LLM用にRTX 3060(12GB)を2枚集めれば幸せになれるかもしれない話
はじめに
昨今のメモリやGPU高騰で、パソコン環境を手軽に新調できない状況が続いていますが、将来のアップグレードなどは考えずに、現状で最も安く、LLMが動作する実用的な環境を構築する方法は、旧GPUであるRTX 3060 12GBを2枚利用する事だと思います。
※ 筆者がしばらく利用しているマルチGPU環境のレビューです。筆者の環境はLinuxですが、Windowsでもほぼ同じ用途が可能です
画像生成AIでは、複数のGPUでメモリ合算するのは難しいのですが、LLM(大規模言語モデル)では、ollamaやlm-studioのほぼすべてのモデルで合算並列動作が可能で、安定して運用できます。
つまり、12GBのVRAMを搭載したGPUを二枚利用すれば、合算して24GBのメモリ空間になるので、最近の肥大化傾向のローカルLLM(20B〜30B規模)の多くをGPU動作させる事ができます。
※ 特に、RTX4090世代までのハイエンドは24GBが最大なので、モデル開発側もVRAM 24GBを意識していると思います。(家庭用パソコンを想定なら、24GB以下に抑える必要がある)
RTX 3060を二枚利用すると
✅ 消費電力が少ない
RTX 3060は相対的に省電力ではありません。しかし、他の12GB以上搭載のGPUは、1枚で350〜400Wが必要なハイエンドモデルしかないので、RTX3060を2枚利用しても最大340〜360W程度なのは利点です。LLM用途では真の並列演算ではないので、仕組み的に100%利用する事もありません。推論中は最大でも60%程度です。
※ 筆者環境ではCPUも軽量なので、750W電源で問題なく動作していますが、ハイエンドGPU一枚を想定した電源が推奨です
✅ LLM用途でのPCIeはボトルネックにならない
通常のATX規格マザーボードでは、物理的なPCIeの16xスロットを二枚利用できます。しかし実際には半分だったり、下位の規格で動作する事がほとんどです。筆者環境の3.0のx4以上であれば、ボトルネックになる事は経験していません。(※ しかし言い換えると、RTX 3060のGPU演算が遅いからボトルネックにならないだけで、ハイエンドGPU二枚ならば大きなボトルネックになると予想されます)
✅ ollamaやlm-studioでは画像生成AIと異なり(現状では)FP8推論モードがないので、40xxや50xxと比べて古いアーキテクチャであっても素の演算能力以外の差がない
✅ gpt-oss 20BやQwen3 30B A3Bモデルで128kコンテキストを利用できる
少し設定が必要ですが、VRAM 24GB内にすべて収まるため、60〜80 token/s・128kコンテキストをすべて埋め尽しても30 token/s程度で動作します
❌ ただし、グラフィックボード周辺を物理的に専有するので排熱に注意する必要があります。
gpt-oss 20Bを快適に利用できます。※ RTX 5060ti 16GBのVRAMだと微妙に128k運用が難しいです
# ollama ps
NAME ID SIZE PROCESSOR CONTEXT UNTIL
gpt-oss:latest 17052f91a42e 17 GB 100% GPU 131072 Stopping...


必要VRAMが大きく増加するVLMも快適に利用できます。

16kコンテキストサイズで86 token/s

32kコンテキストサイズだとVRAMから溢れるので 36 token/s
まとめ
プロ用途やお金が余っている場合(数十万円〜数百万円)は多くの選択肢がありますが、「自宅パソコン・ミドルゲーミングPC」の範疇でLLMを快適に利用するには、RTX 3060✕2枚が最もコスパが良いと思います。
さすがに中古や新古でないと入手困難だと思いますが、2枚で6〜7万弱程度なので、RTX 5060ti 16GBよりも安いです。
動画や画像生成用途ならVRAMを合算できないので、素直に最新世代で良いと思いますが、LLM用途であれば、(あと1年以上は価格高騰が続きそうなので)変則的に旧世代をあえて選ぶ選択肢もありだと思います。
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