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📚68【迷うな女性外科医】玲はもう迷わない 1160


迷うな女性外科医(泣くな研修医⑦)

中山祐次郎(1980年神奈川県生まれ、鹿児島大学医学部卒、湘南東部総合病院外科勤務)

幻冬舎文庫 283頁
2024.12.5初版


女が外科医ではダメですか?

恋より結婚より、私は手術の腕を上げたいのに……。

人気キャラクター佐藤玲の感動の物語

本書 帯

佐藤玲は31歳の女性外科医。恋人と会うより手術の腕を上げることに夢中で、激務の日々も辛くない。そんな中、玲はある男性患者の主治医を命じられる。彼は、玲が新人時代に憧れた辣腕外科医。病名は直腸癌、ステージ4だった——。現役外科医が命の現場をリアルに描くシリーズ第7弾、雨野隆治の頼れる先輩•美しくクールな佐藤玲の物語。

本書 カバー



「泣くな研修医」シリーズは、若手外科医雨野隆治の成長物語。
時系列ではなく、研修医→新人外科医→中堅外科医→医学部生→離島派遣医と刊が進む、多分。
すみません、未読なもので……


本書はそのスピンオフ的位置付け。
雨野隆治が、研修医からそのまま外科に残った初日から本書は始まる。
主人公佐藤玲は、雨野隆治の4学年上で外科医5年目(医師になってからは7年目)の31歳女性。
手術が楽しくて堪らないし、もっと手術をしたいし、もっと手術が上手くなりたい。


玲は、10年間交際したハイスペック彼氏渋谷春海(天文学者)の渡米に同行せず、外科医のキャリアとして積むことを選ぶ。
両親(父親は外科医、他病院の副院長)からは、結婚•出産を望まれている。


ある日、玲が主治医を命じられた患者は、研修医時代に上級医として指導を受け、外科医として憧れ、人間として尊敬し、密かに心奪われていた相手東凱とうがい慎之介。
入院中の東凱から「外科医に一番大切なことは、手術の技術を上げることではなく、患者と真に向き合うこと」と教わる。


間に玲の研修医時代や新人時代が挟まれたり、雨野隆治より更に後輩(ちょっと型破りな女性。きっと彼女が主人公の刊が書かれるはず)が配属されたり、父親が脳梗塞で倒れたり。
そのどれもが、玲を深く知りたい読者に応えてくれるエピソード。
そして死期迫る東凱慎之介から病室に呼ばれ、意識がある彼との最後の夜に……


医師が書く医療小説は少なくないし、嫌いじゃない。
テーマも医療事故であったり、延命であったり、院内(学内)派閥であったり、製薬会社との癒着であったり、実に様々。
本書はどちらかというと爽やか系。
ドロドロとした感じはない。


余談だけれど「男性外科医」とは言わないのに、未だに「女性外科医」と言うのね。
外科は男性の領域ってこと?
本書の中で玲自身も少し触れている。


手術、院内の人間模様、患者との確執、家族、恋愛、どれもが玲を構成する大切な要素。
玲の両親と一緒に、玲の今後の成長と幸せを応援したい気持ちになる。







2025.5.27

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