フジロック'26出演決定!ネバヤン入門は『A GOOD TIME』から

FUJI ROCK FESTIVAL '26への出演が決定した never young beach。今年の苗場では、Massive Attack、Mogwai、American Footballと並ぶ最終日(7月26日)のラインナップとして名を連ねています。
「ネバヤンが気になっているけれど、どこから聴けばいいかわからない」という人に、まず手に取ってほしい一枚が『A GOOD TIME』(2017年)です。メジャーデビュー作にして、バンドの代名詞となったこの作品を、フジロック前にじっくり聴き込んでおく。それだけで、苗場での体験がまるで変わってくるはずです。この記事では、店頭目線でアルバムの魅力をすみずみまで紹介します。
① CD通常盤

② 初回限定盤(CD+DVD)

③ LP盤(アナログ重量盤)

なぜ今、『A GOOD TIME』を紹介するのか?

2025年12月、never young beach はキャリア初の日本武道館ワンマンライブを成功させました。 バンド結成からおよそ10年、インディーシーンからコツコツと積み上げてきた信頼が、日本最高峰の聖地で一夜限りの確かな形になった瞬間でした。
その武道館のアンコールで披露されたのが、およそ3年ぶりの新曲「だよ」(2026年2月25日リリース)です。「これまでのネバヤンが育んできた魅力を抱え込みながら、時代を超えて受け継がれるロックの美学」と評されるこの一曲は、バンドが新たなフェーズへと踏み出した宣言のように響きます。
そして2026年7月26日(日)、苗場への帰還。フジロックは、バンドにとってキャリアを通じてなじみ深いステージです。武道館という頂点を経験し、新曲を世に出したタイミングでのフジロック出演。このセットリストがどんな景色を描くか、今から楽しみでなりません。
こうした2026年の文脈を踏まえると、入門盤として『A GOOD TIME』を選ぶ理由はとても明確です。 このアルバムは、ネバヤンが全国区の支持を一気に獲得したメジャーデビュー作。バンドの音楽的な核が最もシンプルに、そして美しく詰まった一枚です。フジロックで初めてネバヤンを体感する人にとっては、最良の予習盤になります。
また、「何か聴きたいけれど、疲れた耳に重い音はしんどい」という悩みに、このアルバムはそっと応えてくれます。日本語詞が自然に入ってくるので、洋楽中心のリスナーにも邦楽派にも入口が広い。ジャンルを問わず勧めやすい、珍しい作品です。
音楽スタイル

音楽ジャンル:
インディー・ポップ、サイケデリック・ロック、トロピカルな日本語ロック
音楽的特徴:
・3本のギターが織りなすトロピカルなアンサンブル
・細野晴臣(はっぴいえんど)直系の、土着的な日本語の響き
・レトロで温かみのあるアナログ的サウンド
・ゆったりしたリズムの中に宿る絶妙なグルーヴ
類似アーティスト:
・Yogee New Waves:同じく東京発のインディーバンド。浮遊感あるギターポップという共通点があり、ネバヤンとともに2010年代日本インディーシーンを牽引した存在。
・細野晴臣(はっぴいえんど期〜HOSONO HOUSE):土着的な日本語と西海岸の風を融合させた先駆者。ネバヤンが現代に引き継いだ直系の系譜として語られる。
・Devendra Banhart:ネバヤンが最もリスペクトするアーティストのひとりとして公言するUSフォーク/サイケ・アーティスト。『A GOOD TIME』リリースツアーの追加公演にゲスト出演するほど深い縁がある。
おすすめポイント3選

①聴いたことがないのに、なぜか懐かしい 湿度を伴いながらも風が抜けるような音像で、部屋でもドライブ中でも心地いい。「初めて聴いたのに昔から知っていた気がする」という感覚を呼び起こしてくれる、稀有な作品です。
②気取らない名盤感 大げさに押しつけず、じわじわ良さが残るタイプ。最初は「穏やかだな」と感じても、1週間後には手放せなくなっている。そういう、長く付き合える作品の強さがあります。
③フジロック最終日の予習盤として最適 Mogwai、American Footballと並ぶ最終日出演。ポストロック・エモの重鎮と肩を並べながら、ネバヤンはまったく違う温度感で苗場を包みます。このアルバムを聴いておけば、その対比がさらに豊かに感じられるはずです。
作品基本情報
・作品名:A GOOD TIME
・アーティスト名:never young beach
・発売年月日:2017年7月19日
・レーベル:SPEEDSTAR RECORDS(Victor Entertainment)
・総再生時間:約33分46秒
・収録曲数:9曲
作品紹介

