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【連載】~昭和パソコンオタク列伝~ 第14回:「ケースの中の宇宙」


自作PCを始めてから、マザーボードやCPU、メモリ、グラフィックボード。パソコンの性能を決めるのは、そうした“中身”にこだわる方もいると思うが、私はケースにこだわっている。

私は、ケースを「とにかく光らせる」のが好きでたまらない。

そう、ケースこそ、PCの世界観そのものなのだ。

そしていつの間にか、私は
「ケースの中の宇宙」を作るようになっていた。


KUROSUKEとの出会い

これは自作3号機として作ったPCだった。(自作1号機、自作2号機については第12回:「初めての自作」で紹介しています)

その名は——

KUROSUKE

真っ黒なケースで左側面が透明なアクリル扉になっていて、ケース内部が見える構造だった。内部が見えるという構造が気にいり購入、写真のとおり、LEDファン、ヘッドが光る簡易水冷などで、ビカビカに光り輝く、いわゆる“光るPC”を作ったのだった。

「真っ黒なケースにアクリル扉でスリムなケースだった」
「とにかく光るPCを作るのが好きなのだった」

ケースの中に光が広がり、
ファンが回転し、
ケーブルが整然と並ぶ。

それはまるで、
小さな宇宙のようだった。

そして、このKUROSUKEには
もう一つ大きな特徴があった。

それは——

キャスターを付けたこと。KUROSUKEはスリムだったため、市販のPCキャスターが使えたので、これを採用した。

「これが市販のPCキャスター」

キャスター文化の始まり

私のPCケースには、例外なく
キャスターが付いている。

なぜか。

理由は単純だ。

移動が楽だからだ。

自作PCをやっていると、ケースはどんどん大きくなる。

電源は大型化し
グラフィックボードは巨大化し
HDDも増えていく。

気がつくと、PCは
20kg近い重量級マシンになっている。

そんなものを机の下から引っ張り出すのは大変だ。

そこで登場するのが、キャスターである。

コロコロ転がして引き出せる。
掃除のときも楽。
メンテナンスも楽。

一度キャスター付きPCを使うと、
もう元には戻れない。

KUROSUKEは、
私にとって

光るPC文化
そして
キャスター文化

の始まりだった。


フルタワーというロマン

自作4号機はCM Stackerだ。

KUROSUKEの後、
私のケース選びはさらにエスカレートしていく。

そして出会ったのが、
伝説のケースだった。

CoolerMaster CM Stacker

「デカイが洗練されたデザインがオシャレだった」
「LEDファンが美しい」
「フルタワーケースだと市販のPCケースが使えないことがある、そんなときはホームセンターで売ってるキャスターを取り付ける」

これはもう、とにかく巨大だった。

高さも奥行きもあり、
内部は圧倒的な広さ。

ドライブベイも大量にあり、
拡張性は無限と言っていい。

当時の私は思った。

「このケースなら、何でもできる」

HDDを何台も積み
ファンを増設し
配線を整理し

ケースの中を
自分の理想の空間に作り上げていく。

自作PCの楽しさは、
パーツ選びだけではない。

ケースの中をどう構築するか。

それはまるで、

建築

あるいは

宇宙開発

のような感覚だった。


ロマンの頂点

もう何号機か忘れたが、現在のPCの1個前に作った白いLEVEL10

そして、
私のケース人生の中でも
最もインパクトのあるケースが登場する。

それが

Thermaltake LEVEL10GT

である。

「独特なフォルムが未来的でカッコイイ」
「これもフルタワーでとにかくデカかった」

このケースを初めて見たとき、
私は言葉を失った。

普通のPCケースとは、
まったく違う。

各パーツが独立したモジュールとして配置され、
まるでSF映画に出てくる機械のようなデザイン。

そう、Thermaltake(サーマルテイク)の「Level 10」シリーズ」は、BMWグループのデザイン会社「BMW Group Designworks USA」がデザインを手掛けたことで非常に有名な、画期的なPCケースだったのだ。

しかも私が選んだのは

白いLEVEL10

黒が多いPCケースの世界で、
白いLEVEL10はとにかく美しかった。

価格も、重量も、サイズも
完全に“ロマン枠”。

正直に言えば、

実用性だけなら別のケースの方が良かった。

だが、それでもいい。

なぜなら——

ロマンだからだ。

自作PCという趣味には、
必ずこの「ロマン」が必要なのだ。


そして現在

View71 TG RGB

そして現在、
私のメインPCケースはこれだ。

Thermaltake View71 TG RGB

「4面強化ガラスで美しい躯体のケース」
「中身が丸見え。光るPCの集大成」

フルタワーケース。
四面強化ガラス。

そしてRGBファン。

ケースの内部は、
完全に“見せる”構造になっている。

ガラス越しに見えるのは

マザーボード
グラフィックボード
水冷クーラー
そして光るファン

それらが静かに動き続ける姿は、
まさに

ケースの中の宇宙

である。

夜、部屋の電気を少し落として
PCを眺める。

ファンの光がゆっくり回り、
ケースの中に光が広がる。

それを見ているだけで
なんだか満足してしまう。

パソコンなのに、
まるでインテリアのようだ。

ちなみにこのケース、
重量は約20kg。中身のパーツも入れると30kg近くになる。

当然、キャスター付きである。


ケースはロマン

自作PCのだいご味は様々あると思うが、私の場合はそれがケースだ。とにかく光らせたいのだ。光らせて、PCを美しく見せたいのである。

ケースは、

性能を支える土台であり
美しさを演出する舞台であり
そして

オーナーのロマンそのもの

だと思っている。

人によっては
小さなケースを好む人もいる。

静音PCを追求する人もいる。

水冷にこだわる人もいる。

だが私の場合は違う。

巨大なフルタワー。
光るファン。
重たいケース。
そしてキャスター。

それが私のスタイルだ。

そして今も、
ケースの中では

ファンが回り
光が広がり
パーツが静かに動き続けている。

まるで小さな宇宙のように。

自作PCとは、
性能を追求する趣味でもある。

だが同時に、

ロマンを追い求める趣味でもある。

そして私はこれからも
きっと大きなケースを選び続けるだろう。

なぜなら——

ロマンだからだ。


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「小さなWindowsとの出会い」
〜ジャンクタブレットの衝撃〜

フルタワーPCという“巨大なロマン”を追い求めてきた私。
しかしある日、ハードオフのジャンクコーナーで思わぬ出会いをする。

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