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It’s my choice.

その頃ぼくは、ある調査を実施していた。それは、ぼくと同じ病気に罹患した後、寛解されて、昔のように仕事に復帰をしている笠井アナウンサー(何度も登場させてしまい、申し訳ございません)が治療を行った病院を探すことだった。ネットで血眼になって検索をして、記事やインタビューを読み、動画を観たりしたが、肝心な『どこの病院で治療を行ったか』の情報にはたどり着くことができなかった。暇さえあれば探していた。その頃は病院に行く以外は、ほぼ寝室のベッドの上にいたので、暇しかなかったのだけれど。笠井アナの病院を探し出し、自分もそこに入院して、治療を行い、生き延びることに躍起になっていたぼくは、それまで生きてきた中で一番強欲な顔をしていたかもしれない。ミッションを成し遂げることは難しそうなので、この調査は早々に打ち切ることにした。「Option2の作戦へ変更だ。オレには時間がない。」

2024年10月19日
時間がない? そう、ぼくは、ある大学病院の検査結果待ちの状態でありながら、本能的に、これから入院して治療を行う次の病院を探していたのだ、ベッドに寝っ転がりながら。『病院選びが大事、そしてネットでも有益な情報はあるし、本もある』という笠井アナウンサーの教えに従い、ネットでめぼしい病院のあたりをつけていたので、最終チェックとしてamazonで『名医のいる病版 2024版』を購入した。ビンゴ!だった。
この日から、ぼくは、自分で探し出したこの病院に入院することを夢見るようになった。

夢見る病院に入院して、抗がん剤治療を何度か経験した後、主治医の先生と病院に、信頼のようなものがふんわりと生まれ始めた頃、自宅のベッドの上での病院探しのことを考えた。この治療がうまくいくかどうかは、最後まで誰にも分からない。笠井さんの病院を探しあてて治療を行ったとしても、うまくいく保障なんて何もないのだ。最後には、誰かを恨むのか、嘘つきと思うのか、信じたオレがばかだったと思うのか、長い治療の終わりに誰かのせいにしてしまう可能性があるという状態がとてもよくないことのように思えた。逆に、自ら行動して、考えて、探し出した病院への転院を決めた時に、ぼくは腹を括れていたのだった。結果はどうであれ、そこには健やかな未来のイメージしか存在しなかった。「私は、私の主治医とこの病院を信じている。That’s all. It’s my choice.」と誰に対しても自信をもって言える自分がそこにいた。この世の中で裏切らない、誠実なものは筋肉しかないと思っていたけれど、もしかしたら他人のことも自分のことも信じていいのではないか、と少し思えた。
そして、今も、It’s my choiceな死に方?生き方?で、そんな風にぼくは、日々を過ごしている。

出典:最新データで探す 名医のいる病院2024版 総合版

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