ほんわか台風【毎週ショートショートnote】
「はい、ここで臨時ニュースが入りました。ただいま、フィリピン沖グアム付近にて台風が発生しました。この台風は、
『ほんわか台風』と呼ばれ上陸を待ち望まれている台風です。日本に上陸する見込みが高くなっています。皆様心の準備をお願いします」
ニュースを見ていたお茶の間の老夫婦は思わず箸を落としそうになった。
「ばあさん、生きている内に体験出来るなんて夢のようじゃ」
「ええ、じいさまと一緒になんて信じられませんね」
ほんわか台風の情報はまたたくまに日本中を駆け巡り、学校は臨時休校の話合いがもたれた。
かれこれ百年前のこと、ほんわか台風が日本に上陸した日のことが今でも語り草になるほどで
空気は澄み渡り、空はどこまでも青く、キラキラと眩い光のシャワーが降り注いだという。
人々は一生に一度の幸運な日に仕事なんてしたくはない。
人々は静かにその時を家族と待った。
何もかもがストップした日本の上空は塵一つない快晴の一日だった。夜空は星で埋め尽くされた。
人は皆、幸福とは何かをかみしめた。
『ほんわか台風』こんな一日があっても良いのにね。
世界よ 止まれ!
https://note.com/tarahakani/n/n870d98ffc353
終わり
田原にかさん入賞おめでとうございます。これからも【毎週ショートショートnote】皆様もあたたかく見守ってくださいね。
