【Editing AIモデル】Kritaで画像編集AIを使いこなす基本【ローカルAI】
【追記:2025年11月4日】画像を追加する時の仕様変更(レイヤー名の指定)
はじめに
オープンソースの無料のペイントソフトウェアKritaと、画像生成AI機能を追加するプラグインKrita-ai-diffusionを利用すると、Stable Diffusion(1.5・SDXL)、FLUX.1、Qwen-Imageを利用する事ができます。
※ Qwen-Imageは2025年10月現在、Krita-ai-diffusionにおいて、まだ実験対応です
そして最新の画像編集AIモデル「FLUX.1 Kontext」と「Qwen-Image-Edit」が利用可能なので、ChatGPTの画像生成やGoogle Nano-bananaと似た方法で、文字プロンプトと画像を入力とした画像編集が可能になります。
従来のAI処理手法では、LoRAやControlNetといった特定の処理に特化したモデルの利用が一般的でしたが、編集AIモデルを利用すると、それら従来の手法よりも多くのケースで、より綺麗に簡単に実現できます。LLMでも顕著ですが、汎用AIが特化型AIを駆逐していく最近の傾向の一つだと思います。
たとえば、写真内のゴチャゴチャした全ての電線を削除したい場合は、手でチマチマ削除対象を選択すると大変ですが、編集AIの文字プロンプト指示を利用すると、本領を発揮します。(FLUX.1 Kontext)

Remove all electrical wires from the scene, ensuring that the original composition, camera angle, and positioning of all other elements remain unchanged.

服を変更したい場合は、(Qwen-Image-Edit 2509)

Change the clothing to a business suit, maintaining the original pose, scale, and camera angle. Keep the person's facial features, hair, and identity exactly the same. Ensure the suit is tailored, dark gray or navy blue, with a matching tie and a structured jacket design. Do not alter the background or lighting

さらにQwen-Image-Editは、日本語も(英語に翻訳するのではなく)ネイティブで利用可能です。ただし、中国語や英語の方が反応・追従性が良いです。
オブジェクトを追加したい場合は、マーク(赤円等)を適当に描画して、

赤色の円マーク部を小鳥にして。その他は一切変更しない。

この記事では、Krita-ai-diffusionを主に写真・写実系画像編集ツールとして利用する際の基本的なテクニックを紹介したいと思います。
※ すべてオープンソース・オープンウェイトで(無料で)利用する事ができますが、ローカルでAI処理を行うため、NVIDIA製GPU搭載のミドルレンジ以上のゲーミングPC相当のパソコンが必要になります。
※ 画像編集AIを利用する場合は、FLUX.1やQwen-Imageの最新AIを利用する事になるため、Stable Diffusion 1.5/XLよりも要求されるスペックが上がります。
※ 省メモリのnunchaku版が利用可能なので、VRAMは8GBでも実行可能ですが、より多くのシステムメモリが必要になります。
例:Geforce RTX VRAM 8GB以上、システムメモリ32GB以上(快適にするためには64GB以上)
※ 本記事作成に利用したハード環境は、Ryzen7 5700x 64GB + RTX 3060 (12GB)です←それほど高価なシステムではありません。AI用途で重要なのは演算速度よりもCPU・GPU共にメモリ量が重要です
※ Krita-ai-diffusion導入方法と画像生成AI利用の基本は下記事で紹介しています
※ Qwen-Imageは実験対応なので、必要なモデルを適切なフォルダへコピーする必要があります
画像編集AIモデルとは
ChatGPTやGoogle Geminiが分かり易い例ですが、単にAI画像を生成するのではなく、既存の画像をテキストプロンプトの指示で「編集」する事ができるAIモデルです。

チャット形式で利用した方が簡単な事もありますが、Krita、Photoshopの様な多機能画像処理ソフトウェアを利用すると、範囲を指定したり、レイヤー機能を利用したり、履歴を利用したり、従来の非AI編集とハイブリッド処理したりと、活用の幅がさらに広がります。
Qwen-Image-Editの設定
Krita-ai-diffusionは、他の一般的な画像生成AI実装よりも生成AIの技術的内容を隠しているため、非IT技術者にとって良い選択肢の一つだと思います。
しかしQwen-Imageは、まだKrita-ai-diffusionの正式対応ではないので、利用するには、少し追加の設定が必要になります。(通常版・高速化nunchaku版などのバリエーション理解も少しだけ必要になります)
現在Krita-ai-diffusionでは、次の2つの画像編集AIモデルが利用可能です。
FLUX.1-dev Kontext
Qwen-Image-Edit
FLUX.1 Kontextはデフォルトのインストーラを利用できるため簡単に導入できますが、Qwen-Image-Editは、まだ実験対応なので、自分でモデルを探してダウンロード&適切なフォルダへコピー・設定する必要があります。
さらに、現在Qwen-Image-Editには2つのバージョンがあります。
Qwen-Image-Edit
Qwen-Image-Edit-2509(2025年9月版)
2509版は上位バージョンだと考えて差し支えないと思いますが、内部のワークフローが異なるので、Kritaでも別システムとして扱われています。

FLUX.1 Kontextや旧Qwen-Editは、複数の画像を入力として利用する場合に、一枚の画像に結合してから利用します。つまり実質的な画像入力は1枚です。一方でQwen Edit Plus(2509)は、完全に独立した画像を最大3枚まで利用できます。
そして、さらに現実的な処理時間にするために、プリイン・スタイルのQwen-Image-Editでなく、4stepや8stepの高速化LoRAマージ版のモデルを利用します。
たとえば4step版ならば、プリイン設定(20step)よりも単純5倍高速になります。


