私自身が
「ここにいたい」と思える場所だからなのだと、
最近になって気づきました。

それでも、この仕事を続けたい理由

ここまで書いてきて、
改めて思うのは、
私はこの仕事を
「やめたくない」のだということです。

大きくしたいわけではありません。
評価されたり、
たくさんの人に知られたりしなくてもいい。

ただ、
目の前にいる誰かの話を、
丁寧に聴く時間を、
これからも持ち続けたい。

それは、
誰かの役に立ちたい、という気持ちと同時に、
私自身が、
そういう時間の中で
呼吸ができていると感じるからなのだと思います。

うまく言葉にできない思いが、
少しずつ輪郭を持っていく瞬間。

その場に立ち会えることが、
私にとっては、
何よりの意味でした。

私にとっての「本業」とは

こうして考えてみると、
私にとっての本業とは、
肩書きや形のことでは
ないのだと思います。

会社を立ち上げたことでも、
登録商標を持っていることでも、
仕事の種類でもありません。

私の本業は、
人の話を丁寧に聴くこと。

その人の言葉を急がせず、
途中で切り上げず、
評価せずに受け止めること。

それを、
細くても、静かでも、
続けていくこと。

それができている限り、
私は、自分の本業を
ちゃんと生きているのだと思います。

本業とは、
自分が「続けたい」と思えることなのかもしれません。

いいなと思ったら応援しよう!