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“せんせー頑張って”思わず画面越しにエールを送ってしまった朝

それは突然のことだった。

いろんな意味で離脱した朝ドラ『おむすび』から『あんぱん』への食べ物つなぎで,「どうせまたつまんないんだろ?」というバイアスと過去のヒット朝ドラへの期待から,今回はまだ離脱せずに見ている朝ドラ(中園ミホの脚本は分かり易くて面白い)。

その後の《朝ドラ受け》もなく『あさイチ』で,それはいきなり始まった。

『これってもしや…超能力⁉不思議体験の謎に迫る!』と題された特集は,唐突過ぎて,脳がついていけない。

だって,始まってすぐに,ココリコの田中さんが「朝食に今食べたいものを予想してください」という実験が始まり,番組の最後の数秒で,その仮説を検証するという無謀な企画。

それでもって,心理学の中でも超スタンダートで王道の《実験心理学のエリート》,認知心理学の大学教授(信大の先生)がわたしたちの“バイアス(思い込み)”を1ミリの迷いもなくバッサリ切る,切る,切る。

王道の科学には,虫の知らせも,デジャヴも予知夢もないのだ。

認知心理学においては《予知夢》は,事後情報効果なのだそうだ。

うん,これはわかる。記憶研究では,いとも簡単に《事実》だと思っていた出来事が脳の書き換えが勝手に起きてしまうことは,心理学徒ならば誰もが知っておくことで,だからこそ,トラウマと偽証の喧々諤々議論があるのだから。

だが,煮え切らないのは,他方で,もう1つの心理学,そう,お察しのように邪道(と言ってもいいかも)とされがちな《超心理学》の教授が出てきて(明治大の先生),ある実験の結果を解説した。

たまらずに司会者が「超心理学の立場は心理界隈ではどうでしょうか…」と明大の先生に聞いたら,先生は静かに笑って「今の科学ではまだ解明できないけれどある」と言う。

なんなん?これ?心理学大バトル?

心理学研究者の端くれとして,言わせてもらうが,こんなん朝から見たくなかったよ!

だって,認知心理学はトップ・オブ・ザ・psychology!われわれ,亜流な臨床心理学だの,発達心理学だのは,心理学学会では相手にされないのだよ。

と,余計なお世話だが,超心理学を学問として研究されている先生の労をねぎらいたくなった。

だって,絶対,学内でも肩見が狭いと思うんだわ。

そりゃ,わたしのようなアタオカな人たちにとって,オカルトの類は好物ですよ。

それと,女性にとってはね。女性は目に見えないものを受信する,ニセ科学とは言えないけれどもスレスレの科学も受け入れる,右脳優勢の人が多い印象だから。

案の定,女性視聴者からの反応がバンバン来ていた。

そうなのよ,そう!語りたいのよ!自分にしかわからない説明しようのない不思議な話を!

反対に男性は論理の左脳優勢の人が多い印象なのだけど,そもそも性別で脳は分かれていないし,左右の脳が統合されて機能するものだから,脳の性差は,心理学ではタブーだ。

でもね,でもね,それって,言ってみれば,《感覚器》の感度の違いなのだと思う。

女性は,言葉にならない非言語だったり,前言語のものをキャッチする力が優勢の人が多いけれど,男性は具体的なモノを知覚する力が優勢なので,もやっとした漠然としたあいまいさに耐えられない。

言い換えれば,脳→感覚器のトップダウン神経回路(左脳)と感覚器→脳のボトムアップ神経回路(右脳)とも言えそう。

従来の心理学では,トップダウン優勢の研究が幅を利かせてきたのだけど,いやいや昨今の心理学では,ボトムアップ回帰が起こっているのだ。

なんて感じで,心理学の研究者以外は,なんのことだかわからん,ばくぜんとし過ぎた特集には,曖昧さしか残らなかった。

でもね,そのなんかわからない《曖昧さ》こそ,恐怖なのだ。

こうやって,わたしたちのアイデンティティをじわじわ曖昧にして浸食するのがかの国のやり方だ。

そんな感じで,ウツウツとしちゃったところに日本好きの『ウィーブ』なる現象を知ってちょっとほっこりした。

もっと日本人は日本の《特異性》に自覚的になった方がいいと思う。

何て感じで,いつのまにか,日本人論になってしまったけれど,心理学って学術の垣根を超えた《学際性》が当たり前のそういうものだから。

ああ,心理学って面白い。

なんて,面白がっているうちにじわじわと時代は変わっている。

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心理学者カシ丸 論文や所見書き、心理面接にまみれているカシ丸の言葉の力で、読んだ人をほっとエンパワメントできたら嬉しく思います。