話す前に見る。新人営業が最初に捨てるべき「一つの思い込み」
営業に配属されたばかりの頃、私は「うまく話せる人が売れる」と思っていました。
商品説明を覚える。
質問への答えを準備する。
先輩の切り返しをノートに書く。
知識が増えるほど、自信もつくはずでした。
ところが、覚えたことを伝えようとするほど、お客様の表情が見えなくなることがあります。
ある日、来店されたお客様が展示車の価格表をじっと見ていました。
私は「価格を気にされている」と決めつけ、支払いの説明を始めました。
しばらく聞いてくださったあと、お客様は言いました。
「すみません。後ろにチャイルドシートが二つ載るかを見たかったんです」
見ていたのは価格表でした。
でも、本当に考えていたのは家族の使い方でした。
営業側の思い込みで、お客様が話したかったことから離れていたのです。
新人営業が最初に捨てたい思い込み
捨てたいのは、「営業は、話した量で価値が決まる」という思い込みです。
営業経験が浅いと、沈黙が怖くなります。
何か話さなければ。
詳しいと思ってもらわなければ。
せっかく来店されたのだから、商品を勧めなければ。
そう考えるのは自然なことです。私にも同じ時期がありました。
ただ、急いで話し始めると、お客様が何を見て、何に迷い、どこで表情を変えたのかを見落とします。
話す前に見ることは、消極的な接客ではありません。
相手を決めつけず、その人に合う会話の入口を探すことです。
思い込みを放置すると、説明が上手でも届かない
「若いから予算は低いだろう」
「服装がラフだから、今日は決めないだろう」
「反応が薄いから、興味がないのだろう」
こうした判断に悪意はありません。忙しい現場で、効率よく動こうとした結果でもあります。
けれど、思い込みは小さな行動へ表れます。
質問が浅くなる。
提案する商品を早く絞る。
お客様の返事を待てなくなる。
「何かあれば声をかけてください」と離れてしまう。
お客様は、扱われ方の違いを感じています。
商品説明が間違っていなくても、「自分のことを見てもらえていない」と感じれば、その言葉は届きません。
営業が届ける感動は、大げさな演出ではない
私は、営業は感動をお届けする仕事だと考えています。
感動といっても、驚かせることではありません。
「そこを気にしていたことに気づいてくれた」
「うまく言えなかった不安を整理してくれた」
「売ることより、こちらの判断を考えてくれた」
そんな小さな安心の積み重ねです。
目の前の人を雑に判断せず、言葉になる前の迷いまで理解しようとする。その姿勢は、お客様との信頼をつくるだけでなく、営業自身の人を見る力も磨いてくれます。
このnoteで扱うこと
有料部分では、初回接客の「最初の3分」に範囲を絞ります。
最初に見る4つのポイント
会話を始める最初の質問
答えをもう一段深く聞く方法
「今日は見るだけです」へのNG・OK会話
思い込みを減らす8項目の振り返り
新人を育てるマネージャーの確認ポイント
商談終盤の「検討します」や値引き交渉は、ここでは詳しく扱いません。
このnoteは、説明を始める前に相手を見て、自然な質問から会話をつくるための入口です。
読んだあとの現場
来店された方を見て、すぐに「買う人・買わない人」と分けなくなる。
覚えた説明を急いで始めず、お客様が話しやすい一つの質問を置ける。
反応が薄いときも、自分を否定されたと受け取らず、何を見落としているか振り返れる。
目指すのは、話のうまさで押す営業ではありません。
「この人なら、まだ整理できていないことも話してよさそうだ」と感じていただける営業です。
このnoteが向いている方
新人・若手営業で、接客の最初に何をすればよいか迷う方
沈黙が怖く、商品説明が長くなってしまう方
お客様の反応が薄いと、早く商談を終えてしまう方
新人へ「もっと積極的に」としか伝えられず悩むマネージャー
押し売りではなく、相手を理解する営業を身につけたい方
このnoteが向いていない方
商談終盤のクロージングや、値引き前の本音確認だけを学びたい方には、別の記事のほうが合います。
また、お客様を分類して効率よく即決させる方法を求める方には向いていません。
有料部分へ進む前に
ここまでで、営業の入口は「何を話すか」ではなく、「思い込みを置いて、何を見るか」だとお伝えしました。
ここからは、視線、同行者、話す速さ、表情の変化をどう見て、どんな一言へつなげるかを会話例で具体的に扱います。
次のお客様に、商品説明から入らず、背景を一つ聞けるようになることが目標です。
接客の最初の3分で、あなたは何を見ていますか。
一度でも答えに迷った方は、ここから先を読んでみてください。
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