『A GOOD TIME』は、never young beach がメジャーデビューを飾った3枚目のアルバムです。バンドを一気に全国区へと押し上げた、記念碑的な作品と言えます。
この作品の核心は、強いメッセージや技巧で圧倒するのではなく、空気の温度や街の気配をそのまま閉じ込めたような自然体の音楽性にあります。聴いていて「すごい」と叫ばせるのではなく、「ああ、こういう時間がほしかった」とつぶやかせる。そのさりげなさが、このアルバムの最大の魅力です。
never young beach は、2014年に東京で結成されたバンドです。結成当初から西海岸や南国を感じさせる独自のサイケデリック・サウンドに定評があり、インディーシーンで瞬く間に支持を広げました。1stアルバム『YASHINOKI HOUSE』(2015年)、2ndアルバム『fam fam』(2016年)はともにCDショップ大賞にノミネートされるなど、批評的にも高く評価されていました。
メジャーデビュー作となった本作では、その持ち味がより洗練されています。 3本のギターが織りなすアンサンブルの妙がはっきりと感じられ、いわゆる「おしゃれ」で片づけるには惜しい、生活に根づく音楽になりました。はっぴいえんどや細野晴臣の系譜を現代にアップデートした存在として、各方面から注目を集めたのも当然の流れです。
アルバムはロックの骨格を持ちながら、フォークやカントリーの親しみやすさも強く、聴き手を選びません。ギターの響きは軽やかで、リズムはゆったりしていながら退屈しない。BGMとして流しても邪魔をせず、集中して聴くと細部の良さが見えてくる、二重の楽しみがあります。
本作のリリースツアーは全11都市12公演すべてが完売。東京の追加公演では、ネバヤンが最もリスペクトするアーティストのひとりである Devendra Banhart をゲストに迎えるという特別な一夜が実現しました。インディー出身バンドのメジャーデビュー作としては異例のエピソードです。
発売当時の反応として特に評価されたのは、「資生堂CMタイアップ曲SURLEYの親しみやすさ」と「アルバム全体を貫く空気感の一貫性」でした。演奏の技術を誇示しない自然体の良さ、夏を感じる音像、聴くほどに馴染むメロディ。これらが複合的に絡み合い、「1曲単体よりもアルバム全体で好きになる」という独特の聴後感を生んでいます。
2026年の視点で見ると、こうした作品の価値はより際立ちます。情報量の多い時代には刺激の強い曲はすぐに消費されがちですが、『A GOOD TIME』は生活の中で繰り返し再生されることで魅力が増すタイプ。流行の速さに左右されにくい強さを持っています。
アートワークには写真家・奥山由之が起用されており、ジャケット写真の質感もアルバムの世界観と一体です。音だけでなく、視覚面でも「持つ喜び」を感じさせる仕上がりになっています。LP盤を手に取ったとき、その感覚はさらに強くなります。
強烈な起伏やエレクトロニカ的な刺激を求める人には、少し穏やかすぎると映ることもあるかもしれません。ですがそれは欠点というより、作品の性格そのものです。このアルバムは、攻めるためではなく、寄り添うために作られています。 疲れた日に、ふと手に取りたくなる。そういう一枚として、長く棚に置いておいてほしいです。
エディション比較

初心者おすすめ順位: まず試したい → ① 通常CD盤 長く所有したい → ③ LP盤 映像も楽しみたい → ② 初回限定盤
① 通常CD盤
もっとも入手しやすいスタンダードな形態です。紙ジャケット仕様で、歌詞カードが付属しています。日本語詞を読みながら聴くと、安部勇磨の言葉の選び方の丁寧さがより伝わってきます。まずこのアルバムを知りたい人、フジロック前に手軽に入門したい人に最もおすすめです。
価格帯:¥1,500〜¥2,500程度(中古含む) CD通常盤:

② 初回限定盤(CD+DVD)
通常盤に加えてDVDが付属する初回限定形態です。ライブ映像やミュージックビデオが収録されており、音だけでなくバンドのビジュアル面も楽しめます。現在は中古市場での入手が中心となります。バンドをより深く知りたい人や、コレクターにおすすめです。
価格帯:¥2,000〜¥4,000程度(中古市場) CD初回限定盤:

③ LP盤(アナログ重量盤)
完全生産限定でリリースされたアナログ重量盤です。針を落とす行為そのものが、このアルバムの空気感と強く結びつきます。 ジャケットの存在感、A面からB面へと切り替わる区切り、アナログならではの温かみのある音像。これらすべてが作品体験の一部になります。「長く所有する一枚」として選ぶなら、迷わずLPをおすすめします。
価格帯:¥6,000〜¥12,000程度(新品・中古によって幅があります) LP盤:

