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📚62【PRIZE プライズ】という魔物 1042


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PRIZE プライズ

村山由佳(1964年東京生まれ、93年『天使の卵 エンジェルス•エッグ』でデビュー、2003年『星々の舟』で直木賞ほか受賞歴•著書多数)

文藝春秋 383頁
2025/1/10初版

プライズ
[prize]
1.(勝者に与えられる)賞、賞金、賞品。
2.(努力して獲得するに足る)目標、貴重なもの。

カバー裏


帯を見てドキッ‼︎
そんなに欲しかったんですか?
なのに獲れなかったんですか?
大丈夫です、心配しないでください。
村山由佳さんは、とうの昔に受賞されていますから。

帯です



一体なんなの、これ‼︎
読み終わったばかりなのに、ほらもう直ぐにでも読み返したい。
面白すぎでしょ。
それにしてもなんて美しい本なんでしょう。
うっとり……


天羽あもうカインは本屋大賞を受賞しているし、作品は映像化もされているし、出せば売れる名実ともにベストセラー作家。
そんな甘羽カインが何としても手に入れたい唯一のものは、ノミネートはされど獲れない直木賞という栄誉。
単なる流行作家なんかではなく、「ザ•作家」だと知らしめたい。

緒沢千紘は、心酔する天羽カインから担当編集者に指名され二人三脚で直木賞受賞を目指す。
常軌を逸するほどの情熱を作家と作品に捧げる緒沢千紘の献身は、作家と編集者の境や公私をも曖昧にし、作家自身より作家を深く理解しているのだと思い至る。

ストーリーが文句なく面白いのは勿論のこと、更に何倍にも膨らませているのが作家や書店や出版社や編集者や直木賞の知られざる裏側?内輪話?
あれ、実在の作家さんや出版社ではないですか?
え、そんなことまで書いちゃっていいんですか?
フィクションでしたっけ?
まさかノンフィクションじゃないですよね?

編集者って大変だ。
作家に書かさなきゃいけない。
早くたくさん読まなきゃいけない。
読解して意図を汲まなきゃいけない。
作家に書き直しさせなきゃいけない。
売る戦略を練らなきゃいけない。
ときには(いつも?)機嫌を取って、お尻を叩いて……


作家が、読まれたい、売れたい、賞を獲りたいと望んで書くのだとして(そうではない作家もいるらしいけれど)、表舞台に立つことのない編集者の真の願いって何なんだろう?

 (前略)湯気の立つような原稿をこの世で最初に読む喜びというのは確かにある。仕上がりが素晴らしければなおさらだ。
 担当作家に発破をかけることはできても、自分がかわりに書けるわけではない。一のものを十にすることと、ゼロから一を生み出すのとは、それぞれ別の能力だ。(略)
 欲しいのは、今回限りの原稿ではないからだ。長く一緒に仕事をして、そのうちに大傑作が生まれるかもしれない、それを自社でもらいたい、できれば自分がその原稿を取りたい。それこそが願いだ。

PRIZE 緒沢千紘



お仕事小説で、バディもので、サスペンスで、ミステリー。
知らない世界にワクワク。
業界内を覗き見してドキドキ。
どんな悲惨なドラマが待ち受けているのかとザワザワ。
ラストは是非ともご自身でお確かめくださいね。        (2/11)






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