2025年夏、東北キャンプ場4泊5日視察
去年の夏、勉強のために4泊5日で東北方面のキャンプ場を視察してきた。
ルートは以下の通りだ。
自宅(東京)
→ 茨城
→ 宮城
→ 青森
→ 山形
→ 自宅(東京)
合計走行距離は約1,440km。
すべて下道で移動した。
なぜ東北だったのか。
「関東とそれ以外の地域では、キャンプのやり方に違いがあるのか?」
それを確かめたかったからだ。
また、西よりは東北の方が涼しいだろうとも思った。
もし違いがあるなら、大いに吸収して帰ろう。
そんな気持ちで出発した。
1日目:茨城県――「キャンプ場」ではなく「人」に惹かれた日
1日目は、茨城県のキャンプ場に宿泊した。
このキャンプ場にはコミュニティ・ラウンジがあり、スタッフとお客さんの距離がとても近いと感じた。
私も自然とその輪に加わり、気づけば3時間ほど、ただおしゃべりをしていた。
私はソロキャンプでの旅だったため、正直なところ、誰かと話すことに飢えていた。
だからこそ、この時間はとても楽しかった。
印象的だったのは、
「このスタッフと話すのが楽しみで、月に一度通っている」
というお客さんがいたことだ。
このとき、私ははっきりと感じた。
ここは「キャンプ場が好き」なのではなく、「スタッフのファン」になって通っている人がいる。
私自身も、結果的にこのキャンプ場が好きになった。
正確に言えば、「キャンプ場」よりも話していて面白いスタッフのファンになってしまった。
ただし、この面白さは、そのスタッフの人柄によるところが大きい。
他のキャンプ場で同じことが再現できるかと言えば、簡単ではないだろう。
それでも、ハードルはそこまで高くないはずだ、とも感じた。
また、このキャンプ場では音楽フェスティバルのようなイベントを定期的に開催しており、平日でも集客が非常に強いという話を聞いた。
後日、実際にフェス開催日に訪れたが、月曜日にもかかわらず、お客さんであふれかえっていた。
一方で、売店ではアルコールや軽食が販売されておらず、そこは少し残念だった。
2日目:宮城県――「清潔さ」と「安心」は別物だと感じた日
2日目は宮城県へ向かった。
茨城から宮城までは下道で約10時間。
早朝5時頃に出発した。
すでに日は昇っていたが、私は風景にそれほど興味がないため、日の出をじっくり眺めることはなかった。
ただ、そのキャンプ場は山の中腹にあり、日の出の方向には田園風景や市街地を見下ろせる立地だった。
良い景色だろうな、とは思った。
到着は15時頃。
比較的こじんまりしたキャンプ場で、お客さんも少なかった。
ソロ
デュオ
ファミリー
それぞれのエリアがはっきり分かれていたのは好印象だった。
受付棟でアルコールが販売されており、買い忘れていた私にはありがたかった。
トイレ、シャワールーム、洗い場はすべて非常に清潔で、全体的に管理が行き届いている印象だった。
山の中腹にあるキャンプ場だったが、虫が少なく、それに関する嫌な思いもしなかった。
眺望は一切なかった。
また、スタッフが17時頃には帰ってしまうため、「もし夜に体調を崩したら、誰にも相談できないな」とふと思った。
こういう時のために、救急病院の連絡先などを案内してくれたら、安心する人もいるのだろう、と感じた。
私が泊まったソロキャンプエリアでは、サイト間に大きな衝立があり、隣のサイトと目隠しがされていて、配慮が行き届いていると感じた。
3日目:青森県――「設備がある」と「使われる」は別の話
3日目は青森県へ向かった。
やはり移動に約10時間かかるため、日の出直後に出発した。
早朝に活動を開始したため、まだ寝ている人もいるだろうと思い、なるべく音を立てないように努めたが、それでも音は出ていたと思う。
他のお客さんには申し訳なかった。
到着は15時頃。
このキャンプ場では、売店で野菜が販売されていた。
キャベツを1玉購入したが、ソロキャンパーが1回の食事でキャベツを丸ごと消費できるはずもない。
正直、8分の1程度で十分だ。
小分け販売があれば、ありがたいと感じた。
売店が充実していたので、味噌も購入し、キャベツを味噌につけて食べた。
ビールのおつまみによく合った。
キャンプ場内には整備された小川があり、ファミリーが水遊びをしていて楽しそうだった。
子どもたちが遊ぶ場所が多いのは良いが、「もっとサイト数を取れるのではないか」とも思ってしまった。
大きな炊事場と洗い場があったが、夕食後、朝食後ともに洗い場は使われていた一方で、炊事場は誰も利用していなかった。
夜、トイレに行った際、便器や壁に小虫が大量に張り付いていて、正直かなり気持ち悪かった。
あれはどうにか対策できないものだろうか、と感じた。
また、ソロキャンパーとファミリーキャンパーでエリアが分かれていなかったため、ファミリーサイトに挟まれる形になり、居心地の悪さを感じた。
シャワールームは昔ながらのコイン式で、狭いシャワースペースで急いで洗わなければならなかった。
4日目:山形県――「分ける」という配慮の重要性
4日目も早朝に出発し、山形県のキャンプ場へ向かった。
到着は15時頃。
前面に芝生が張られていて、とても気持ちが良かった。
管理棟も立派な建物で、中にはマンガが置いてあった。
到着が遅かったため、暇つぶしをする時間はなかったが、雨が降った時などにはとても良い設備だと思った。
一方で、ソロキャンパー専用のエリアはなく、ここでもファミリー層に挟まれる形になった。
私も居心地が悪かったが、隣のファミリーキャンパーも多少は不審で気味が悪かったと思う。
小雨が降っていたため、この旅で初めてタープを使用したが、タープは非常に便利だと感じた。
シャワールームは10人分のブースがあり、コイン式ではなかったので楽だった。
茨城以外では、誰とも話す機会がなかったため、少し寂しさを感じた。
翌早朝に帰京した。
視察を終えて
もともとこの視察では、
「東北と関東で、キャンプのやり方に違いがあるのか?」
という問いを立てていた。
ただ、4泊5日を通して感じたのは、明確な地域差を断定できるほどの違いは、正直なところ見えなかった、ということだ。
その代わりに強く感じたのは、地域よりも、
誰が運営しているのか
どういう思想で場をつくっているのか
どこに配慮が向いているのか
そうした点のほうが、体験の質を大きく左右している、という事実だった。
この旅を通して改めて感じたのは、キャンプ場の良し悪しは、設備の多さだけでは決まらないということだ。
誰と話せるか
どこで安心できるか
どこで気を遣わずに済むか
そうしたものは、写真にも、数字にも写らない。
だからこそ、キャンプ場の運営改善は、机の上ではできない。
現地で、一緒に歩き、一緒に感じる必要がある。
この視察は、そのことを改めて確認するための4泊5日だった。
いいなと思ったら応援しよう!
サポートありがとうございます。
いただいたご支援は、キャンプ場の実装アイデアを“ちゃんと世に刺さる形”で届け続けるために使わせてもらいます。
読んでくれる人がいることが、本当に大きな力になっています。