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HARDCORE PUNK & CRUST CORE ''B-Side'' BOOTS STYLE

''PUNKスタイルをブーツで演出する際の足元と言えばドクターマーチン。''
と、瞬時に連想する方は少なくないのではないでしょうか。

確かにドクターマーチンは生まれた背景や年代・生産国、通す靴紐の色と、歴史的・思想的な視点を含め沢山の愛好家がおり、また、現行品でも十分なPUNKスタイルの足元を飾る事が可能なド定番かつ奥の深いブーツです。

ですが今回、このドクターマーチンの陰に隠れているブーツ達にフォーカスした内容を纏めます。なので、ここではドクターマーチンについてはほぼ触れません。

これから記載するブーツ達はドメスティックブランドやインポートブランド等でもサンプリングされており、ファッション情報系の媒体を通して''似たようなテイストのアイテム''を目にした事がある方も居るかと思います。

しかし、アイテム名はブランドの独自の名称で表記を行う為、オリジナルを調べようにも結局分からず『頭ではイメージ出来ているが調べ方が分からない。』と言う状態に陥りがちです。

私の過去のPUNK関連の記事同様、昨今こう言ったPUNKに纏わるアイテムやD.I.Y.スキルを紹介しているような媒体も少なくなってきているので、ここでは私が日常使いしているブーツを基本にファッション面のみに純粋に特化して記録しようと思います。
今後の商品検索やお買い物での、何かしらのヒントになれば幸いです。

さて、ドクターマーチンは元々はイギリス周辺の労働者の為に作られたブーツで日本で言う安全靴のような物である。これが前提です。

私がHARDCORE PUNK / CRUSTスタイルを纏うにあたり、要としているブーツは『ヴィンテージのモトクロスバイク用のブーツ』となります。

つまりはヴィンテージモトクロスブーツですね。
バイカーが本来着用するようなブーツなのです。

モトクロス競技、及び、ブーツの細かい歴史やブーツの名称の由来は昨今Google等で調べれば解説してくれるので割愛しますが、つまりはドクターマーチンとは背負っている歴史的背景が全く違うのです。


◆ALPINESTARS(アルパインスターズ)
◆HI-POINT(6バックルタイプ)

1963年~。
イタリアの老舗ライディングギアメーカー。
元々はトレッキングブーツ / シューズのメーカー。

どうしてもこのタイプのブーツを纏める上で避けては通れないのが映画MADMAX(初代 / 1979年 / オーストラリア)です。

この映画に出て来る登場人物『グース』がこのタイプに近いブーツを履いている事でも有名で、そのぐらい王道なブーツだと感じます。

他、U.K.のCRUSTバンド『DOOM』のメンバーが着用している事でも有名。

オフロード走行時に脛を守る為に取り付けられている鉄板が最高にHARDCORE PUNKなオーラを持っているブーツだと個人的に思います。



◆SIDI(シディ)
◆JOEL ROBERTモデルシリーズ(7バックルタイプ)

1960年~。イタリアの老舗フットウェアーメーカー。元々はトレッキングシューズ・シューズのメーカー。

このブーツもALPINESTARS同様に初代MADMAXにてトゥーカッター率いる一派に属する無名のライダーが履いていたブーツ。そのライダーが画面に映るのは一瞬ですが、ブーツの存在感が一番でした。

配色も当時らしい土臭さとポップさが混在している非常にシブい雰囲気のアイテムで、今ではこの''ちょいダサ''な配色はなかなか見ませんよね。


◆GAERNE(ガエルネ)
◆恐らくVICTORYシリーズ。

1962年~。
こちらもイタリアの老舗メーカー。

シンプルで合わせやすく、価格も抑えめなのと馴染みやすい革質で日本人でも履き心地がシックリ来るかなりコスパの良いブーツかと思います

VICTORYシリーズには脛部分にメーカーロゴが縫い付けてありますが、リッパー等で簡単に外す事が可能なので、好みによって雰囲気を変える事も出来ます。(私は元からメーカーロゴが外されている状態で購入しました。)


