スナップは28mmだけじゃない。私が100mmマクロを持ち歩く理由【LUMIX S 100mm F2.8 MACRO + LUMIX S9】
みなさんこんにちは、そしてこんばんは。
どうも、神寺です。
先日、Xにてこんな投稿をしました。
マクロレンズは小さいものを大きく撮るためのレンズだと思ってませんか?
— 神寺さん📷写真を褒める画像処理エンジニア (@candela_sun) July 11, 2026
それってレンズの魅力の半分くらいしか引き出せてない。
中望遠スナップレンズとしても使わないと、勿体ないよ。ほんと。 pic.twitter.com/u9bBW5j7LH
ありがたいことに、この投稿が多くの方に見ていただけたようで。
「そんな発想なかった」「マクロレンズほしい」みたいな反応をたくさんいただきました。
でも実は、あの投稿で一番伝えたかったことって、レンズの使い方講座とかじゃなくて。
今日はその続き、というか答え合わせを、ちゃんと書いてみようと思います。
先入観の話から
写真を撮る人の頭の中には、だいたいこんな認識があると思います。
スナップ=28mm~50mm
マクロレンズ=近くのものを大きく撮る、ちょっと特殊レンズ
これについて、私は否定するつもりはありません。
実際そういう場面で強いのは事実ですし、この認識が一般化したには理由があるってもんで。
でも、これに忠実であればあるほど、見えなくなる景色もあって。
28mmや50mmは「当たり前すぎて」フレーミングそのものへの意識が薄れがちだし、マクロレンズは「接写専用」というラベルを貼られた瞬間、カバンの中で出番を待つだけの子になってしまう。
そんなの、めちゃくちゃもったいない。
というわけで、私が最近ずっと使っている組み合わせの話をします。
LUMIX S9 + LUMIX S 100mm F2.8 MACRO + リアルタイムLUT
このセットで、私はスナップしています。
この組み合わせの魅力について、4つの視点で解説してみます。

魅力① 100mmという、ちょうどいい違和感
まず大前提として、100mmという画角、肉眼で見ている世界とはだいぶ違います。
普段私たちが「見ている」と思っている視界って、実はかなり広角寄りなんですよね。焦点距離でいうと35mmとか50mmくらいが実際の視野に近い、みたいな話をどこかで聞いたことがあると思います。
なので中望遠レンズで世の中を覗くと、景色の中から情報が勝手に削ぎ落とされていく感覚があります。
道端の何気ない一角にレンズを向けるだけで、余計なものがフレームの外に追い出されて、主題だけがすっと浮き出てくる。
なんていうか、「撮ってる」というより「切り取ってる」に近い体感。
フレーミングするだけで、なんだか楽しくなっちゃう。
写真を始めたばかりの頃って、標準〜広角で「全部写す」ことを意識しがちだと思うんですが、100mmは逆で「何を捨てるか」を常に問われる画角。
この不自由さが、私にはめちゃくちゃ心地よかったんですよね。




実は私、このレンズは2024年8月に購入しまして。
しかも、Sigma 85mm F1.4 DG DN | Artとの同時購入というだいぶ変なムーブをかましています。

同じ中望遠どうしだし85mmの方が明るいし、同時に買ったところで100mmマクロなんて使わないかもな~と思ったりもしたのですが(しかもSigma 90mm F2.8 DG DN | Contemporaryも持ってるし)、結果的に両方とも買って大正解。両者は全然キャラクターも違うし、得意分野も異なる子たちでした。
買った当初は85mmばかり使うと思っていましたが、街に持ち出す回数はいつの間にか100mmマクロの方が多くなっていきました。
魅力② マクロレンズという、遠近両用メガネ
次に、マクロレンズであることの話。
100mmのマクロレンズは、当然ながら被写体ギリギリまで寄れます。
道端の花、葉っぱの葉脈、錆びた金具の質感。普通の中望遠では撮れない距離まで平気で寄れる。
つまり何が起きるかというと、遠景のスナップから最短撮影距離の接写まで、レンズ交換なしで全部いけちゃうんですよ。
こんなのもう、遠近両用メガネじゃんって。私、裸眼なので適当な比喩を使ってるかもしれませんが。
1本のレンズの中に「街を眺める視点」と「足元を覗き込む視点」の両方が同居している。歩きながら、遠くのビル群を撮った次の瞬間に、しゃがんで蜘蛛の巣の水滴を撮る。同じ1本で、です。
表現の振れ幅がこれだけ広いレンズを、私は他に知りません。












気付いたら、このレンズだけで街を歩くことも増えました。
私は以前、とりあえず綺麗な風景に足を運び、広角でドーンと撮っておけばそれで良い写真なんじゃないかな、と思っていました。
確かにそれはそれで良いのですが、Google画像検索したものと大差ないというか、ベストなタイミングで撮られた「正解」が世の中には必ず存在するので、なんだかだんだんそういう写真がつまらないなと思うようになってしまって。

