算数から数学へ 番外編 2 中学一年 理科 物質(化学) 気体を作る
気体を作る,いろいろな化学反応
溶解度・色覚/味覚/臭覚 について加筆 2026.03.09
小学校ででてくる気体は 酸素 二酸化炭素 と水素くらいでしょう.あとは,ヘリウムの気体も紹介してもいいかもしれません.それだけ生活に浸透しています.中学校での化学の基礎を学習する際の留意事項は,日常生活を営む上での最低の知識,そして 身を守るための知恵としての知識です.たとえば,嫌な臭いは動物的本能であり,それにより身体の危険を回避することができますが,そのためには臭いを知っているという経験が必要です.そのことを踏まえ,以下の二つの事柄を知っておくべきです.
(1) 爆発限界濃度
爆発限界濃度は空気との混合比がある一定の範囲内にあるとき,引火する着火物の存在下(引火点)で,発火する濃度範囲が決められているのです.その範囲を爆発限界濃度といっています.
(2) 気体の許容濃度
仕事をしている人も,普通の健常人でも,人体にとって毒物である気体はある以上の気体の濃度では人体に毒となる.その最低濃度を気体の許容濃度という.しかし,窒素や二酸化炭素などのあらゆる気体は仰向けに寝ている人の場合にはおおよそ 10cm の高さに気体が 密室に溜まれば,そのときに人は窒息する.火山地帯で二酸化硫黄や硫化水素が窪地に溜まっている場合は上と同じく窒息に至る.
1.水素
化学式/分子式 $${\mathrm{H_{2}}}$$
分子量 (原子量 $${\mathrm{{ }_{1}H=1}}$$ 原子番号×2=原子量は成立しない)
$${\mathrm{H_{2}=1.0×2=2.0}}$$
化学反応式 $${\mathrm{Zn+2HCl {\longrightarrow} ZnCl_{2}+H_{2} {\uparrow}}}$$
性質 水にほとんど溶けない(溶解度 0.000172g/100mL).無色 無臭 気体の中で最も軽い.爆発限界濃度 水素の空気中での爆発限界濃度は4.0~75.0vol%また,酸素中での爆発限界は 4.0~94vol%であるとされてきた.水素ガスは10 %以下であれば爆発することはないことを明らかとした$${{ }^{[3]}}$$.
※ $${\mathrm{Zn}}$$ 亜鉛(金属),$${\mathrm{ZnCl_{2}}}$$ 塩化亜鉛,$${\mathrm{HCl}}$$ 塩酸(酸).金属と酸の化学反応.
2.酸素
化学式/分子式 $${\mathrm{O_{2}}}$$
分子量 (原子量 $${\mathrm{{ }_{8}O=16.0}}$$)
だから,$${\mathrm{O_{2}=16.0×2=32.0}}$$
化学反応式 $${2H_{2}O_{2} {\longrightarrow} 2H_{2}O+O_{2} {\uparrow}}$$
触媒:ニ酸化マンガン
性質 水にわずかしか溶けない(溶解度 0.00393g/100mL).無色 無臭 生物が呼吸するときに用いる.物を燃やす助燃剤(燃えるのを速める).物質を酸化する(サビを作る).
※ $${\mathrm{H_{2}O_{2}}}$$ 過酸化水素,$${\mathrm{H_{2}O}}$$ 水,$${\mathrm{MnO_{2}}}$$ 二酸化マンガン(触媒:化学反応を速くする物質,正触媒),過酸化物の分解.
3.窒素
化学式/分子式 $${\mathrm{N_{2}}}$$
分子量 (原子量 $${\mathrm{{ }_{7}N=14.0}}$$)
だから,$${\mathrm{N_{2}=14.0×2=28.0}}$$
化学反応式 $${\mathrm{NH_{4}NO_{2} {\longrightarrow} 2H_{2}O+N_{2} {\uparrow}}}$$
性質 水に溶けにくい (溶解度 0.0018g/100mL).無色 無臭.燃焼の実験で燃えない気体として発見された.潜水病(水圧の高い海の中に潜り,水面に戻って圧力が下がるときに呼吸する空気の中の窒素が血液中で気泡となり血管を塞ぐ)の原因.
