【#6】価値観を知ると進路選択が楽になる
進路を考えるとき、多くの大学生は「どの業界がいいのか」「どの会社が安定しているのか」「どの職種が自分に向いているのか」と、外側の情報から集め始めます。もちろん、業界研究や企業研究は大切です。知らない仕事は選べませんし、世の中にどんな働き方があるのかを知ることは、進路選択の幅を広げてくれます。
しかし、自分の価値観が整理されていないまま情報を集めると、かえって迷いが増えることがあります。
「この業界は人気があるらしい」
「この会社は有名だから安心」
「友人が受けているから自分も見てみよう」
「親が勧めるから候補に入れておこう」
そうして選択肢を増やしていくうちに自分が本当は何を大切にしたいのかが見えにくくなってしまうのです。
価値観とは、自分が大切にしたい考え方や働き方の軸です。
たとえば、成長できる環境を大切にしたい人もいます。安定して長く働けることを重視する人もいます。人の役に立つ実感を大切にする人もいれば、専門性を高めたい人もいます。チームで協力することにやりがいを感じる人もいれば、自分のペースでじっくり取り組める環境を望む人もいます。
どれが正しいということではありません。大切なのは、自分にとって何が大事なのかを知ることです。
価値観がわかると、進路選択が少し楽になります。なぜなら、迷ったときに判断する基準ができるからです。
「この会社は有名だけれど、自分が大切にしたい働き方と合っているだろうか」
「この仕事は安定しているけれど、自分が成長を感じられるだろうか」
「条件はよいけれど、自分が関心を持てる仕事内容だろうか」
このように自分の軸で考えられるようになります。
価値観は、頭の中だけで考えてもなかなか見えてきません。過去の経験を振り返ることで少しずつ見えてきます。
うれしかった経験。
苦しかった経験。
続けられた経験。
違和感を覚えた経験。
人から感謝された経験。
そこには、自分が大切にしているものが表れています。
たとえば、誰かに感謝されたときに強くやりがいを感じたなら、人の役に立つことを大切にしているのかもしれません。自分の工夫で物事がうまく進んだ経験が印象に残っているなら、改善や創意工夫を大切にしているのかもしれません。逆に、競争が強すぎる環境で苦しさを感じたなら、安心感や協力関係を大切にしている可能性があります。
就職活動では、早く決めることよりも、納得して選ぶことが大切です。進路に迷ったときは、外側の情報を集める前に、まず「自分は何を大切にして働きたいのか」を考えてみましょう。
価値観は、進路選択の地図のようなものです。地図があれば、迷わないわけではありません。でも、どちらに進めばよいかを考える手がかりになります。
