【連載】~昭和パソコンオタク列伝~ 第17回:「手のひらのWindows」~小型PCの世界は、まだまだ奥が深い~
パソコン好きには、どうしても抗えない魅力がある。
それは――
**「小さなパソコン」**だ。
手のひらサイズのPC。
ポケットに入るWindows。
そんなマシンを見ると、なぜか無性にワクワクしてしまう。
思い返してみると、私は昔から小型PCに妙に惹かれてきた。
その原点は、かなり昔にさかのぼる。
小型PCの原点「Libretto」
まだノートパソコンが今ほど薄くも軽くもなかった時代。
当時、ひときわ異彩を放つマシンがあった。
東芝のLibrettoである。本連載第10回「ネットの海へ漕ぎ出せ!」でも登場したPCだ。

初めて見たときの印象は今でも覚えている。
とにかく小さい。
ノートパソコンなのに、信じられないくらいコンパクトなのだ。
「え?これ、本当にパソコンなの?」
そんな感じだった。
当時のノートPCといえば、大きくて重いのが当たり前だった。
その中でLibrettoはまるで未来のマシンのようだった。
小さなボディの中で、ちゃんとWindowsが動く。
それだけで妙に感動したものだ。
そしておそらくこの頃から、
「パソコンは小さいほど面白い」
という感覚が、自分の中に芽生えていたのだと思う。
思わず買ってしまった小型PC
時代が進み、私が自作PCの世界に足を踏み入れる頃になると、小型PCというジャンルも少しずつ増えてきた。
そんな中、大須アメ横で出会った小型PCを手に入れることになる。
Intel NUCベアボーンキットである。


これはIntelが展開していた超小型(4x4インチ)の「組立て式」PCキットで、本体、マザーボード、CPU、電源は付属しているが、メモリ、SSD、OS、電源コードを別途購入し、自分で組み込むことで動作する「半完成品」PCだった。
とくに、何に使うあてもなく、ただただこの小さなパソコンが気にいり購入したもので、しばらくはコレクションの一部と化していたが、思わぬところで活躍することになる。
それはマイニング用のPCとして利用することだった。
仮想通貨が話題になり始めた頃、私もマイニング(採掘)に夢中になった時期があった。
当時いろいろな仮想通貨があったが、Bitcoinほどメジャーでないが、Bitcoinの2匹目のどじょうを狙って、国産のBitZenyという仮想通貨に目を付けました。
これはCPUでのマイニングができたことから、このIntelNUCでせっせと掘っていました。
また、Bitcoinも別PCでGPUを何台も繋げて本格的にマイニングしていました。
手のひらサイズに近い筐体。
しかし中身はちゃんとしたWindowsパソコン。
こういう「妙なマシン」を見ると、つい触ってみたくなる。
パソコン好きの悪い癖である。
ミニPCという完成形
小型PCというジャンルで、かなり完成度が高いと感じたのが
ZOTACのZBOXだった。


いわゆるミニPCというカテゴリーのマシンで、サイズはコンパクトながら、そこそこ使える性能を持っている。
しかもデザインがなかなか良い。
机の上に置いても違和感がないし、HDMIでディスプレイにつないで使うこともできる。
ノートPCほど場所を取らない。
それでいて、ちゃんとパソコンとして使える。
小型PCというとオモチャのような印象を持つ人もいるかもしれないが、ZBOXは違った。
小さいのに、ちゃんと実用的。
そんな印象のマシンだった。これも使い道は特になくコレクションの一部と化している。
一目惚れしたGOLE1
そんな小型PC好きの私が、ある日インターネットで見つけてしまったマシンがある。
GOLE1だ。
GOLE1は中国Gole Technology社が開発した、5インチのタッチディスプレイを搭載した世界最小クラスのポケットサイズのWindows 10/Android 5.1デュアルブートPCで、手のひらサイズながら、HDMIやUSBポートを4つ備え、デスクトップPCとしても使用可能な高い拡張性が特徴の製品です。