※ $${\mathrm{NH_{4}NO_{2}}}$$ 亜硝酸アンモニウム,$${\mathrm{H_{2}O}}$$ 水,$${\mathrm{N_{2}}}$$ 窒素,熱分解反応.
4.二酸化炭素
化学式/分子式 $${\mathrm{CO_{2}}}$$
分子量 (原子量 $${\mathrm{{ }_{6}C=12.0}}$$,$${\mathrm{{ }_{8}O=16.0}}$$)
だから,$${\mathrm{CO_{2}=12.0+32.0=44.0}}$$
化学反応式 $${\mathrm{CaCO_{3}+2HCl {\to} CaCl_{2}+H_{2}O+CO_{2} {\uparrow}}}$$
性質 水に少し溶ける(溶解度 0.145 g/100mL).無色 無臭 呼気からでる気体.物を燃やすときでる気体.消火剤.炭酸飲料の原料.許容濃度 5000ppm.
※ $${\mathrm{CaCO_{3}}}$$ 炭酸カルシウム,$${\mathrm{HCl}}$$ 塩酸,$${\mathrm{H_{2}O}}$$ 水,$${\mathrm{CO_{2}}}$$ 二酸化炭素,炭酸塩と酸の反応,弱塩基の塩と酸の中和反応の変形.
5.アンモニア
化学式/分子式 $${\mathrm{NH_{3}}}$$
分子量 (原子量 $${\mathrm{{ }_{7}N=14.0}}$$,$${\mathrm{{ }_{1}H=1.0}}$$ これは例外)
だから,$${\mathrm{NH_{3}=14.0+1.0×3=17.0}}$$
化学反応式 $${\mathrm{2NH_{4}Cl+Ca(OH)_{2} {\longrightarrow} 2H_{2}O+CaCl_{2}+2NH_{3} {\uparrow}}}$$
性質 水にすごく溶ける(溶解度 89.9g/100mL).無色 特有の刺激臭 たとえば, 虫刺されなどで使用される [キンカン] 許容濃度 2.5ppm. 爆発限界濃度 16~25%.
※ $${\mathrm{NH_{4}Cl}}$$ 塩化アンモニウム,$${\mathrm{Ca(OH)_{2}}}$$, 水酸化カルシウム,$${\mathrm{H_{2}}}$$ 水,$${\mathrm{CaCl_{2}}}$$ 塩化カルシウム,$${\mathrm{NH_{3}}}$$ アンモニア,弱酸の塩と塩基の反応 中和反応の変形.
6.硫化水素
化学式/分子式 $${\mathrm{H_{2}S}}$$
分子量 (原子量 ,$${\mathrm{{ }_{1}H=1.0}}$$ これは例外, $${\mathrm{{ }_{16}S=32.0}}$$)
だから,$${\mathrm{H_{2}S=1.0×2+32.0=34.0}}$$
化学反応式 $${\mathrm{FeS+2HCl {\longrightarrow} FeCl_{2}+H_{2}S {\uparrow}}}$$
性質 水に少し溶ける (溶解度 0.25g/100mL).無色.特有な悪臭,卵の腐った臭い,腐乱臭. 腐敗臭ではない.埼玉県八潮市の下水管陥没事故のときの臭い.火山地帯で経験できるのは硫化水素と二酸化硫黄.火山地帯の くぼ地 には入らないこと,窒息する.許容濃度 5ppm. 爆発限界濃度 4.0~44.0%.
※ $${\mathrm{FeS}}$$ 硫化鉄,$${\mathrm{HCl}}$$ 塩酸,$${\mathrm{FeCl_{2}}}$$ 塩化鉄,$${\mathrm{H_{2}S}}$$ 硫化水素,金属塩と酸の反応.
