⭐︎金木犀 1303
私の今年の金木犀記念日は10月29日(水)。
昨年、一昨年が何日だったのかは、どこかに書いたのかもしれないけれど覚えていない。
ふらりと図書館に寄ったとき、今秋初めての香りを嗅いだ。
つい先日来たときには蕾の存在にも気づかなかったのに。

前の職場への通勤路には金木犀の並木があって、時期がくれば甘い香りが漂ってくるのも、香りを嗅ぎながら歩くのも当たり前だったから、ことさら「蕾を見つけた」「香りを嗅いだ」と意識することも、話題にすることもなかった。
金木犀の役目が甘い香りを漂わせる以外にもあるのかどうかは知らないけれど、地面に散り敷かれたオレンジ色の小さな金平糖を見ると、香りだけでも充分に愛されているのに、役目を終えてまで可愛いなんて狡いなと、ちょっと意地悪な気分になったりした。

前職を休職してから3年半。
その並木を歩くことはなくなり、ごくたまに黒耳号(人力ママちゃり)で通ることもあるけれど、甘い香りの時期にも地面の金平糖にも遭遇していない。

金木犀の香りは、通勤しなくなってからも隣家の庭から毎秋届けられた。
世間で「今年も金木犀の香りが……」と話題になるより早く、窓を閉め切っていてもいつの間にか室内に忍び込んでいて、慌ててベランダからオレンジ色の花の存在を確認したものだった。

今年はどうしたことか、窓を開けても香りがしない。
*夏中カボチャの蔓に巻きつかれていたので、樹勢が衰えてしまったのかもしれない。
不審者よろしくズームしてみたら、未だオレンジ色には程遠いけれどきちんと蕾がついていて、ちゃんと香りの準備を始めていた。
※植えたのかこぼれ種からなのか、金木犀の木に巻きついた蔓にカボチャが成っているのを見つけ、毎日のように観察•撮影を続けた。
カボチャが熟して収穫されてしまったとき(←言い方‼︎)、思っていた以上に残念に感じてしまった。

20代(多分)の男性ミュージシャンが、「金木犀の香りが好き」「金木犀の香りの香水を愛用している」と言っていた。
その直ぐ後に「本物の金木犀を見たことがない」「本物の金木犀の香りを知らない」と言った。
それって、「『金木犀の香り』という香り」が好き、ってことなのではないのかな?
もしかしたら、案外そういう人は他にもいるのではないかと思う。
「苺フレーバーのナントカ」と苺の味や香りが違うように、「葡萄フレーバーのナントカ」と葡萄の味や香りが違うように、金木犀の香りと「『金木犀の香り』という香り」は違うのかもしれない。

今でこそ、金木犀の香りは万人受けしているようだけれど(もちろん好きではない人もいらっしゃると思う)、その昔「トイレの匂い」と言われて不遇だった時期がある。
正しくは「トイレの消臭芳香剤」の匂いなんだけれど、イメージは「金木犀=トイレ」と直結していて、簡単に「金木犀の香りが好き」とは言えない雰囲気だった。
今、消臭芳香剤の種類は沢山あって、例えばラベンダーの香りが人気でも、「ラベンダー=トイレ」とは言われないのに、災難だったよね。
朝の冷え込みとは一転、程よく陽射しがあって程よく爽やかで程よく暖かな一日。
あちらでもこちらでも、姿の見えない所でも、金木犀の香りを堪能。
帰宅したら黒耳号の鍵に付けていたカラビナが失くなっていて、百均でも買えるような廉価品ではあるけれど愛着があっただけに少し凹んだ。

気分転換にソイラテを淹れ、ワタル(仮名、妹)がくれたお菓子を食べて機嫌を取る。
金木犀は夜の方がよく香るというから、すっかり暗くなったら窓を開けてみようと思っている。

「小麦抜いてるのにこんなお菓子を
あげてもいいのかな?」とワタル
いただきものはOKのマイルールゆえ大歓迎
てかさ、母面会の帰りにスタバへ行ったら
2人でスイーツ3つとか食べてるやん?
全記事をマガジンに収録しています 2025.10.30
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