【連載】~ 昭和パソコンオタク列伝~ 第1回:「世界が変わる音がした」〜BASIC1?との出会い〜
私が中学生だったころの1970年代にはじめて出会ったマイコン(マイクロコンピューターの略)から現代のパソコンにいたるまでの歴史を連載形式で書いていきます。
まずはコンピューターとの衝撃の出会いからどうぞ。
🧒 機械がしゃべった──そう思ったのは、あのときが初めてだった。
中学時代のある日、クラスメートがふいにこう言った。
「うち、コンピューター買ってもらったんだ。見に来ない?」
1976年ごろのことだ。
当時の私は、「コンピューター」といってもよくわかっていなかった。
テレビに出てくるような銀色の巨大ロボットか、工場の中にある制御装置のようなイメージ。
まさか、それが友人の部屋にあるなんて、夢にも思わなかった。
でも、興味はあった。
何となく面白そうな予感だけを頼りに、放課後、友人の家に向かった。
部屋に入ると、机の上に黒くて角ばったキーボードのようなものが置かれており、どこか未来の道具のような佇まい。

名前は……うろ覚えだけど、「BASIC1」と書かれていたような気がする。多分アメリカ製。正確な機種名は、いまでははっきりと思い出せない。
でもそのマシンが、私にとって生まれて初めて出会った“コンピューター”だったことだけは、確かだ。
🎮 最初のゲームは「ワンヒットワンオン」
「ゲームができるんだよ」と、友人が自慢げに言った。
やらせてもらったのは、「ワンヒットワンオン」と呼ばれる推理ゲームだった。
今になって調べてみると、正式には「ヒット・アンド・ブロー」というらしい。
ルールはこうだ。
コンピューターが、重複しない4桁の数字(例:1274)をひそかに決める。
プレイヤーは、それを推理して数字を入力する(例:1234)。
結果として「ヒット(数字も位置も正しい)」「オン(数字は正しいが位置が違う)」のヒントが返ってくる。
つまり、論理と直感を頼りに“隠された数字”を解き明かしていく、シンプルな数当てゲームだ。

だが、当時の私はそれを「ゲーム」だとは思っていなかった。
もっと衝撃的な何か──**“機械がしゃべった”**ように感じたのだ。
数字を入力すると、画面に文字が返ってくる。
「1ヒット2オン」「0ヒット3オン」……
ただのテキスト表示なのに、それはまるで、機械と会話をしているようだった。
🔧 プログラム? BASIC? 何それ?
もちろん当時の私は、そのマシンが「BASIC」という言語で動いているなど、知る由もなかった。
ましてや、それを「プログラム」と呼ぶことすら知らなかった。
ただ、数字を打つと機械が反応する。そのことが面白くて仕方がなかった。
おそらくあの日から、私は「機会と会話する」という体験に、取り憑かれてしまったのだ。
それが、私の“パソヲタ”人生の始まりだった。
【次回予告】
■ 第2回:「マイコン?それ、美味いの?」〜TK-80で目覚めた少年たち〜
「BASIC1?」との衝撃の出会いから、その後、僕はもうひとつのマシンと出会うことになる。
青いボード、むき出しの配線、ハンダごての匂い――それが、NEC TK-80だった。
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