◆ASHMAN(アッシュマン)
◆RED DEVIL MK-II

1960~1970年代頃まで。

私の大好きな小汚いおバカPUNKSスタイル発祥の地でお馴染み、イギリスはブリストルにかつて存在したモトクロスブーツメーカー。

後程記載をしますが、細くシャープなフォルムが中心のイギリス製のモトクロスブーツの中では珍しくイタリア寄りのゴツくボッテリとしたシルエットが特徴です。

アイテム名も最高に中二病で格好良いですね。
CAPCOMが1980年代にリリースしたアクションゲーム『魔界村』に出て来るレッドアリーマーと言う敵キャラが大好きな私はニヤけてしまうネーミングです。

赤以外に希少なラインカラーとして水色に近い青や蛍光に近い黄色も確認されています。



◆FRANK THOMAS(フランクトーマス)
◆恐らくFT17シリーズ。

1982年~。
イギリスのライディングギアメーカー。
レザーの質が特に頑丈な印象です。

全体的に細くシャープなフォルムの英国製ブーツの中ではこのFT17シリーズはラバー製のパッドが脛部分に付く為、比較的ゴツい部類のブーツ。

但し、イタリア製のヴィンテージモトクロスブーツと比べるとシャープなシルエットではあります。

個人的にこのシリーズはMADMAXと言うよりもブレードランナーのような印象で、ダークな雰囲気漂う近未来感がありますね。

こっちのブーツはU.K.のCRUSTバンド『EXTREME NOISE TERROR』のメンバーが着用している事でも有名。


このように、私が愛用するブーツのフォルムはサイドにバックルが連なっているもので、その独特のヴィジュアルがオールドスクールなオーラを放っています。

1960~1980年代全般ぐらいにイタリアやイギリス等のユーロ圏にて生産されたモトクロスブーツが主にこう言ったシルエットの物が多い印象です。

そして、これらのブーツは現行品で購入するのは当然ほぼほぼ不可能です。

バイクギアのヴィンテージも扱う古着屋や専門店の店頭・通販だったり、フリマサイトやオークションサイト…。
あとはeBay・セカイモン等を利用して個人輸入して入手したりと中古市場で見つける事が現状基本のアイテムサーチ方法ではないでしょうか。

少なくとも私は上記のサービスを利用してタイミング良く自分に合うサイズやモデル・配色のブーツに出会えたら予算と相談の上、購入しています。


以降は私の経験を元にしたヴィンテージモトクロスブーツ選びのコツです。

出来れば実際現物を試着して購入するべきなのですが、先述の通り気軽に試着出来る位に溢れている物ではありません。
通販を利用せざるを得ない状況が現実です。

そして、このテのブーツは『バックルを閉めずにガッツリ開けてレイジーにカパカパと履くタイプ』と、『バックルを全てしっかりとしめ、ガッチリとホールドして履くタイプ』の、大体2通りに分かれるかと思います。


