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ロマンチックかギャグか、その境界をかっこよさでねじ伏せた――Netflix『10DANCE』を観た腐女子の寝不足レビュー


まず最初に言わせてください。私は、腐女子です。
BL(ボーイズラブ)が大好きです。
井上佐藤先生の原作漫画『10DANCE』も、かなり前から愛読しています。
だからこそ、今回のNetflixでの実写映画化は、楽しみであると同時に「恐ろしさ」もありました。
というのも、BLの実写化というのは成功率がそう高くはないのです。
理由はシンプルで「紙の上の男」の方がリアルより圧倒的にかっこいいから。
漫画の男たちは、骨格も、身長も、顔の造形も、すべてが読者の「理想値」で設計されています。それを生身の人間が超えるのは、至難の業。
ましてやラブシーンともなれば、実写特有の生々しさに「見ていられない……」と目を逸らしてしまうことも珍しくありません。
正直、最初はかなり身構えて再生ボタンを押しました。

しかし、Netflixは本気でした。

杉木信也役、町田啓太という「大正解」

まず、杉木信也役の町田啓太。
これはもう、完全にベストキャスティングです。
オールバックの似合い方、彫刻のような横顔、冷たい微笑み。すべてが完璧。
BLにおいて「顔がいい」のは前提条件ですが、それ以上に重要なのが「フレーム(輪郭)」です。
立った時のシルエット、肩幅の広さ、凛とした姿勢。
町田啓太は、その身体そのものが「理想の男」として完成されていました。
紳士で知的、なのにどこか冷徹なあの空気が、三次元で歩いている。その衝撃だけで、私のガードは粉々に砕かれました。

竹内涼真という「野生のラティーノ」

一方、鈴木信也役の竹内涼真。
正直、最初は「どうかな?」と思っていました。
でも、観ているうちに「あ、これは彼しかいないわ」
竹内くんの魅力は、あの無邪気な表情と、人懐っこい明るさ。なのに、全身から溢れ出すような色気がある。今回完全に「競技ダンスの体」を作ってきている。やたらと脱いで見せつけてくるその肉体美は、もはやサービス精神の塊です。

そして、腐女子として見逃せなかったのが「4センチの絶妙な体格差」

町田啓太(183cm)と竹内涼真(187cm)。
二人とも圧倒的な高身長なのに、竹内くんの方がさらに4センチ高い。この微妙な差が並んだ時に生む「パワーバランス」の美しさに、私はNetflixのキャスティング担当者とガッチリ握手したくなりました!

無人電車のキス、あれは「狂気」か「美」か


この映画で一番の問題シーン。
クリスマスの東京でなぜか無人の電車、しかも青い雪の飾りがたくさんぶら下がってます。、。かなり強引なBLファンタジーです。
こういうシーンは、一歩間違えれば「ギャグ」になります。ロマンチックが過剰すぎると、観客は冷めて笑ってしまうもの。
でも、この映画はそのギリギリのラインを攻めてきました。

このシーンの前に町田が暗い過去を話します。「こんな話聞かなきゃ良かった」と距離を置こうとする竹内に、マフラーを振り落として全力疾走で追いかける町田。
駅まで追ってきて、電車内にいる竹内に壁ドンし、「嫌ならやめます」と告げる。
そこからのキス。でも、先にキスしたのは、竹内の方でした。

それがほぼ頭突きみたいなキスなんですよ。
ゴツッ
男らしくて、勢いがある!笑
恋愛慣れしてるラティーノがしそうなオシャレでエロいキスじゃない、完全に我を忘れてるキス。
あれ、テクニックとかじゃないんですよ。
感情が先に出ちゃってて、そこがもう、めちゃくちゃ特別感がありました。

思わず描いてしまったキスシーン。
手の置き所がたまらない…



そのまま二人は攻守交代しながら、キスして、くるくると回り出す。
途中からはダンスのホールドになり「キスしながら踊っている」状態に。

ロマンチックとギャグの、ほんとギリギリ。
ちょっとギャグに傾いてる?
でもね笑えないんですよ。

なんでかっていうと
二人がかっこよすぎるから!!!
かっこよさでツッコミを押さえつけてくる。
こういうシーンって普通は観てる方も照れるんです。早送りしたくなっちゃう。
しかしかっこよすぎる男たちが本気でやれば、フィクションは現実をねじ伏せるのだ!

結果、私は完全に飲み込まれました。
はー疲れた。



攻め受け問題、そして「性別を超えたリスペクト」

この作品、最後まで「攻め」と「受け」が確定しません。
私、基本は「年下攻め」が好きなんです。大人っぽくて堅物な男が、陽気な年下男に流されるのがたまらない。
だから「竹内攻め」はあり!

でも、あの紳士な町田啓太が、性的強者感溢れるラティーノ(竹内)を屈服させる展開も捨てがたい。
しかも身長は町田の方が少し低い。これもまた、良い。
結局、私の結論は「どっちも見たい、でもどっちにも決めないでほしい」でした。
この葛藤こそが『10DANCE』を何度も見返してしまう理由なんです。
むしろ、私はこの二人にはセックスをしてほしくない。
性交渉なんてなくても成立する、究極の関係でいてほしい。
同じフロアに立ち、同じ目標を持ち、世界で誰よりもお互いをリスペクトしている。
それだけで、この関係はこれ以上ないほど「尊い」のですから。
ま、でも2人とも大人なので、やってもやらなくてもどっちでも良い。そこは大した問題じゃないか。
…ってBLで思わせる作品てほんと稀有なんです!

最後に、Netflix様へのお願い

クライマックスの町田啓太のゲストダンス。
町田は竹内に「僕と踊ってくれませんか?」
おいおい、本来のパートナーは?という野暮な疑問を吹き飛ばすほど、二人は楽しそうに踊っていました。
技術の巧拙なんてどうでもいい。対等で、熱く、何より楽しそう。
そしてラスト、公衆の面前での長いキスのあと、町田がさらりと言います。
「では、10ダンスの決勝で会いましょう」
そのあとの、軽い「ちゅっ」という別れのキス。

…この軽やかさ…このかっこよさ!
今、私には、熱くてカッコいい男たちが魂をぶつけ合う物語が必要だったのだと痛感しました!

Netflix様。
どうか、『10DANCE』の続編を作ってください。
私はすでに3回観ました。今夜、4回目を観ます。
完全に寝不足ですが、悔いはありません。
町田啓太と竹内涼真が、あのフロアで踊り続けてくれるなら、私はいくらでも夜を明かす準備ができています。

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