おすすめトラック3選

1. 夏のドキドキ(3:39)
アルバムの幕開けを飾る、疾走感と切なさが同居した楽曲です。イントロのギターフレーズが鳴った瞬間に、夏の終わりのような夕暮れの景色が広がります。「夏」という言葉が持つ特有の昂揚感と哀愁を3分39秒に凝縮した、バンドの代名詞的な一曲です。フジロックの苗場でこの曲が流れたとき、会場がどんな空気になるか、今から想像が膨らみます。
2. SURELY(4:18)
資生堂のCMタイアップにもなった、メジャーデビュー後の代表曲です。軽快なカッティングギターと親しみやすいメロディが心地よく、日常の何気ない時間を特別なものに変えてくれます。「安心感」と「高揚感」が同居する、まさにこのアルバムの顔といえるナンバーです。初めてこのバンドを聴く人に、最初に届けたい一曲でもあります。
3. 海辺の町へ(3:29)
アルバムを締めくくるラストトラックです。穏やかなギターとやさしいボーカルが、どこか遠い場所への旅支度を思わせます。8曲を聴き終えた後にこの曲が流れてくる瞬間、アルバム全体を通して積み重なってきた「夏の余白」がひとつの場所に着地する感覚があります。フジロックの最終日、苗場の夜空の下で聴けたなら最高です。
全収録曲リスト
夏のドキドキ
なんかさ
気持ちいい風が吹いたんです
SUNDAYS BEST
白い光
散歩日和に布団がぱたぱたと (Band ver.)
CITY LIGHTS
SURELY
海辺の町へ
アーティスト概要

アーティストの成り立ち
never young beach は、2014年春に東京で結成された日本のインディー・ロックバンドです。その名の通り、どこか遠い海辺を想起させる音楽性を持ち、都会の日常の中に南国や西海岸の空気を紛れ込ませるような独自のサウンドで、瞬く間に注目を集めました。
結成の中心となったのは、安部勇磨(Vo/Gt)を核とした東京のインディーシーンです。2014年夏から秋にかけて、ベースの巽啓伍、ドラムの鈴木健人、ギターの阿南智史が加わり、バンドとしての基盤が固まりました。その後、松島皓(Gt)も加入し、3本ギター編成という独特のアンサンブルが生まれます。
2015年5月、1stアルバム『YASHINOKI HOUSE』をリリース。インディーレーベルからの発表にもかかわらず、CDショップ大賞へのノミネートや各メディアの年間ベスト入りを果たし、「西海岸のはっぴいえんど」という評価とともに広く知られるようになりました。当時の音楽メディアは、はっぴいえんどや細野晴臣の日本語ロックの系譜を現代に引き継いだバンドとして積極的に取り上げました。
2016年6月には2ndアルバム『fam fam』をリリース。前作のサウンドをさらに深めながら、楽曲のバリエーションも広がり、ロングセールスを記録します。FUJI ROCK FESTIVAL、RISING SUN ROCK FES、ROCK IN JAPAN、GREENROOM FESといった国内の主要フェスへの出演を重ね、インディー出身バンドとしては異例のスピードで全国規模の認知を獲得しました。
2017年7月、SPEEDSTAR RECORDSからメジャーデビュー作『A GOOD TIME』をリリース。リリースツアーは全11都市12公演が完売となり、追加の東京公演には Devendra Banhart をゲストに迎えるなど、バンドの充実ぶりを強く印象づけました。
その後も着実にキャリアを積み上げ、2025年12月には念願のキャリア初・日本武道館ワンマンライブを完売で成功させます。 バンド結成からおよそ10年、地に足のついた活動が積み重なった結果として掴んだ、大きな節目でした。2026年2月には武道館アンコールで披露した「だよ」をリリース。およそ3年ぶりの新曲として、次のフェーズへ向けた動き出しを感じさせます。
アーティストの特徴

