◆米FOMC据え置きだが反対4票 ~ パウエル氏は理事留任だが「影の議長」否定◆
(MCレポート260430-a)
4月28、29日の米FOMC(連邦公開市場委員会)は、予想通り3会合連続の金利据え置きを決定しましたが、反対が4票に達し、1992年10月以来の多さでした。輪番で投票権を今年有する地区連銀総裁4名のうち3名が、声明文の「緩和バイアス」的な記述の維持に反対しました。
パウエル氏のFRB(連邦準備制度理事会)議長としての最後の記者会見は、いつもの淡々とした語り口でしたが、筆者には印象深いものでした。
今回のFOMCについてコメントします。

「ウォーシュ時代」到来を前に、地区連銀総裁3名が反対票
4月の米FOMCは、主要政策金利であるフェデラルファンド(FF)レート誘導水準を3.5~3.75%に据え置いた。米国・イスラエルによる対イラン軍事作戦の行方と、その経済的影響の見きわめが必要な時間帯であることから、様子見据え置きは当然の結論である。
声明文は、「中東情勢は経済見通しについての高度の不確実性に寄与している」と明記した。
だが、その表決は、反対が4票という大きなサプライズになった。パウエル時代では最多で、92年10月以来の多さである。
今回のFOMCへの出席がおそらく最後のミラン理事は、0.25%ポイントの利下げを主張。ここまでは想定範囲内だったが、輪番でFOMCでの投票権を今年有している地区連銀総裁4名のうち3名(ハマック・クリーブランド連銀総裁、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、ローガン・ダラス連銀総裁)が揃って、政策金利の据え置きには賛成しつつも、現時点で声明文に「緩和バイアス」(政策金利を追加的に調整=利下げする程度とタイミングに関する記述)を含めることを支持せず、反対票を投じた。
3月の前回FOMCでタカ派が声明文の「中立バイアス」(利上げ・利下げ両にらみ)への修正を主張したことは、この会合の議事要旨から明らかになっていた。4月はこうした主張が、具体的な投票行動の形で表面化した。
FRB議長がウォーシュ氏に交代する前の最後のFOMCで、トランプ大統領からの執ような利下げ要求を意識しながら、地区連銀総裁3名が「FRBの政治からの独立性」をアピールする行動をとったと受け取ることができる。
それは同時に、政治圧力に屈して政策判断をすることのないようウォーシュ氏をけん制する意味合いも有している。
パウエル氏はFRB理事として「当面」「目立たない形で」在任
同じ4月29日、米上院銀行委員会はウォーシュ氏の次期FRB議長指名承認案件を13対11で承認した。上院本会議での採決は早ければ5月11日の週に行われる可能性があり、パウエル氏の任期満了にウォーシュ氏就任が間に合う可能性が高くなったと報じられている。
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