私は後者でブーツを履くので、その履き方を基準とします。


まず、甲高や幅広等、そもそもの足の作りが日本とユーロ圏では違う為、日本規格のつもりでマイサイズを購入すると失敗する…なんて事もあります。

なので、私の場合はマイサイズ+1cm~1.5cm程度のサイズで購入し、中敷きを使って多少調整する。と、言う方法で快適に着用しています。

参考程度の考え方ですが、私の本来の足のサイズは26cm。多少大きめに履きたいので日本規格のブーツやスニーカーでは基本26.5cmを選択。

ですが、ヴィンテージモトクロスブーツに関しては27~27.5cm(国によっては細かいサイズが無いので28cm)を購入して履く。と、言うようなイメージですね。

加えて、これらのブーツは底がかなり固い為に長時間の着用は疲れます。
なのでクッション性の高い中敷きの使用は必須だと感じております。

つまり中敷き込みでのサイズ感で考えた方がベター。と言った所でしょうか。因みに中敷きは100均のもので十分です。


次に、当然一度人の手に渡っているので履き癖が付いており、多少の矯正は必要になる場合がある事です。

そもそも海外規格のブーツなので日本人向けには作られていない事が前提で、さらに前オーナーの癖が加わる為、コンディションによっては着用時に痛みが伴う場合があります。

この場合、私は2つの方法で根気よく矯正をします。


1つ目は着用しない時は中に新聞紙をギチギチに詰め、筒状の形をしっかりキープする事。

2つ目は着用時、痛みを感じる部分にウエス等を少しつっぱるぐらいに入れ込んでクッション材代わりにし、さらにそうする事で着用しながら履き癖やブーツの形状を矯正させる事。


これをひたすら根気よく繰り返し矯正期間中は極力ヘビロテで履き続け、あとは定期的にミンクオイルを塗り込んで革を柔らかくしてあげつつブーツと自分の足を慣らして行きます。

そんなこんなやっていると大体2年ぐらいでブーツが馴染んで来るかな…と、肌感ではありますが感じます。

新品のドクターマーチンも痛い思いをしながら時間をかけて慣らして行く。と、言う話を良く聞くので似たような感じかもしれませんね。


最後に生産国による微妙なシルエットの違いです。

所持しているブーツを一覧で流す際に少し触れましたが、イギリス製とイタリア製ではシルエットが若干違います。

イギリス製のブーツは基本的に細くシャープなフォルムですが、イタリア製のブーツはゴツくボッテリとしたシルエットが多い傾向にあります。

これはモトクロス競技をするフィールドの環境が違ったため。と言う説があります。

例として、似たような雰囲気のブーツでシルエットの比較をします。

右がFRANK THOMAS(イギリス)。左がGAERNE(イタリア)です。

同じ黒ベースのブーツですが、FRANK THOMASの方はやや足首辺りが強めにシェイプされているようなシルエットで、比べてGAERNEは全体的にボッテリとしたIラインのシルエットになっているのが、何となくお分かりいただけるかと思います。

このように生産国によってシルエットに若干の差が発生します。

但し、上記で記載してたようにASHMANはイギリス製でありながらイタリア製のようなシルエットになるので、これは例外的です。

今度はASHMANベースで比較をしてみます。

右がASHMAN(イギリス)。左がSIDI(イタリア)です。
ほぼほぼシルエットのボッテリ感やゴツさが同じぐらいです。
下手するとイタリア製のブーツよりゴツいかもしれません。

このように様々な種類があるので、自分の足の形状や好きなシルエットでモトクロスブーツをファッションに取り入れる場合は方向性を選んでみても良いかもしれませんね。

他、古い雑誌ではありますが、MOBSPROOF VOL.06号(2010年9月21日発行)にヴィンテージモトクロスブーツを詳しく特集したページがあるので、これを中古市場にて入手して読んでみるのも面白いのではないでしょうか!

ここまでがヴィンテージモトクロスブーツについて、です。


ここからは番外編。

まだまだありますB-SideなHARDCORE PUNKなブーツ達。
そんなワケでサクッと紹介します。


◆CAROLINA(キャロライナ)
◆エンジニアブーツ(ミドル丈)

1963年~。
アメリカのシューズメーカー。

HARDCORE PUNKなエンジニアブーツだと同アメリカのCHIPPEWA(チペワ)が有名ですが、CAROLINAは比較的安価に購入出来るのと耐久面も申し分ありません。

