モネ展と、スヌーピーと、一枚のしおり
三月の東京で、娘が楽しみにしていたモネ展へ行った。
東京行きが決まると、娘は行きたい場所をスマホにメモしている。その中のひとつが、このモネ展だった。
当初チケットは娘の分しか取れていなかったので、私は次男と東京駅周辺をぶらぶらして待つ予定だった。
ところがランチ中、娘が突然声を上げた。
「お母さん!チケット取れるかも!」
どうやら空き枠が出たらしい。
そこからは入力や支払いを猛スピードで済ませ、なんと私と次男も一緒に鑑賞できることになった。
私のモネの知識は「日傘をさす女」程度。それでも楽しみだった理由がある。
スヌーピーとのコラボグッズがあったのだ。
これは見たい。

そんな少し邪な気持ちで向かったのだが、モネ展は本当に素晴らしかった。
会場にはたくさんの人がいて、一枚一枚の絵の前で足を止めていた。中にはスケッチをしている人までいる。
そんな空間の中で、私もモネの絵に静かに見入っていた。
何より、娘がとても嬉しそうだった。
東京で観光だけではなく、こうして文化に触れる時間を持てたことが、とても贅沢に感じられた。
そして、お待ちかねのグッズ売り場。
もちろんスヌーピーの巾着袋は購入した。
さらに娘が、
「どれがいい?」
と聞いてくれた。
私が選んだのは、モネの庭のアイリスが一面に咲いた透明なしおり。

すると娘が買ってくれた。
「お母さん、本読むもんね」
その一言が、何よりうれしかった。
モネ展の思い出と一緒に、娘のやさしさまで持ち帰った気がする。
私たち家族にとって、とても良い経験になった三月のモネ展。
小説を読む私の文庫本に、美しすぎるしおりがいつも光るようになった。