※ 本体モデル以外にも用意すべきモデルがあるので、下記事を参照してください
✅ モデル:
svdq-int4_r32-qwen-image-edit-2509-lightningv2.0-4steps.safetensors
✅ ディフュージョン構成:
Qwen Edit Plus
※ RTX 50xxではfp4版を、それ以外はint4版のモデルを利用します

✅ サンプラー: Euler A
✅ サンプリング・ステップ数: 4(4step版なので)
✅ ガイダンスの強度: 1.0
合わせて(編集AIでない通常の画像生成モデル)Qwen-Imageの設定もしておくと便利です。

✅ モデル:
svdq-int4_r32-qwen-image-lightningv1.1-8steps.safetensors
8ステップ版や高rank版もあります
通常生成モデルと編集モデルを「対」として登録すると、通常モデルスタイルから編集を直接選択する事が可能になります。



※ 本記事では、画像編集AIとして、FLUX.1 Kontext、Qwen-Image-Editのnunchaku版を利用します。nunchakuとは、nunchaku-techが省メモリ化・最適化・高速化を行ったものです。特に省メモリ化(量子化+CPUオフロード最適化)は劇的で、従来は困難だった8GBのVRAMでFLUXやQwen-Imageを快適に利用できるようになります
編集AI活用例(基本)
FLUX.1 KontextとQwen-Image-Editは共に似た機能・性能ですが、それぞれに得手不得手があります。
規模が大きいこと、最近登場した事もあって、全体的な性能はQwen-Image-Editが明らかに高いですが、余計なAI解釈で想定通りの編集にならない時があります。使い分けの基本は、
✅ 複雑な編集はQwen-Image-Edit
✅ オリジナルを活かした(色の変更や削除など)編集はFLUX.1 Kontext
だと思います。
テキスト・ゴミ削除
Remove all watermarks and text
画面上のゴミやテキストを削除できます。消すべきもの、残すべきものを直感的に選択できるのも、高機能なペイントソフトウェアを利用する利点です。
Stable Diffusion等の従来のAIモデルでも可能でしたが、より複雑なものも扱えます。


二枚の写真の結合
異なる二枚の写真を単純に結合すると、境界部が目立ちます。

「境界部を目立たなくして」という意味のプロンプトを利用すれば、上手く生成する事も多いですが、より的確に指示するにために境界部をマーキングしてやります。

Remove the red border from both images, seamlessly merge the left and right photos into a single cohesive image

必ずしも左右の画像のスケール、粒度や色調が一致していないので、境界部のみの選択よりも全体を処理させた方が自然になります。
上手くいかない時は、境界部を広げてAIに自由度を与えるやり方もあります。


アウトペイント(外挿)
編集AIモデルでもアウトペイントが可能です。Kontextでも可能ですが、Qwen-Image-Editの方が綺麗になります
Generate the undrawn or black parts


スマホ・アプリ系フィルタ
スマホで人気のAIフィルタ効果系の多くはプロンプトで実現できます。汎用AIは特化AIを(包含し)駆逐し続けるでしょう。
※ 今でこそAI利用での情報流出の注意喚起が多いですが、サーバーで動作するフィルタ系のAIアプリはもっと昔からあります。多くの若者のデータが大陸系企業に集出し続けてきたのでしょうね。学習元データは公開されていないので、Qwen Imageにもそれらが利用されている可能性は高いでしょう…(と筆者は勝手に考えています)
そばかす追加
※ もちろんremoveすれば除去できます
add insanely a lot of freckles to the face.

ライトリーク効果
Add a strong light leak effect to the top-left corner of the image, creating a soft glow with faint streaks of white and pale blue light, maintaining the original composition, camera angle, and subject position exactly as in the source image.

セピア(古い写真)効果
Apply a sepia tone to the image, visible aging effects such as scratches and minor wear to the surface of the photo, maintaining the original composition, facial features, and camera angle.

雪を被る
Add snow covering the person, maintaining the original composition, pose, scale, and camera angle. Keep facial features, hair, and clothing exactly the same. Ensure the snow appears natural and evenly distributed over the person's body and clothing, with no distortion or alteration of identity.

雨で濡れる
Change the woman's clothing to be soaked by heavy rain, making sure to keep her face, hair, and original pose exactly the same.

獣化
Replace the human features with animal characteristics such as fur, claws, and a snout, while preserving facial features, expression, and identity.

アニメ化
Convert the person into an anime-style character, maintaining the original composition, pose, and facial features exactly the same.

アナログインスタントカメラ化
Convert the photo to resemble a dark vintage analog instant camera image, with blur focus, strong grain texture, and a strong faded color palette.
Apply a muted, slightly warm tone typical of 1970s instant film, including strong color shifts toward pastel dark red and pale pink, high contrast.
add analog instant camera white frame.
Ensure the image has a slight imperfection characteristic of analog instant film, such as minor color bleeding and soft edge blur.

若返り・加齢化
Change the age of the person in the photo to 6 years old


イメージ参照(2枚以上の入力画像を利用する)
顔スワップ
今までは専用モデルやControlNet等を利用するのが一般的でしたが、編集AIモデルがあれば事足ります。
キャラクターの一貫性が崩れてしまうAI画像・動画生成では、必須の機能です。
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