写真を見た瞬間、思った。
「これは欲しい」
完全にひとめぼれだった。
まず見た目がいい。
小型の筐体に、ゴールドのボディ。
妙におしゃれなのである。
しかしこのマシンの本当の特徴はそこではない。
ディスプレイが付いている。
つまり
・超小型PC
・画面付き
・Windows搭載
という、かなり変わった構成のマシンだった。
普通のミニPCはモニターが必要だ。
しかしGOLE1は、本体だけでパソコンとして成立している。
まるで
小型デスクトップPCと小型モニターを合体させたようなマシン
である。
こういう変態ガジェットは、パソコン好きの心をくすぐる。
私が最初に手に入れたGOLE1は、Windows11機だった。
だが、GOLE1は先に述べたandroidとWindowsのデュアルOSが本来の姿なのだ。
デュアルOSは非常に気になった。
こうなると、もう止まらない。
私はヤフオクやメルカリを探しまくることになる。
しかしGOLE1は、なかなか出てこない。
そもそも流通量が少ないPCなのだろう。
それでも粘り強く探していると、ある日ヤフオクで見つけた。
デュアルOS版GOLE1。
見つけた瞬間、
「これは絶対に落札する」
という気持ちになった。
いくらかかってもいい。
そんな気分で入札して、最終的にはなんとか競り勝つことができた。
落札できたときの達成感は、なかなかのものだった。
Raspberry Piとの出会い
小型PCの世界には、もうひとつ有名な存在がある。
Raspberry Piだ。

これはWindowsマシンではなく、Linux系の小型コンピュータである。
前から気にはなっていたのだが、ある日ハードオフで思わぬ形で出会うことになる。
ジャンク棚の中に、Raspberry Piがころがっていたのだ。
値段も安かったので、迷わず購入した。
家に持ち帰り、さっそく動かしてみる。
すると――
普通に動いた。
ジャンクだったはずなのに、問題なく起動する。
「まあ、何かのときに使えればいいか」
そう思って、そのときはしばらくしまい込んでおくことにした。
ところが後になって、思わぬ形で出番がやってくる。
私はあるとき、Plexサーバーをやることになった。
動画を管理して、家の中で視聴できるメディアサーバーである。
この用途には、Raspberry Piがちょうどよさそうだった。
そこで私は、試行錯誤しながらPlex Serverを構築した。
小さな基板のコンピュータが、ちゃんとサーバーとして動く。
それはなかなか面白い体験だった。
ところが問題が起きる。
24時間稼働させていたせいか、しばらくしてRaspberry Piが故障してしまったのだ。
やはり小さなマシンに、サーバー運用は少し酷だったのかもしれない。
その後、ZorinOSが動いていたHP Elite x2 1012 G1を2代目として起用して現在も稼働中だ。
最後に私がまだ手を付けていないものがある。そうスティックPCという世界があるのだ。写真のとおり手のひらにすっぽり収まる超小型PCだ。

これはディスプレイやTVのHDMI端子に直接挿して使うもので、この小ささでりっぱにWindowsが動くのが驚きだ。
いつか機会があれば手に入れたいPCだ。
小さいパソコンほど面白い
こうして振り返ってみると、私は昔から
小さなパソコン
に惹かれてきた。
Libretto。
ミニPC。
GOLE1。
Raspberry Pi。
サイズはどれも小さい。
しかし、それぞれに個性がある。
パソコンの世界では、どうしても性能ばかりが注目される。
速いCPU。
大きなメモリ。
強力なGPU。
もちろんそれも魅力だ。
しかし一方で、
小さいからこそ面白い
という世界もある。
手のひらの中で動くWindows。
小さな基板で動くサーバー。
そんなマシンを眺めていると、どうしてもワクワクしてしまう。
パソコンという趣味は、本当に奥が深い。
そして小型PCの世界も、まだまだ終わりそうにない。
🔔 第18回予告
「データとサーバー欲」〜NAS導入前夜〜
気がつけば、パソコンの中はデータであふれていた。
動画、写真、そして無数のファイル——。
「それを一元管理したい」と思ったのが始まりだった。
だが、本当の理由はそれだけではない。
心の奥にあったのは、
ただひとつの衝動——
「家にサーバーを置いてみたい」
実用と遊びが交差したとき、
“あの世界”への扉が開く。
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