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【人間の唄】ねばねばの呪縛、および、異文化の風

(600文字くらいです)

必要。
ねば。
ねば。

絡め取ってくる。
それしかないと思ってしまう。
視野が狭まり、一本道しか見えなくなる。

そんなときに。
ふと、"異文化の風"が吹くときがある。
そこでは当たり前のように、違う道を歩いている人の姿がある。

それは衝撃である。
そんな道も、そんな世界もあったのか!
知らず知らずのうちに塞がっていて見えなかった可能世界が、顔を覗かせる。
そんなふうにもできたのか!
頭を殴られたように、目が開かれる。

必要のねばねばに絡め取られていたときが、
嘘のよう。
世界はもっと、豊かに自由に広がっていたんだ。
生き生きと活気に満ちた生活を、取り戻す。

でも。ねばねばは、しつこいものだ。
何度頭を殴られたとしても、私たちの目は、ねばねばに絡め取られるようにできている。
風土と歴史をもった文化のなかに暮らす私たちは、同じ道を繰り返し歩くしかないからである。
そうして暮らしていると、またいつのまにか、目は狭まっていく。

でも。普段気づかないだけで、世界にはいつも、"異文化の風"が吹いている。
何度ねばねばしてきても、少し違う方を向いてみて、また頭を殴ってもらえばいい。

狭まって、広がって、また狭まって、広がって……

これはどこまで行っても終わりがない。
終わりがないけど、何回だって生命は充実する。

それで、いいじゃないですか。
みんなで生きよう。
私たちだけが、全てじゃないのだ。

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