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💁麻酔なしで歯は抜かない 1260


痛みに強いですか?
どれくらい我慢できますか?
鎮痛剤を使ったことはないですか?
麻酔なしで歯を抜きますか?
麻酔なしで手術を受けますか?

抜歯ではなく出産です。
「無痛分娩」というか「産みの苦しみ」の話です。
(2025.9.14朝日新聞オピニオン面フォーラム)

「『お腹を痛めて産んでこそ母性が芽生える』という、痛みに耐えることを評価する言葉を言われたり、聞いたことがありますか?」という設問に、回答者の半数以上が「ある」と回答したらしい。
時代錯誤すぎて、呆れを通り越して笑ってしまう。
笑いごとじゃないんだけど。

私自身は3人の子どもを、麻酔を使わない普通分娩で出産。
2人目と3人目の間に、稽留流産で死産してるので、経験としては4回。
3人とも「未だ時間がかかるでしょう」と医師から言われたH(元夫)が、一旦帰宅したり仮眠したりしてる間に誕生。

陣痛から出産までの進行に問題がなく、短時間だと「安産」。
私は3回とも医師から「安産でしたね」と言われたから、Hからはことあるごとに「お産は楽だったんでしょ」と軽〜く思われていた。
Hよ、勘違いしないで。
楽なお産なんてないからね。
「安産=無痛」なんかじゃないからね。

どんな妊娠も出産も「100%絶対安全」ではない。
母は体を張ってる。
命を懸けてる。
それは、普通分娩だろうと無痛分娩だろうと帝王切開だろうと変わらない。
出産に、良いお産もダメなお産もない。


●妻は無痛分娩で痛みに悲鳴を上げた。実態に即した呼称に変えるべき(20代男性)

●産みの苦しみという言説については、私が苦しかったんだからお前も苦労しろという側面もあるのではないか。どこかの世代で断ち切るべき価値観(30代男性)

●「母性」という言葉自体が、女性のみを育児に従事させるための、男性中心社会にとって都合のいいだけのものではないか。痛みまで強要されるのは気持ちが悪い(40代女性)

●痛みが美徳という時代ではない。戦争時代の耐え抜く考え方が正しいという思想が反映されているよう(40代男性)

●麻酔事故が心配だからと麻酔なしで抜歯する歯科医師は訴えられると思う。非科学的な「母性」を持ち出して、出産だけ苦痛を背負い込まされている(40代女性)

●お腹を痛めてこそ母性が芽生えるなら虐待はないはず。母性を神格化しすぎ(特別養子縁組した子がいる40代女性)

●母性は結局その人次第(10代男性)

●手術や歯科治療で麻酔使用するのに、出産だけなくてもいいというのはおかしい(30代女性)

2025.9.14朝日新聞「産みの苦しみ」を考える
アンケートより(要約は筆者)



無痛分娩や帝王切開に対して、「産みの苦しみを経てこそ母性が芽生えるのに」「痛みを経験するからこそ我が子をかけがえなく思えるのに」「みんなが通る道なのに、痛みを経験しないのはずるい」という攻撃?虐め?がある。
費用負担できる人だけの特権だと責める人もいる。

まったくどの口が言う?
と思ったら、赤の他人ならいざ知らず、パートナーや親や義親が言うケースもあるらしい。
それなら痛みを代わってくださるかしら?
例えば病気治療で、標準治療ではなく最先端医療を選んだ人にも「ずるい」と言うのかしら?

無痛分娩には無痛分娩独自の、帝王切開には帝王切開独自のリスクがある。
費用も嵩む。
本人が望み、理解し、費用負担が可能なら、その選択を尊重すればいいじゃない。
産まない人にとやかく言われたくない。

産みの苦しみを経験しないと母性が芽生えないなら、産まない父親には父性が芽生えないことになってしまう。
NPO法人ファザーリング•ジャパンに所属する古関謙さんが父性の芽生えについて語っている。

「痛みを経験しないのはずるい」と無痛分娩を批判する人がいるが、無痛分娩も母になるためのステップだと思う。

長女(第一子)のときは実感が乏しく、父親だという認識も足りなかった。

2人目を流産後、妻はふさぎ込んだが私は実感がわかず、明らかな温度差が互いへの不信感となった。赤ちゃんをおなかで守り育ててきた人との違いを身をもって知った。

次女の妊婦健診にはほぼ全て同行。妊娠中から寄り添えたことで「パパスイッチ」が入った。

切迫早産で妻が半年間入院し、長女をワンオペ育児。自分がやらなければこの子は死んでしまう、自分が育てた、という深い愛情が芽生えてきた。

妊娠から出産まで9ヶ月ある女性と違い、コンプレックスを感じていた。仕事に例えると、4月新卒入社した同期と比べ、自分だけ9ヶ月遅れで入社したようだった。
1年くらい経つと差はわからなくなり、必死になれば追い抜けるかもしれない。父親になるのも同じような感覚だと思う。

2025.9.14朝日新聞「産みの苦しみ」を考える
NPO法人ファザーリング•ジャパン古関謙さん
(要約は筆者)



父性の芽生えは、パートナーの妊娠中や産後の育児にどれだけ主体的に関わるかによるらしい。
「9ヶ月遅れの入社」の例が解りやすい。
自分の体で妊娠•出産を体験できない分は、努力で取り返せるということ。
痛み•苦しみを味わわなくても、母性も父性も自分で育てられる。

東京都では、10月から都民を対象に無痛分娩費用を最大10万円助成する事業が始まる。
医療機関にもよるけれど、無痛分娩(自費診療)は普通分娩より約10〜20万円費用がかかるらしい。
誰もが恩恵に与れる訳ではないけれど、選択肢が増えるのに足を引っ張る必要はないでしょ?

「母性」「父性」という言葉は、個人的にはあまり好きではないのだけど、便宜上多用したことを付け加えておく。
ただの言い訳ですけどね。






2025.9.16

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