never young beach の音楽的特徴は、**「都会的なセンスと素朴な温度感の両立」**に集約されます。洗練されているのに冷たくない。このバランスが、幅広い層に受け入れられる最大の理由です。
3本のギターが生み出すアンサンブルは、このバンドの核です。各ギタリストが異なるフレーズを重ねることで生まれる立体的な音像は、単純なコード弾きでは到達できない豊かな音の広がりを持っています。それでいて、演奏の上手さを誇示しない「いなし」や「タメ」がある。聴き手は音の隙間に自分の記憶や感情を重ねやすくなります。
安部勇磨の歌声は、力みがなく、日常語のままに届く声質を持っています。平易な言葉を使っているというだけでなく、選ぶ言葉の質感、語りかけるような距離感、日本語の響きへの細やかな配慮が合わさって、独特の親しみやすさが生まれています。
音楽的な影響源として、バンドが公言しているのは細野晴臣(はっぴいえんど)、Devendra Banhart、The Beach Boysなどです。これらのアーティストに共通するのは、民謡的な土着性と西海岸的な開放感の共存です。never young beach はそれを、現代の東京を舞台にした日本語で再解釈しています。
音楽シーンへの影響力
never young beach が日本のインディー・シーンに与えた影響は、音楽的な面だけにとどまりません。彼らの登場は、「日本語ロックのアップデート」という議論を再び活性化させました。はっぴいえんどや細野晴臣が1970年代に切り拓いた道を、現代の若者が自然体で歩き直すという姿勢は、多くの後続バンドに影響を与えています。
Yogee New Waves、Homecomings、ceroといった同世代・後輩世代のバンドとともに形成された2010年代の東京インディー・シーンにおいて、never young beach は「日本語の響きを大切にしながら、洋楽の文脈も取り込む」というスタンスの旗手のひとりでした。
また、彼らの存在は、音楽業界における「インディーからメジャーへの移行の形」についても新たな可能性を示しました。地道にライブを重ね、フェスへの出演を積み上げながら支持を広げていく手法は、SNSによる拡散戦略とは異なる、地に足のついたバンド像を体現するものでした。配信全盛の時代にアナログ盤を出し続ける姿勢、ライブとフィジカルを大切にするスタンスは、「音楽を物として持つ喜び」を改めて問い直す文化的な意味も持っています。
主要メンバー(本アルバム発売当時)
・Yuma Abe (Vo/Gt)
・Satoshi Anan (Gt)
・Kou Matsushima (Gt)
・Keigo Tatsumi (Ba)
・Kento Suzuki (Dr)
※松島皓は2018年7月に脱退。阿南智史は2021年11月に脱退。現在のメンバー構成はバンド公式サイトでご確認ください。
スタジオアルバム一覧
(EP・シングル・サントラ・リミックス盤は除外)
2015年:YASHINOKI HOUSE
2016年:fam fam
2017年:A GOOD TIME
2019年:STORY
2023年:ありがとう
個人的感想

店頭でお客様にアルバムをおすすめするとき、私が大事にしているのは「この一枚が、その人の生活のどこに置かれるか」です。
never young beach『A GOOD TIME』は、書棚に飾る作品ではなく、生活の定位置に置かれる一枚だと思っています。朝、コーヒーを淹れながらかける。夕暮れ時、部屋の窓を開けて流す。休日の昼前、特に何もせずにぼんやりしながら聴く。そういう場面で、このアルバムは最も輝きます。
「派手な一撃」がない分、最初の印象は「穏やかだな」で終わることもあります。でも、数日後にまたかけてしまう。1週間後には手放せなくなっている。私がこのアルバムを「名盤」と呼ぶのは、そういう理由です。
今年のフジロック最終日、苗場では Massive Attack、Mogwai、American Football というポストロックの重鎮たちと、ネバヤンが同じ空を共有します。スタイルは違っても、長く愛される音楽には共通する「余白」がある。そのことを、苗場という場所が改めて教えてくれるはずです。
フジロック前に、このアルバムを1枚持っておくこと。できればLPで、棚に並べておくこと。 そうすることで、苗場での体験がまた違った色を帯びてくるはずです。長く聴かれるアルバムには「刺激」より「余白」があります。『A GOOD TIME』はまさにそのタイプ。ぜひ、あなたの生活のそばに置いてみてください。
2026年ライブ情報
FUJI ROCK FESTIVAL '26
開催日:2026年7月24日(金)・25日(土)・26日(日) 会場:新潟・湯沢町 苗場スキー場 never young beach 出演日:7月26日(日) 公式サイト:https://fujirockfestival.com/
同日出演(第1弾発表分より):Massive Attack、Mogwai、American Football、Mitski、平沢進+会人、Tempalay、浅井健一、Friko、GoGo Penguin、Japanese Breakfast ほか
never young beach Spring Tour 2026
2026.4.10(金) Zepp Osaka Bayside(大阪) 2026.4.16(木) Zepp Nagoya(愛知) 2026.4.19(日) Zepp Fukuoka(福岡) 2026.4.30(木) Zepp Haneda(東京)※予定枚数終了
チケット:https://l-tike.com/neveryoungbeach/
スタンディング ¥6,500 / 2F指定席 ¥7,500 / Under22 ¥5,500
作品が気になる方はコチラ
① 通常CD盤

② 初回限定盤(CD+DVD)

③ LP盤(アナログ重量盤)

初心者おすすめ順位: まず試したい → ① 通常CD盤 長く所有したい → ③ LP盤 映像も楽しみたい → ② 初回限定盤
