⭐︎けちょけちょ 1450
「けちょけちょ」はうちに居る。
2日に1回くらいは、「そろそろお別れしなくちゃね」と思うものの離れがたく、今も別れられずにいる。
進(仮名、次男)は、由美(仮名、長女)とは8年、修(仮名、長男)とは6年の学年差がある末っ子。
由美も修も新しい玩具を手にしたみたいに進を可愛がり、母親は要らないんじゃないか?と思うほど面倒をみてくれた。
進は機嫌が良くて手がかからなかったし、好き嫌いや拘りが強くなくてあっさりしていた。
どれほどあっさりしていたかというと、生後9か月のある日、突然母乳を飲まなくなりそのまま断乳に至ったくらい。
「2歳まででも3歳まででも飽きるまでどうぞ」と思っていた私は、肩透かしを食らったようでちょっぴり寂しかった。
そんな進にも愛着の品があった。
どなたかからいただいた、MARY QUANTとかMCMとかのハンドタオル。
初めは進の汗や涎を拭くのに使っていた。
進が未だ母乳を飲んでいた頃、ハンドタオルの角を口元に当て、小さく薄い舌を母乳を飲むように動かしている(吸啜)のに気づいた。
口元に当てる角はタオルごとに決まっていて、わざと違う角を差し出しても、お気に入りの角を探し当てて口元に持っていく。
どうして判るんだろう?
そのくせ洗濯中に違うタオルを渡しても、機嫌を損なうことはない。
拘りがあるのだかないのだか、ライナスの毛布とはちょっと違う。
お腹が空いて母乳を飲みたければ、タオルを口に含んで吸うのではないかと思う。
そうはしなかったし、なくても泣き喚いたりはしなかったので、純粋にお気に入りだったのかな。
外出時にもハンドタオルを持たせるようになった。
「なんや『けちょけちょ』いいよるなあ」
どこへ出かけた時だったか、珍しく亡父が進を抱き、進はハンドタオルを持って機嫌よく抱かれていた。
眠くなってきた進は、お祖父ちゃんの肩の辺りでエア母乳を吸っていたらしい。
「ちゅうちゅう」でも「ちゅぱちゅぱ」でもなく、「けちょけちょ」と表現する亡父のセンスよ。
それ以来、進愛用のハンドタオルは「けちょけちょ」と呼ばれるようになった。
父が亡くなり母が認知症になった今でも、ワタル(仮名、妹、進の叔母)にはけちょけちょで通じると思う。
今度、訊いてみよう。
ヘッダー画像は、歴代「けちょけちょ」の最後の1枚。
未だ現役とはいえ、全貌はこれだよ?

白っぽく?グレーっぽく?見える部分も
元はブルーだった
進がエア母乳をあっさり卒業してから幾星霜。
けちょけちょは何千回も洗われ、役割りを変えながら、今は変わり果てた姿でシンクのそばにある(周囲の水気を拭く)。
変わり果てる前はどんなのだったっけ?
メルカリで似たようなタオルが出品されていた。
チェックの感じはちょっと違うような気もするけれど、色合いは大体こんな感じ。
ブランド名とロゴの色ははっきりと違う。


裾を踏んで転ばないか心配
https://kunel-salon.com/fashion/197916/より
けちょけちょのブランド名は「49AV」ではなくて「PART2」。
「JUNKO SHIMADA PART2」で検索すると、「PART2 BY JUNKO SHIMADA」が出てきてしまう。
イオンが2011年から展開しているブランドらしい
ちゃうちゃう、イオンのとちゃうねん。


どこをを探しても「PART2」が見つからない。
けちょけちょ、君はいったい何者なんだい?
……と思ったら、あったあった。
約40年前に発表されたラインらしい。
気が済んだ。

JUNKO SHIMADAブランドの歴史
https://www.crossplus.jp/junkoshimada/about/?srsltid=AfmBOorx7wdQHKcMAXKXfmE1dt4fuiIZwLalC_sz1IoR1PVIYjqWPJWz より
これできちんとお別れができる。
今まで本当にありがとう。
……と思ったのにまた洗ってしまった。
また干してしまった。
乾いたら、またシンクのそばに戻ってくるんじゃないか。
陽にかざすと、雨上がりの空が透けて見えた。


2026.3.23.月
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