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大きくなった彼が今、欲しいものとは。

蝉が捕まえられなくてヤイヤイと
私にいちゃもんをつけていた甥っ子も
この夏で14歳になった。中学二年生だ。
いつのまにやら大きくなったもんだ。


そしてこの夏、彼が捕まえたいのは「彼女」。

ぷっ!彼女ってよ。オイ、彼女ってさ!
吹き出しちゃうよ。
イッチョマエじゃぁないか。
私はこのまま「おれはママと結婚するんだからな!」
って言い続けるのかと思って心配してたぞ。
それがまぁ、彼女。ねぇ……。クスクス。

え?待て待て待て、
彼女というのは好きな女の子に
「キミがすきだ。付き合ってください!」
と告白して
「私もあなたがスキ!」との答えが
返ってきてから
めでたく二人は両想いになって
晴れてカップル成立、
キミとワタシは彼氏と彼女、
になるのでは???
今は両思いは死語か??
カップルとか言わないのか???

まぁそうねぇ、
恋してなくても彼女はできると思うよ?
大人だって合コンとかアプリとか
友だちの紹介とか、ありとあらゆる方法で
「恋」をすっとばして
彼女やら彼氏をみつけたりするからさ。
知り合ってからの恋だってアリっちゃアリ。
ってか、ぜんぜんアリだよ。

でもさ「甘ずっぱい恋」をぜひとも
して欲しいんだよなぁ。

あの子のことを考えると、なんか胸のあたりが
ぎゅっとして、苦しくなって、
食欲もなくなって、夜も眠れないよ・・・
とかさ。
無駄にそのへんの花をむしって
「好き、キライ、好き、き、キライぃぃ??」
とかさ。
シャープペンシルを自分と好きな子の
名前の文字数だけノックして、
白い紙にハート描いて、芯を折らずに
黒く塗りつぶすことができたら恋が実るのよ、
とかさ。
何回も何回もいい結果が出るまでエンドレスで
トランプ占いしたりとかさ。

年齢を重ねてゆくと、
ただ「純粋に好き」って気持が減ってくる。
好きでいたいけど何かが邪魔するんだよ。

「あなたが好きなの。付き合ってくれない?」
なんて事は言えなくなってくるんだってば。
背負うモノが増えてきて、
心の自由を自分で狭くしたりして。

そんな事を考えずに、がむしゃらに
恋をして欲しいんだよぉぉぉーーー!!

って、叔母の私がんなこと言ったって
「タナカサン、ウザっ」って
言われるだけだろうなぁ。

こないだ近所のコミュニティセンターで
偶然会っても、かなりの塩対応されたしなぁ。

「おぉ!ヨシオ!元気?今日は何の用事?
あ、お友達と一緒?」
「あらあら、こんにちはー。いつもヨシオと
遊んでくれてありがとぅねぇ」

っていつもの調子でグイグイ行ったら
すんごい迷惑そうに
「あぁ、えぇ。はい。」
しか言ってくれなかったもんなぁ。
敬語だし。

あんなにちぃちゃかったのに。
あんなに、タナカサン!タナカサン!!
トミカのヤツ踊って!とか
一緒に春日のマネしよう!!
ほら、カッス!カスカスカッス!!
って言ってくれてたのに。

あぁ、これがヨシオの成長だよ。

タナカサンは少し淋しいけれど、
キミのこれからを見ているからね。
ウザいとか言わないでね。
また一緒に遊んでね。




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