日本の交通網の脆弱性
今回の地震で被災された方にお見舞い申し上げます。
現状、福岡に出るには
2026年(令和8年)7月31日現在
今回、熊本県熊本市南部から八代市北部にかけて被災したことで大規模な被害がない鹿児島県は福岡との行き来がしづらくなっている。
鉄道
九州新幹線の熊本以北は本数を減らして運転しているものの、九州新幹線の熊本以南は運転をとりやめている。被害状況からおそらく熊本から新水俣までの九州新幹線の復旧にはかなり時間がかかる。
そうなれば、自ずと宮崎・大分経由になるが、日豊本線の大分以南はあいにくの全区間単線であり、複線区間と比べて増発できるわけでもない。
無論車両もかき集めなければならないが、九州内からかき集めるのには限度があるし、他のJRも乗り入れを想定していないことから交流60Hzに対応していなかったり、そもそも保安装置が違うため、かき集めて使うということができない。
なお、先に在来線が復旧したとしても、八代から新水俣までは並行在来線として分離(肥薩おれんじ鉄道)されていることから実施は分離していなかった場合と比べて色々な困難が伴うとみられている。肥薩線は豪雨災害で地震前から運休している。
高速道路
九州自動車道も松橋(まつばせ)インターチェンジからえびのジャンクションが不通となっている。
鉄道と同様に宮崎・大分経由に迂回するよう公式がアナウンスされてはいるが、対面通行(暫定二車線)の区間が残っており、混雑が発生している。対面通行なので、事故が発生しやすい上、万が一この区間で何か発生した場合、通行止めとなってしまう。もし、完成四車線であれば対面通行に切り替えて使用するということが可能となる。
航空
鹿児島空港比較的規模が大きく、滑走路長も3000mある。既に増発されてはいるが、そもそも鹿児島県内などとの離島便がある上、増発には限界ある。
船舶
出水郡長島町から天草市までを結ぶフェリーを使用して天草に抜けるルートがある。九州自動車道が不通となっているため、そこを利用して福岡出るマイカー利用者が急増しているとのこと。おそらく増発である程度対応するのだろう。
災害への脆弱性
見て分かる通り、別の場所で起こった災害にもかかわらず、福岡に出るが大変なことになってしまっているのか。
組織が複数に分かれているために突発的な対応ができない
現在の交通に一瞬の「急所」が存在しそこが被災すればどうにもならない
普段の「余裕」は企業のコストでしかないために「無駄」として切り捨てられる。
昔は同じ日本国有鉄道であったものの、国鉄分割民営化と並行在来線分離によって複数の組織に分かれてしまった。そのため、他地方からの支援・応援がしづらくなり、代替輸送にも手間がかかるようになった。このため、新完全が不通なら在来線をということが簡単にできなくなった。
迂回となる路線も単線や線路等級が低く線路等級が昔の基準のままかあるいは線路等級が下げたり、列車交換(行き違い)できる設備の撤去をコストカットのためにやっている。場合によっては北海道のように廃線にしているので災害時でも何も対応できず運転を見合わせるしかないということが起きている。高速道路も制限速度80km/h以下または対面通行(制限速度70km/h)あるいは高速道路すらない状態だったりする。
この先のあるべき姿
災害に強い交通のためには
全国統一の交通組織
コスト度外視の冗長性の確保
均衡な交通網の確保(「急所」を作らない)
違う交通機関同士の連絡の利便性の向上
これらが重要といえる。