その点、100mmマクロを使うと、自分だけの視点を簡単に形にできるので、撮っていてすごく楽しいんですよね。
ちょっと質問ですが、これを読まれたあなたは正解っぽい構図と自分だけの視点、どっちを撮りたい派ですか?
魅力③ リアルタイムLUTという最強のドーピング
ここが一番、私の偏愛が滲み出ている部分かもしれません。
RAWで撮って後から現像でじっくり追い込む、というやり方ももちろん素晴らしいと思っています。実際、以前書いたLUT設定の記事でもそのあたりは触れました。
でも私は、撮っている「その瞬間」にワクワクしていたい人間なんですよね。
フィルムカメラやデジタル一眼レフには、光学ファインダーがあります。あれは本当に素晴らしいもので、ファインダーを覗くという行為が本当に楽しくて、意味もなくついつい覗いてしまいますよね。
レンジファインダーのカメラなんかは、ついついフォーカスリングをいじって像をスライドさせたり。ウェストレベルファインダーのカメラでは、左右わけわからなくなりながら覗き込んでうひょおおおお、ってなったり。
ミラーレスカメラになって、そうした撮影の原体験が失われつつあるように私は感じているのです。
モニターに映った映像を撮影する。さながらスマホでスクショを撮る行為に近しい感覚に陥るというか、ピント合わせもカメラが勝手にやってくれるし、なんとも「撮らされてる感」が強いなと感じてやまないわけです。
この “便利さと引き換えに失われてしまったワクワク感” を取り戻すための1つの解に、リアルタイムLUTがあるんじゃないかなと私は感じています。
リアルタイムLUTを使って好きな色味で撮影すると、背面液晶に映る色が、肉眼で見ている実物の色とはっきり変わります。この「実物とちょっと違う色で世界が見える」感覚が、それだけでもう非日常なんです。
もっと言うと、「撮影」より「現像」が楽しくなることを私は望んでいなくて。あくまで撮る瞬間がピークであってほしいと考えています。







また、「後でPCでRAW現像するのか~めんどうだな~、時間ないしなぁ」ってストレスを抱えていると写真を撮る気力も失せてしまいます。
私の場合、撮影画像の99%はリアルタイムLUT撮って出しなので、そうした悩みは根本から解消され、すごく快適な写真ライフを送っています。
魅力④ 「軽さ」という、超重要な土台
ここまで3つ、視点の話、表現幅の話、色の話をしてきましたが、正直これ、どんなに理屈が面白くても持ち出せなきゃ意味がないな、と。
S9とこの100mmマクロの組み合わせ、フルサイズのシステムとしてはかなり小さくまとまります。
S9は約486g(ボディ+バッテリー+SDカード)。
100mmマクロは約298g。
両方合わせても約784g。



往年のフルサイズ一眼レフなんてボディのみで900gくらいすることもありました。それと比べると、この軽さが際立つかと思います。
軽い点でのメリットももちろん大きいのですが、これの何がありがたいって、「撮ってます」圧が少なくて。これが本当にありがたい。
一眼レフ然としたどっしりボディでファインダーを構えると、どうしても周りに「あ、撮影してる人だ」という空気が生まれてしまう。悪いことではないのですが、街中でふらっとスナップしたい時には、ちょっと重いというか居心地の悪い部分があったり。
対してこのシステムだと、その圧がだいぶ薄まります。
道端の葉っぱにレンズを向けても、線路の奥を狙っても、「なんか散歩してる人がスマホ構えてるのかな」くらいの空気で溶け込める…はず。
S9 + LUMIX 100mmマクロは、スペックとサイズ感を両立できる唯一無二の組み合わせ。言うなれば、Lマウントの特権。

視点も、表現の幅も、色の楽しさも。
全部この身軽さがあってこそだと思います。
ここまでの主張は万人向けではないと思う
ちょっと今更感ありますが、正直に言っておきます。
「とりあえず失敗なく1枚欲しい」人には、たぶんこのやり方は向きません。28mmや50mmの方が圧倒的に扱いやすいし、正解のワークフローが欲しい人には、レンズごとに用途を割り切る方が合理的だと思います。
ましてやRAW現像をやめてLightroomを解約する、みたいなムーブはおおよそ万人にはオススメできません。そりゃそうだ。
私も画像処理エンジニアの端くれですから、Lightroomの解約だなんて背信行為かな、とか思ったりもしました。サブスクが嫌だからって、LightroomからCapture One(買い切り版)に乗り換えたりもしました。
でも結局、せっかく高いお金を出してCapture Oneを買ったのに、累計10回くらいしか起動していません。勿体ない投資をしてしまいましたが、自身の価値観を確認するための “損切り” だと捉えるようにしています。
話は戻り、私がこの【S9 + 100mmマクロ】という組み合わせを手放せないのは、フレーミングの楽しさそのものを味わいたいから。撮ってる最中の高揚感を大事にしたいから。そして、少ない可処分時間をなるべく写真以外のことに費やして、現像作業から解放されたいから。
全員に勧める気はないのですが、「なんかそれ、わかるかも」と思ってくれた人がいたら、それだけでもこの記事を書いて良かったなと思います。
写真に対する視点をアップデートしたい方へ
私はこれからも、自分がワクワクできる写真との関わり方を探していこうと思っています。そういう試行錯誤も、メンバーシップでは包み隠さず書いていくつもりです。
たとえば今は100mmマクロが私の答えです。
が、半年後にはまた全然違うことを言っているかもしれません。その過程ごと、記録していきたいと思っています。
私のメンバーシップでは、この記事で書いたような「なぜそれを選ぶのか」という視点の話を、機材だけでなく写真の見方についても、もう少し深く発信しています。
もし最近、あなたも「なんか写真がマンネリだな」と感じているなら、私と同じ壁に当たっているかもしれません。
私の記事を読み終えたとき、自分が何を撮りたいのか、前より輪郭がはっきりする。そんな場所を目指しています。
具体的にはこんな感じの記事を書いています。
月580円です。興味を持ってくださった方は、覗いてみてもらえたら嬉しいです。
メンバーシップ入口はこちら
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう〜!
おまけ。本記事で使用した機材
今回登場した機材はこちらです。
気になった方はチェックしてみてください。
カメラ:LUMIX S9
レンズ:LUMIX S 100mm F2.8 MACRO
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