福岡・佐賀 KBC NEWS 福岡工業大学工学部 久保裕也准教授
7.二酸化硫黄
化学式/分子式 $${\mathrm{SO_{2}}}$$
分子量 (原子量 $${\mathrm{{ }_{16}S=32.0}}$$ ,$${\mathrm{{ }_{8}O=16.0}}$$)
だから,$${\mathrm{SO_{2}=32.0+2×16.0=64.0}}$$
化学反応式 $${\mathrm{S+O_{2} {\longrightarrow} SO_{2} {\uparrow}}}$$
性質 水に結構溶ける (溶解度 9.4 g/100mL).無色.鼻に刺激臭の気体, マッチの頭薬の燃える臭いに近い 火山地帯の刺激臭はニ酸化硫黄と硫化水素.火山地帯では くぼ地 に入らないこと,窒息する.
※ $${\mathrm{S}}$$ 硫黄,$${\mathrm{O_{2}}}$$ 酸素,$${\mathrm{SO_{2}}}$$ ニ酸化硫黄,燃焼反応.
8.一酸化炭素
化学式/分子式 $${\mathrm{CO}}$$
分子量 (原子量 $${\mathrm{{ }_{6}C=12.0}}$$, $${\mathrm{{ }_{8}O=16.0}}$$)
だから,$${\mathrm{CO=12.0+16.0=28.0}}$$
化学反応式 $${\mathrm{HCOOH {\longrightarrow} H_{2}O+CO {\uparrow}}}$$
性質 水に溶けにくい (溶解度 0.023g/100mL).無色 無臭.一酸化炭素中毒(一酸化炭素が血液中のヘモグロビンと結合して,ヘモグロビンの酸素との結合を阻害:メトヘモグロビン血症).炭素の不完全燃焼で発生する.許容濃度 50ppm. 爆発限界濃度 12.5~74%.
※ $${\mathrm{HCOOH}}$$ ギ酸,$${\mathrm{H_{2}O}}$$ 水,$${\mathrm{CO}}$$ 一酸化炭素,熱分解反応
9.オゾン
化学式/分子式 $${\mathrm{O_{3}}}$$
分子量 (原子量 $${\mathrm{{ }_{8}O=16.0}}$$)
だから,$${\mathrm{O_{3}=3×16.0=48.0}}$$
化学反応式 $${\mathrm{3O_{2} {\longrightarrow} 2O_{3}}}$$
放電
性質 水に溶けにくい(溶解度 0.0057g/100mL).無色 生臭い刺激臭.吸い込むと内臓を損傷する.酸化性の強い気体.
※ $${\mathrm{O_{2}}}$$ 酸素,$${\mathrm{O_{3}}}$$ オゾン
10.一酸化窒素
化学式/分子式 $${\mathrm{NO}}$$
分子量 (原子量 $${\mathrm{{ }_{7}N=14.0}}$$, $${\mathrm{{ }_{8}O=16.0}}$$)
だから,$${\mathrm{NO=14.0+16.0=30.0}}$$
化学反応式 $${\mathrm{3Cu+8HNO_{3} {\longrightarrow} 3Cu(NO_{3})_{2}+4H_{2}O+2NO {\uparrow}}}$$
性質 水に溶けにくい(溶解度 0.0098g/100mL).無色 無臭.有機物の燃焼過程で生成し、酸素に触れると直ちに酸化されて二酸化窒素 $${\mathrm{NO_{2}}}$$ になる.硝酸の製造原料.光化学スモッグや酸性雨の成因に関連する.また体内でも生成し,血管拡張作用を有する.銅と希硝酸の反応.
※ $${\mathrm{Cu}}$$ 銅,$${\mathrm{HNO_{3}}}$$ 硝酸,$${\mathrm{Cu(NO_{3})_{2}}}$$ 硝酸銅(Ⅱ),$${\mathrm{H_{2}O}}$$ 水,$${\mathrm{NO}}$$ 一酸化窒素
11.二酸化窒素
化学式/分子式 $${\mathrm{NO_{2}}}$$
分子量 (原子量 $${\mathrm{{ }_{7}N=14.0}}$$,$${\mathrm{{ }_{8}O=16.0}}$$)
だから,$${\mathrm{NO_{2}=14.0+2×16.0=46.0}}$$
化学反応式 $${\mathrm{Cu+4HNO_{3} {\longrightarrow} Cu(NO_{3})_{2}+2H_{2}O+NO_{2} {\uparrow}}}$$
性質 水で分解する.二酸化窒素は21.2 °C (294.3 K) 以上で刺激性な不快臭を有する赤褐色の気体.21.2 °C (294.3 K) 以下では黄褐色の液体.
