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#毎週ショートショートnote[隕石の伯父さん]

僕は生まれてこの方伯父さんが働いている姿を見たことがない。
いつも縁側に寝そべって日がな一日を過ごしている。
周りの人は誰一人伯父さんに声をかける人も気にとめる人もいない。
いてもいなくても存在価値のないいわゆる「無能な人」。
しかし、ある日を境に忽然と姿を消した。
縁側に残された唯一の痕跡。

それは黒々としたちょうどサツマイモぐらいの大きさの石。

誰一人、伯父さんには関心がないと思っていた僕は間違っていた。
人々は顔を合わせれば伯父さんがいなくなったと噂し、石に化けただの、はたまた宇宙人に連れ去られただのと噂が噂を呼んだ。
テレビ番組では怪奇現象やUFOブームに湧いていた。噂を聞きつけてテレビが取材に来る始末だ。
残された石を画面いっぱいに写し出し、UFOの残した隕石ではないかと解説者は神妙な顔つきで語っていた。

伯父さんは僕には唯一心を開いてくれていた。

存在価値のない人間が
実は大いに関心を待たれていたことを
今頃、伯父さんは石一つで大騒ぎしている人たちをどこかで
 ニヤリと笑っていることを

僕は知っている。

お終い
つげ義春の『無能な人』をイメージしました。『役にたたないものにも価値は有るのか』シュールに捉えてみました。



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