15年前ぐらいに高円寺の古着屋で購入してからずっと履き続きており、破れた所は手縫いでツギハギをして補修をしている、私が所持しているブーツの中で最古のアイテム。

ソールは購入後すぐに既存のものからビブラムソールに張替えをしてコンバットブーツ風な雰囲気にもしています。

履き込み過ぎてカスカスになっているのに加え、ブーツストラップを巻いていたり、Tシャツを裁断した際に余った布切れを巻き付けていたりと原型がほぼ無いですね。

安価な事もあり個人的に一番手を加えて遊んでいるブーツだと思います。


◆U.S. ARMY(米軍)
◆Extreme Cold Vapor Barrier Boots

俗に言うミッキーブーツ / ミッキーマウスブーツ。
寒冷地戦や極寒での活動を目的としたラバー製のブーツです。

履いた時のシルエットがミッキーマウスの足のように見える事からこの名称で呼ばれています。昨今ではHIPHOPシーンで注目されているとか…!

元々はオーバーブーツで、本来はスニーカー等の上から履く事が前提となっています。
その為、マイサイズピッタリで購入しないとドエライ事になるので注意ですが、マイサイズで購入しても2cm~3cm程度大きいです。
しかし、これが黄金比となります。

着用時はスケートソックスやワークマンの現場用ソックスのような厚手で頑丈な靴下を履くのがセオリーですね。

ラバー製なので長年使っていれば当然亀裂が入ってきますが、ホームセンターに売っているホース等のゴム用品の修正パテで補修可能です。

元々はヴィーガン思想のあるPUNKSが本革ブーツの代わりに取り入れたのがキッカケと言われており、そのマインドは現在も受け継がれておりますが、ドクターマーチンが滅茶苦茶に似合わない私はこれをドクターマーチン代わりとして愛用しています。

キルトを巻く時とボロをブーツカット状態にして履く時に良く着用しています。


◆桐下駄
◆二枚歯

日本お馴染みのつっかけ。

数年前に同級生が桐下駄を『ジャパニーズトラディショナルブーツ』と表現しており、それがシックリ来たので私の中ではブーツとしてカウントしています。

特に夏場大活躍ですね。
なんせったって汗をかいても吸収してくれて快適です。

下駄は完全な消耗品なので複数を履き回して一双の寿命を延ばしつつ、左右の概念は無いので適度に左右を入れ替えて歯を均一に消耗させる事を意識しつつ着用する、ちょっと面倒臭いけど慣れてしまえば気軽に履ける''ブーツ''です。

そして床の材質によって足の落し方、歩き方を変えなければ滑って転びますので、この辺はもう場数を踏んでください。


あとはトレッキングブーツ・タクティカルブーツ・コンバットブーツ、そして現場用の安全靴と言った類のブーツもHARDCORE PUNK / CRUST COREなスタイルにバッチリハマります。


このように、PUNKだからPUNKスタイルと謳われているブーツを履かなければならない。と、言われると実はそうでもないんですよね。

私の先輩方もそうでしたし、その礎を築いた各国の古いPUNKS達もそんなわざわざお金をかける事などせずに身の回りにあるPUNKっぽく見えるブーツを代用し、何となく雰囲気で着用していて、そのスタイルが現在その国や地域の土着的なアイテムや形式美に発展したのだと思います。

例えば、自分のルーツがゴスなのであればボロにNEW ROCKを合わせたって、地雷系が好きなら可愛い厚底靴を合わせたって構やしないのです。

これはブーツだけではなく全てにおいてですが、本当のD.I.Y.スタイルとは、『なんちゃって』から生まれるものではないかと考えています。

それが流行りになり文化になり伝統になって行くのではないでしょうか。

そして今回紹介したこれらのブーツをバイカーやHARDCORE PUNK以外が純粋にファッションアイテムとして取り入れたって全然良いのです。

サイバーなファッションに突っ込んだって近未来的で格好良いですし、レギュラーヴィンテージのファッションに突っ込んだらシブく纏まるのではないでしょうか。

毎度の言葉ではありますが、発祥元の文化や形式美を敬う事はとても大事です。だからこそ、オリジナルの文化をしっかりとリスペクトしている事が大前提ではありますが、それをヒントに自分なりの新しいスタイルを切り開いて発展させても良いと個人的には考えております。

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