※ $${\mathrm{Cu}}$$ 銅,$${\mathrm{HNO_{3}}}$$ 硝酸,$${\mathrm{Cu(NO_{3})_{2}}}$$ 硝酸銅,$${\mathrm{H_{2}O}}$$ 水,$${\mathrm{NO_{2}}}$$ 二酸化窒素 銅と濃塩酸の反応
12.塩素
化学式/分子式 $${\mathrm{Cl_{2}}}$$
分子量 (原子量 $${\mathrm{{ }_{17}Cl=35.5}}$$ 原子番号×2=原子量は成立しない)
だから,$${\mathrm{Cl_{2}=2×35.5=71.0}}$$
化学反応式 $${\mathrm{MnO_{2}+4HCl {\longrightarrow} MnCl_{2}+2H_{2}O+Cl_{2} {\uparrow}}}$$
性質 (溶解度 約 0.75g/100mL).黄緑色 強烈な刺激臭.腐食性が強い,有毒.第一次世界大戦で毒ガスとして使用された.許容濃度 0.5ppm.
※ $${\mathrm{MnO_{2}}}$$ 二酸化マンガン,$${\mathrm{HCl}}$$ 塩酸,$${\mathrm{MnCl_{2}}}$$ 塩化マンガン,$${\mathrm{H_{2}O}}$$ 水,$${\mathrm{Cl_{2}}}$$ 塩素 塩化水素の(二酸化マンガンによる)酸化反応
13.塩化水素
化学式/分子式 $${\mathrm{HCl}}$$
分子量 (原子量 $${\mathrm{{ }_{1}H=1.0}}$$ $${\mathrm{{ }_{17}Cl=35.5}}$$ 原子番号×2=原子量は成立しない)
だから,$${\mathrm{HCl=1.0+35.5=36.5}}$$
化学反応式 $${\mathrm{ 2NaCl+H_{2}SO_{4} {\longrightarrow} NaHSO_{4}+HCl {\uparrow}}}$$
200℃以上で,$${\mathrm{ 2NaCl+H_{2}SO_{4} {\longrightarrow} Na_{2}SO_{4}+2HCl {\uparrow}}}$$
性質 水に非常によく溶ける(溶解度 約 82.3g/100mL) .無色 刺激臭(塩素臭に近い).水に溶けて塩酸になる.$${\mathrm{HCl {\to} H^{+}+Cl^{-}}}$$ .有毒であり,塩酸ガスともいう.塩化水素 許容濃度 2ppm.
※ $${\mathrm{NaCl}}$$ 塩化ナトリウム,$${\mathrm{H_{2}SO_{4}}}$$ 硫酸,$${\mathrm{NaHSO_{4}}}$$ 硫酸水素ナトリウム,$${\mathrm{Na_{2}SO_{4}}}$$ 硫酸ナトリウム,$${\mathrm{HCl}}$$
14.メタン
化学式/分子式 $${\mathrm{CH_{4}}}$$
分子量 (原子量 $${\mathrm{{ }_{6}C=12.0}}$$,$${\mathrm{{ }_{1}H=1.0}}$$)
だから,$${\mathrm{CH_{4}=12.0+4×1.0=16.0}}$$
化学反応式 $${\mathrm{CH_{3}COONa+NaOH {\longrightarrow} Na_{2}CO_{3}+CH_{4} {\uparrow}}}$$
性質 (溶解度 0.000227g/100mL).無色 無臭の気体.天然ガスの成分(燃料として広く使用されている).都市ガスの原料.窒息性の気体.爆発限界濃度 4.4~17%.引火点 $${-188℃}$$,発火点 $${537℃}$$.爆発限界濃度 5.0~15.0%.
