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鍵開けも鍵閉めも私だった

DDだから。

人気メンバーを推すこともあるし。

不人気メンバーを推すこともある。

これは。

不人気メンバーを推していた時の話。

その子は可愛かった。

めちゃくちゃ可愛かった。

顔立ちは綺麗だったし。

スタイルも良かった。

でも。

ステージに立つと。

引っ込み思案だった。

レスも得意じゃない。

歌も。

ダンスも。

正直。

ついていくのに必死だった。

ステージングも。

上手とは言えなかった。

人気が出そうな要素はたくさんあったけれど。

でも人気は出なかった。

特典会もそう。

話すのが得意じゃなかった。

他のメンバーのオタクからは。

「あの子、話してもつまらないよ」

なんて言われていた。

実際。

そうだったのかもしれない。

でも。

私はそこが好きだった。

一生懸命だったから。

私を見つけると。

嬉しそうな顔をしてくれた。

嘘だったかもしれない。

下手な営業だったかもしれない。

でも。

嬉しそうだった。

だから十分だった。

人気メンバーは完成している。

レスも上手い。

話も上手い。

特典会も楽しい。

最初から距離が近い。

でも。

あの子は違った。

ぎこちなかった。

最初は本当にぎこちなかった。

何を話したらいいか分からないし。

向こうも緊張している。

私も緊張している。

会話なんてすぐ終わる。

特典会の列に。

私しかいなかった日がある。

しかも。

鍵開けも私。

鍵閉めも私。

今思うとすごい。

ほぼ個別イベントだった。

でも。

不思議と気まずくなかった。

その頃には。

少しずつ仲良くなっていたから。

正しく。

仲良くなるのに金を使った。

今思うと変な話だ。

でも。

楽しかった。

少しずつ話せることが増えた。

少しずつ名前を呼ばれるようになった。

少しずつ調子に乗るようになった。

少しずつ図々しくなった。

仲良くなると。

意外とわがままだった。

意外と生意気だった。

意外と面白かった。

私はそんなところも好きだった。

人気メンバーを推している時は。

追いかけている感覚だった。

でも。

あの子は違った。

少しずつ。

本当に少しずつ。

距離が縮まっていく。

その過程が楽しかった。

だから。

特典会の列に私しかいなかった日もある。

普通なら寂しいのかもしれない。

でも私は。

少し嬉しかった。

独占したかったわけじゃない。

人気がないことを喜んでいたわけでもない。

ただ。

他のメンバーより。

ゆっくり近付く距離が好きだった。

仲良くなるのに金を使った。

今思うと変な趣味だ。

でも。

あの時間は確かに楽しかった。

大好きだった。


これはDDなりの比較。

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