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【連載】~ 昭和パソコンオタク列伝~ 第2回:「マイコン?それ、美味いの?」〜TK-80で目覚めた少年たち〜


私のTK-80との出会いは、高校時代のことでした。

高校入学と同時に選んだ部活動は「コンピューター部」。部室にはこれまたばかでかい電子計算機――HITACHI製のHITACが2機設置されており、「FORTRAN」や「COBOL」といったプログラミング言語を学ぶ、なかなか本格的な部活でした。(COBOL、懐かしい~!)

当時のHITACとは異なるが、雰囲気はよく似ている汎用コンピュータ室の一例(出典:Wikipedia)

しかし、そんな“正統派”のコンピューター部とは別に、校内にはちょっと異彩を放つ「マイコン同好会」という集まりが存在していました。
そして、そこに導入されたのが、あの伝説のNEC製8ビットマイコン学習キット――TK-80だったのです。


TK-80は、今でいう“ワンボードマイコン”。
ディスプレイは8桁の7セグメントLED、入力は16進キーパッドのみという、極めてシンプルな構成。もちろん、画面も音もマウスも何もない。だけど――そこには、何か**“未来”の匂い**がした。

NEC TK-80(1976年) — 日本初の本格的マイコン学習キット(出典:Wikipedia)

私はというと、すっかりこのマイコン同好会に入り浸るようになり、本業のコンピューター部そっちのけでTK-80と戯れる毎日を送るようになります。

なかでも印象深かったのが、「月面着陸ゲーム」
8桁のLEDしかないTK-80に、ひと文字ずつ機械語(16進数)を打ち込み、LEDの数字の変化で“月に着陸できたかどうか”を判定するという、今では考えられないような超アナログ・ゲーミング体験でした。

このゲームを楽しむには、雑誌『I/O』や『月刊ASCII』などに掲載された機械語のリストを見ながら、16進キーパッドでひと文字ずつ打ち込むという、今では信じられないような超手動スタイルのプログラミングでした。


🔹 機械語あるある(TK-80時代)

  • 1バイトでも打ち間違えると動かない

  • メモリ番地を間違えると他のプログラムが壊れる

  • 慣れてくると、アドレスだけで命令がわかるようになる

  • 雑誌の機械語リストにマーカーを引いてた少年、多数


🔹 オタクポイント!

  • 🧠 1. バグってるのか、自分がミスってるのか、永遠にわからない問題

機械語を全部打ち終えて「RUN!」……動かない。
「これ、バグ?俺の入力ミス?」と数時間にらめっこ
結果:1バイトの打ち間違いでした。


🧮 2. 7セグLEDの「8」が壊れると何もできない

「表示が全部“8”に見える」→LEDの一部が故障してるだけだった
正直、どの数字か読めないと死活問題


🔋 3. 電源を切るとすべてが消える

セーブ機能?そんなものはなかった。
TK-80は電源を切ったら全部消える
→ 解決策:プログラムは毎回打ち直し。逆に記憶力が鍛えられた。


このTK-80との出会いが、私の“コンピューター愛”に火をつけたのは間違いありません。
巨大な計算機では得られなかった**「自分でもがんばれば手に入れられるかも(といっても当時88,500円もしたんですけどね)といったパーソナルな部分とゲームが遊べる(といっても毎回機械語打ち込みだけど・・・)」喜び**を、TK-80は教えてくれたのです。

【次回予告】

第3回:「8ビット三国志」〜NEC、シャープ、富士通の死闘〜
時は1980年代初頭、8ビットマシンの覇権を巡って三つ巴の争いが勃発。
TK-80の次に我々が夢中になったのは、「NEC」「シャープ」「富士通」の三大勢力だった――。


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