※ $${\mathrm{CH_{3}COONa}}$$ 酢酸ナトリウム,$${\mathrm{NaOH}}$$ 水酸化ナトリウム,$${\mathrm{CH_{4}}}$$ メタン
15.エチレン
化学式/分子式 $${\mathrm{CH_{2}CH_{2}}}$$
分子量 (原子量 $${\mathrm{{ }_{6}C=12.0}}$$,$${\mathrm{{ }_{1}H=1.0}}$$)
だから,$${\mathrm{CH_{2}CH_{2}=2×12.0+4×1.0=28.0}}$$
化学反応式 $${\mathrm{2C_{2}H_{5}OH {\longrightarrow} H_{2}O+ C_{2}H_{4} {\uparrow}}}$$
性質 (溶解度 0.000131g/100mL )無色 無臭の気体.化学物質の出発物質.爆発限界濃度 12.7~36%.引火点 $${-136℃}$$ .発火点 $${542.8℃}$$.植物のホルモン.爆発限界濃度 2.3~36.0%.
※ $${\mathrm{C_{2}H_{5}OH}}$$ エタノール,$${\mathrm{H_{2}O}}$$ 水,$${\mathrm{C_{2}H_{4}}}$$ エチレン.
16.アセチレン
化学式/分子式 $${\mathrm{CHCH}}$$
分子量 (原子量 $${\mathrm{{ }_{6}C=12.0}}$$,$${\mathrm{{ }_{1}H=1.0}}$$)
だから,$${\mathrm{CHCH=2×12.0+2×1.0=26.0}}$$
化学反応式 $${\mathrm{CaC_{2}+2H_{2}O {\longrightarrow} Ca(OH)_{2}+ C_{2}H_{2} {\uparrow}}}$$
性質 常温では水に体積比 1:1 の割合で溶ける.純粋なものは無臭だが、市販されているものは通常硫黄化合物などの不純物を含むため,特有の鼻につくにおいを持つ.引火点 発火点 爆発限界濃度は 2.5~100 vol%.人体に対して有害性はないが,可燃性である.金属溶接の燃料.アセチレンの金属塩は起爆薬の原料.爆発限界濃度 2.3~100%.
※ $${\mathrm{CaC_{2}}}$$ カルシウムカーバイド,$${\mathrm{H_{2}O}}$$ 水,$${\mathrm{Ca(OH)_{2}}}$$ 水酸化カルシウム,$${\mathrm{C_{2}H_{2}}}$$ アセチレン
溶解度について
基本的に溶解度は温度・圧力によって変化します.温度が高くなれば溶解度は小さくなります.圧力が高くなれば溶解度は大きくなります.これをヘンリーの法則といいます.二酸化炭素を水に溶かして炭酸飲料を作りますから,その過程を理解すれば,ヘンリーの法則に納得すると思います.
※ 溶解度のことは 小学校の学習から登場します.中一では気体の水に対する溶解度のことを学習します.そこで,先生からこれは大事だから憶えなさいと言われるかもしれません.重要なことは 気体の水に対する溶解度のデータの全体像です.たとえば,注釈・太字の気体種は水と結合して安定な化学種を作ります.極端なことを言えば,どのような化学種でも水に多少は溶けます.ですから,上に書いた 注釈・太字の気体種以外の気体の溶解度のデータを憶える必要はありません.必要に迫れれればデータを検索してください.
特にこの溶解度のデータを見て,酸素と二酸化炭素が動物のヘモグロビンなどとの関係を議論することは,非常に示唆的であり重要な議論でしょう.
気体種 溶解度 注釈
水素 0.000172g/100mL
酸素 0.00393g/100mL ヘモグロビンと結合
オゾン 0.0057g/100mL
窒素 0.0018g/100mL 潜函病(潜水病)
二酸化炭素 0.145 g/100mL 炭酸飲料
一酸化炭素 0.023g/100mL
二酸化硫黄 9.4 g/100mL 亜硫酸
硫化水素 0.25g/100mL
アンモニア 89.9g/100mL アンモニア水
一酸化窒素 0.0098g/100mL
二酸化窒素 水で分解
塩素 約 0.75g/100mL 次亜塩素酸+塩酸
塩化水素 約 82.3g/100mL 塩酸
メタン 0.000227g/100mL
エチレン 0.000131g/100mL
アセチレン 体積比 1:1 水に溶ける
色覚/味覚/臭覚 について
一般に,色覚/味覚/臭覚 はヒトの生活歴や成育歴によって多少異なるようです.
