【映画感想】「俺たちに明日はない」| 刹那を生きるカップルの代表
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大恐慌時代に実在した銀行強盗カップル、ボニー・パーカーとクライド・バロウをモデルにした、アメリカン・ニューシネマを代表する名作です。
ウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイが、刹那的な恋に生きる若い恋人たちを熱演。クライドの兄バック役にはジーン・ハックマンが出演しています。
公開当時は暴力描写の過激さでも話題となり、その衝撃的なラストシーンは映画史に残る名場面となりました。
あらすじ
退屈な毎日に飽き飽きしていたウェイトレスのボニー・パーカー。
ある日、自宅前で母親の車を盗もうとしていた青年クライド・バロウに声をかける。
出所したばかりで金も仕事もないクライドは、その場で近くの店を襲って現金を奪い、そのままボニーを車に乗せて逃走した。
それまで味わったことのない刺激に胸を躍らせたボニーは、そのまま彼と行動を共にする。
やがて二人は、不況で家を失った一家と出会う。
銀行によって住む場所を奪われた人々の姿を目の当たりにし、貧しい農家出身のクライドは社会への反発をさらに強めていく。
その後、自動車修理工場で働く青年C.W.モスを仲間に加え、銀行強盗を繰り返すようになるが、失敗から警官を射殺してしまい、一躍全米のお尋ね者となってしまう。
さらにクライドの兄バックと、その妻ブランチも加わるが、警察の包囲網は日に日に狭まっていく。
感想
久しぶりに観て、一番印象が変わったのはブランチでした。
昔は彼女がとにかく苦手だったんです。
みんなが必死に逃げ回っているのに、一人だけ
「あ゛ーーーーっ!!」(汚い高音)
と絶叫してオロオロするばかり。
ボニーがイライラする気持ちに、「分かる分かる」と頷いていました。
ところが改めて観ると、ブランチの反応こそが一番まとも。
普通の人なら、銃撃戦なんて目の前で起きたらパニックになりますよね。
逆にボニーやクライドたちのほうが、危険に慣れすぎて感覚が麻痺している。
年月が経つと、こんなふうに登場人物の見え方まで変わるものなんだなあと面白く感じました。
物語自体は無駄がなく、テンポよく進みます。
次から次へと事件が起こり、あっという間にラストまで駆け抜けていく。
そして待っているのは、映画史に残るあの銃撃シーン。
ガガガガガガガガッ!!
(87発)
何度観ても衝撃的です。
悲惨なのに、不思議とまた観返したくなる。
名作と呼ばれる理由が分かるラストでした。
ただ、一つだけ気になったのは劇伴。
ボニーとクライドが銃撃を受け、瀕死の状態でC.W.の運転する車に逃げ込むシーンなのに、流れる音楽が妙に牧歌的で陽気なんですよね。
「いや、ここはもっと緊迫感があっていいんじゃない!?」
と少し違和感がありました。
とはいえ、1930年代のクラシックカーが次々と登場するのは見応えがあります。
もっとも、そのほとんどが派手に壊されてしまうのですが (´・ω・)
若さゆえの無謀さ
この作品の魅力は、犯罪を美化しているからではありません。
若さゆえの無敵感と、「今さえ楽しければいい」という危うさを描いているところにあります。
ボニーとクライドは、明日のことなど考えていません。
だからこそ刹那的で、だからこそ眩しい。
けれど、その生き方に待っている結末もまた避けられません。
タイトルどおり、彼らに明日はないのです。
フェイ・ダナウェイはまだ20代。
頬もふっくらとしていて、30年代のファッションや金髪姿が本当によく似合っています。
若さそのものが画面からあふれてくるようでした。
だからこそ、あの壮絶な最期がいっそう痛ましく感じられます。
……とはいえ。
クライド。
EDだったのか……。
そこだけは、なんとも「もったいない!」と思ってしまいました。
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