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米粒 と ご飯粒

 子育てをしていると、自分が子どもの頃の、忘れ切っていた記憶がふいに呼び覚まされることがある。

 まだ子どもが小さかった頃のこと。食べこぼしのご飯粒が、床に落ちて乾燥しているのを素足で踏んだ。その瞬間、脳内の奥底に格納されていた足裏の感触の記憶が、鮮やかに蘇った。

 乾燥したご飯粒は、米粒に戻っていて硬い。小さくて硬いものを踏んだ足裏の感触は、それをまぎれもなく、食べこぼしのご飯粒だと認識した。
 何十年ぶりかに味わう感覚の懐かしさに震えた。

 ちなみに、食べこぼして、床に落ちずに服についたご飯粒も、乾燥すると米粒に戻る。そのまま洗濯すると、ふやけてまたご飯粒になる。しかしこれは、食べられない。そのまま干すと、再び米粒に戻る。

 米とご飯をいったりきたりする、ちいさな粒の律義さがいじらしい。

#なんのはなしですか


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