子どもが描く、まだ誰も知らない物語
夜、部屋の明かりを落とす。
ベッドの脇にある読書灯に明かりを点すと、布団から顔を出した子どもが半分眠そうで、半分ワクワクした顔になった。
絵本を開くと、ページの向こうに、
私と子どものふたりだけの世界が広がっていく。
この時間が、
一日の子育てのなかでいちばん好きだ。
「ママ、このいもむしさんは、
おいしいよって はっぱさんに
おれいをいってるんだよ」
そうね、子どもは「読む人」であるし
「創る人」でもある。
突拍子もないお話。
画用紙いっぱいに広がるカラフルな線。
それはきっと、
子どもが心で見た世界のかけらだ。
まだ言葉よりも、気持ちを形にしようとする力。
大人には思いつかないたくさんの不思議や、まっすぐな感情。
「すごいなあ」
と思う。
子どもが描いたそのひとつひとつを、
絵本というかたちにしてみよう。
それは、誰かに見せるためではなく、
ただ「この子が今見ている世界」を残すために——。
描いた絵や話が絵本になると、
子どもにとって、
『自分の世界』
を手に入れた喜びと、
創ることに自信をもてるようになる。
『絵本の銀河ステーション』は、そんな発想から始まったプロジェクトだ。
子どもの絵やことば、何か生み出したものを、親子で編集して世界に一冊だけの絵本に仕立てていく。そんなこどもと親の居場所でもある。
—— ここだけの話、元々は編集のプロのあゆさんが、子どもの作品を残したいという想いから生まれたプロジェクト。
僕も「親子ウェルカムステーション」という不登校の子どもを持つ親御さんをサポートする活動をしていて、あゆさんの想いと化学反応が起こった感じで。
「絵本」にすると、
ただスマホに残すよりも、
ずっとずっと確かな「リアル」が未来に残る。
子どもが描く、まだ誰も知らない物語。
そのかけらを、そっと手のひらで受けとめてみる。
そんな夏があっても、いいかもしれない。

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