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地球を抱きしめ隊

ジョシュア・ハマー 著/屋代通子 訳「ハヤブサを盗んだ男」を読んだ。類稀なる資質と身体能力を備えた天性の卵泥棒と、彼を追う英国野生生物犯罪捜査官の、世界を股にかけた犯罪と逃亡追跡のノンフィクションだ。
 人は卵に魅せられる。ヴィクトリア女王の治世には卵学が学問の一分野であり、富裕層が出資して世界各地から卵と鳥が集められた。野鳥の巣から卵を盗むことが犯罪になってからも、卵に執着するコレクターの蒐集は、一部の人間に埋め込まれた抗いがたい性癖として何度逮捕されても繰り返された。
 人も自然の一部であるという考え方で、人が卵を盗むこともまた自然という理屈も在りうる。しかし人の欲望にはキリがなく、自然からお裾分けをいただくという規模では済まない。
 アラブの富豪の鷹狩が周辺環境を破壊し尽くし、国外にまで狩場を求め始めた頃、環境保護の声の高まりと、他国での王族誘拐事件が起こる。そこでドバイのハムダン皇太子は首長国の内部で「ハヤブサレース」を開催することを思い立った。
 大規模な繁殖小屋、空調完備の巨大な室内訓練場、最新医療設備と世界各地から獣医が集められたハヤブサ専門病院。ハヤブサは人口繁殖されるが、野生の方が強いという思い込みと、新しい血統を混ぜるため、世界各地の巣から盗まれた卵が密輸入されるブラックマーケットが存在する。
 ここまでくると、人も自然の一部とは到底言えないだろう。冨にあかせて希少な猛禽の卵を集めるアラブの富裕層。その富はもともと地球の恩恵だったのではないのか。自国のことしか考えず、地球のことは考えないのだとしたら、靴の先で地面に線を引き「ここは俺の陣地」と言っている小学生から進歩していない。線の向こうもこちらも地続きの一つの地球なのに。盗んだつもりのその卵、自分の地球から盗まれているのに。

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ヘレン・ケールズ 著/林裕美子 訳「深海学 深海底希少金属と死んだクジラの教え」が警告する海の危機も深刻だ。今、温暖化がこの程度で済んでいるのは、地球の表面の7割を覆っている海が、熱と二酸化炭素を吸収しているからだ。
 海の水は、水温と塩分濃度の差で1000年から2000年かけて地球を一周していると言われる。この海洋大循環が気候を穏やかに保ち、海水をかきまぜて栄養を運んでいる。
 しかし、過去数十年のあいだに、この循環の一部が動かなくなり始めている兆候が見られる。南極やグリーンランド沖で冷やされて重くなった海水は、沈み込んで大循環を動かすポンプとなっている。極地の海水温上昇により、氷床が融けて真水が大量に流れ込むと、塩分濃度を下げて、海水の密度も下がり、大循環を駆動する力が弱まってしまう。
 海は地球にありながら、宇宙ほど関心を持たれていない。あまり研究されないまま植民地主義、資本家の搾取が入り込み、資源の収奪が進んでいる。深海には発見されないまま絶滅していく生き物もいることだろう。
 海が壊れたとき、どうなるだろう?

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 人類は、自分が止まっている小松菜の根元をかじる文鳥のようなもの。

#なんのはなしですか


人類、どうするってはなし


#地球を抱きしめ隊



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