色覚 物理の分野で「光と波」の記事を書くつもりです.可視光線の低波長側から,赤・橙・黄・緑・青・藍・紫 これも不思議なことに,七種です.晴天でお目にかかる,虹の色ですが,欧米の人たちは青色,藍色と群青色の区別が苦手です.
高校生は「プルシアンブルー」という物質名を記憶しているでしょう.化学式は $${\mathrm{Fe_{4}[Fe(CN)_{6}]_{3}}}$$ ですが,
製法などにより、アイアンブルー、プルシアンブルー、ベルリンブルー、ターンブルブルー、ミロリーブルー、チャイニーズブルー、パリブルー、など数々の異名がある。$${{ }^{[7]}}$$
江戸時代の浮世絵で使用されたのはベルリンブルーでした.
味覚 私の若い頃,先輩教員から盗んだ話です.「七地味トウガラシ」の七地(ひちみ)は 七つの味覚です.もちろん,間違っていますが,七つの味覚をすべて言えますか? 甘味・辛味・塩味・酸味・苦味・蘞(えぐ)(渋)味・旨味.
すこし解説をしておきますね,
苦味・・・コーヒーや紅茶,緑茶などのカフェイン,おなじくカテキンなどのアルカロイド類 マグネシウム・カルシウムの無機化合物.
蘞(えぐ)味・・・私は有機薬物の味と教わりましたが,嘘っぽいと思いました.そこで,渋味にかえておきます.渋柿の舌を刺す味,四川料理の花椒の舌が痺れるような辛さに近い.
(蘞味 筍や山菜などは灰汁が強く、のどや舌がいがらっぽく感じる) ~味ではなくて,舌や口腔内を刺激する物資$${{ }{[9]}}$$.
旨味・・・昆布・鰹節の旨味です.アミノ酸であるグルタミン酸塩,核酸の塩基であるイノシン酸塩や貝類の旨味であるコハク酸.と思っていました.
この分野は面白いですね.ちなみに,ウィキペディアの日本語版と英語版を比べて読んでください.基本的には甘味・辛味・塩味・酸味・苦味の英語版に対して日本語版では甘味・塩味・酸味・苦味・旨味の五味が基本味です.
臭覚 アンモニアの項で [キンカン] と書きました.しかしキンカンという商品を若い世代の人にはあまりなじみがないようですね.しかも,一般に流布している 「納豆の臭い」ですが,これを調べている人たちがいました.その結果を引用しますが,アンモニアは検出されませんでした$${{ } {[8]}}$$.
※ だから,体験するっていうことがとても大事なんです.例えば「アンモニアの臭気」,「硫化水素の臭気」,「うまみ成分の味」などを経験するためにも ぜひ実験を増やしてください.
参考文献
[1] 化学グルメ ( 気体の製法(反応式・原理・注意事項など) | 化学のグル
メ)
[2] 三宅淳巳「水素の爆発と安全性」(pdf)『水素エネルギーシステム』第22巻第2号、水素エネルギー協会、1997年
[3] Preventing explosions of hydrogen gas inhalers,Ryosuke Kurokawa,Med Gas Res,2019 Jul-Sep;9(3):160-162
[4] Wikipedia.JP ,Wikipedia.En など.
[5] 可燃性ガスが爆発する濃度の基準は?爆発範囲の一覧と安全対策も解説 |計測・測定器のレンタルならソーキ
[6] 許容濃度等の勧告,産業衛生学雑誌,https://www.sanei.or.jp/files/topics/oels/oel
[7] Wikipedia.Jp,プルシアンブルー
紺青 - Wikipedia
[8] 冷蔵中における糸引き納豆のにおいの変化,田中直義ら,共立女子短期大学生活科学科
jstage.jst.go.jp/article/nskkk/59/4/59_167/_pdf
[9] Wikipedia.Jp,味覚
味覚 - Wikipedia
[10] Wikipedia.En,味覚
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